トーマス・トーレス Tomas Torres(1951年9月21日—)、スペイン出身の化学者
Autonoma University of Madrid(UAM)大学教授、
IMDEA-Nanoscience Associated Senior Researcher
趣味:旅行、化学、サッカー、古い硬貨の収集、写真
経歴
1974年 学士号(化学), Autonoma University of Madrid(UAM)
1978年Ph.D (Prof. F Farina), Institute Organic Chemistry, UAM
1978-1980年ポスドク(Prof. W. Schafer), Max Planck Institute for Biochemistry, Martinsried (Germany)
1981-1985 Merck, Sharp, Dohme などの会社でsenior researcherとして働く
1985 Autonoma University of Madrid(UAM)教員となる
Tomás Torres教授のグループは、現在総勢25名ほどで、20年間の間に270報の論文報告、40の特許を取得、200講演以上を行い、30人以上のPh.D取得者を輩出した。Tomás Torres教授のH-indexは、57である。
受賞歴
2005 Janssen-Cilag Award for Organic Chemistry, Real Sociedad Espanola de Quimica
2009 Doctor honoris causa, Ivanovo State University of Chemistry and Technology(Russia)
研究
フタロシアニン及びその類縁体の合成が専門。近年では、それら色素分子を用いた超分子化学、触媒化学、光電変換、光線力学療法など幅広い研究分野で活躍している。
Torres教授は、サブフタロシアニンの研究を精力的に行っており、総説も執筆している。近年の彼の研究では、サブフタロシアニンのリガンド交換法の開発やサブフタロシアニンからベンゼン環を取り去った誘導体の合成等がある。
サブフタロシアニンの研究
フタロシアニンの光学特性はその18π電子系による。その特徴的な物性から色素・材料として多方面にて用いられている。サブフタロシアニンでは、電子共役系は14π電子系となり、極大吸収も500 nm付近へとシフトする。 また、中心金属を変更する事により分子自体の酸化還元能を変える事が出来る。中心元素へと配位する軸配位子を付加すると会合度など物性に変化が見られる。Tomas Torres教授らのグループはサブフタロシアニンの合成、配位子交換法の開発等を行った。
(図は、Tomas TorresグループHPより抜粋、筆者改変)
学生を用いた環状マクロライド化合物の合成?!!
もちろん、中心金属はTomas Torres教授本人である。
(画像は、Tomas Torres研究室のHPより)
参考文献
- 研究室HP
- Angewandte Author profile DOI: 10.1002/anie.201300418
- Angew. Chem. Int. Ed. 2002, 41, 2561 – 2565.
- Chem. Eur. J. 2005, 11, 354 – 360.
- Chem. Rev. 2010, 110, 6768 – 6816.
- Angew. Chem. Int. Ed. 2011, 50, 3506 – 3509.
- Angew. Chem. Int. Ed. 2012, 51, 4375 – 4378.