コンビナトリアル化学(combinatorial chemistry)とは、 「組み合わせ論に基づき、多数の化合物群(ライブラリー)を効率的に合成し、それらを様々な目的に応じて活用していく技術」のことです。
特に、多数の化合物ライブラリを一度に合成する手法をコンビナトリアル合成(combinatorial synthesis)といい、コンビナトリアル化学の中心に位置付けられています。スプリット合成とパラレル合成の二法に大別されます。(この技術に関連の深いものとしては固相合成法があります。)
短時間にて合成できた数十万単位の化合物群を自動スクリーニングにかける(ハイスループットスクリーニング)ことで、機能性分子の探索を高速・効率的に行えることになります。この技術は医薬品探索プロセスに多大な影響を与えました。
ただし反応条件の最適化は人手に頼らざるを得ず、総合的に見た時間効率がそれほどは向上しない、収率が低い反応では最終化合物に至るまでの副生物がノイズを与えることも多い、そもそも元の骨格以上のものは生み出すことができず、天然から単離されてきた新規構造を有する化合物のようなものは合成できない、などの本質的問題点もあります。
類似の化合物をたくさん合成するコンビナトリアル合成よりも、ダイバーシティー(多様性)に富む合成が求められているのも事実であり、コンビナトリアル技術は失敗であったという声も聞こえてきます。しかし、ほぼ化合物骨格が決められたような薬のリード化合物をスクリーニングするためには非常に効果的です。材料工学や触媒化学の分野においても実際に応用され、現在多くのすばらしい製品を生み出しています。
関連文献
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- コンビナトリアル合成 (有機って面白いよね!)
- CombiChem.Net
- コンビナトリアルケミストリー – Wikipedia
- Combinatorial Chemistry – Wikipedia
- Combinatorial Chemistry Review