前田 浩(まえだ ひろし, 1938年xx月xx日(兵庫県生)-)は、日本の医学者・薬学者である。崇城大学DDS研究所 特任教授、熊本大学名誉教授。
経歴
1962 東北大学農学部食糧化学科卒業
1964 カリフォルニア大学Davis 校 大学院修了(R.E. Feeney教授)
1968 東北大学大学院 博士課程修了(医学博士/農学博士)(指田 名香雄 教授)
1968 ハーバード大学癌研究所 主任研究員(シドニー・ファーバー教授)
1971 熊本大学医学部微生物学講座 助教授
1981 熊本大学医学部微生物学講座 教授
2004 熊本大学退官、同 名誉教授
2005 崇城大学薬学部 教授
2011 崇城大学DDS研究所 特任教授
受賞歴
米国サンアントニオ市名誉市長
米国オクラホマ州名誉州民(スマンクスによる肝癌の治療により)
連合王国オックスフォード大学リッチフィールド記念講演
日本細菌学会浅川賞
高松宮妃癌研究基金学術賞
E.K.Frey-E.Werle財団 Commemorative Gold Medal
米国Controlled Release Society
2003 Nagai Innovation Award for Outstanding Achievement
王立英薬学会Life Time Achievement Award
CRS College of Fellows Award
西日本文化賞
日本DDS学会 永井賞
2011 日本癌学会 吉田富三賞
熊日賞
2016 トムソン・ロイター引用栄誉賞
研究概要
がん組織における高分子薬剤のの血管透過性・滞留性亢進(EPR)効果の発見
1979年、ネオカルジノスタチンをスチレン-マレイン酸共重合体に結合させた高分子化制がん剤「スマンクス」を開発。
研究をさらに進めることで、1986年に高分子薬剤が選択的にがん局所に留まりやすい現象「EPR効果(enhanced permeability and retention effect)」を、松村保広(現・国立がん研究センター)とともに提唱した[1]。血管透過性が著しく亢進しているなどの理由から、高分子はより高い腫瘍蓄積性を示す。この効果を勘案することで、薬剤のガン組織への選択的デリバリーが可能となる。
EPR効果は、現在の高分子抗がん剤(リボソーム・ミセル・PEG修飾製剤や抗体などのタンパク製剤)開発の基本理論の一つになっている。
感染における生体内ラジカルの生成に関する研究
ウイルスや細菌学などの感染局所において生体側の応答としてスーパーオキサイドやNOなどラジカル分子が大量に生成し、細胞や核酸に傷害(変異など)を起こすことを初めて明らかにした。
コメント&その他
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関連動画
関連文献
- “A new concept for macromolecular therapeutics in cancer chemotherapy: mechanism of tumoritropic accumulation of proteins and the antitumor agent smancs” Matsumura, Y; Maeda, H. Cancer Res. 1986, 46, 6387.