光学活性化合物を合成するにあたって、触媒量のキラル源を反応促進剤(プロモーター)にできるとき、そのプロモーターを不斉触媒(asymmetric catalyst)と呼びます。
光学活性化合物は、医薬品や農薬を始めとした生物活性化合物への利用目的で特に需要があり、これを効率よく合成できる不斉触媒は、精密有機合成における強力なツールの一つと見なされています。不斉触媒開発は現在でも有機合成化学研究の中心的分野であり、日本の化学者が世界的リーダーとなって活躍している研究領域でもあります。
人工不斉触媒は、金属を含むもの(金属不斉触媒)と含まないもの(有機分子不斉触媒)に大別されます。後者の方が前者に比べて安価・取り扱い容易・構造チューニング容易というメリットが在る一方で、前者の方は高活性・通常条件ではまず不可能な反応を促進させたりと、バラエティに富んだ変換を可能としています。
2001年度ノーベル化学賞が不斉触媒開発研究に対して与えられたことは記憶に新しいかと思います。受賞した研究テーマは、不斉水素化・酸化反応を対象としていましたが、現在ではより開発が難しいとされる、不斉炭素-炭素結合形成反応をターゲットとする研究が主流となっています。
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- Chiral Synthesis (Wikipedia)
- 不斉触媒 – Wikipedia
- ODOOS 有機合成反応データベース:不斉合成で検索
- 不斉触媒 (関東化学)
- 不斉触媒(PDF;東京化成工業)