誰もが一度は飲んだことがある飲み物「カルピス」。今回ブランド100周年を記念し、カルピスの製造工場としては初めてとなる見学施設が群馬工場内にオープンした。
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カルピスの歴史
カルピスは、三島海雲によって開発されたものである。三島は1908年日本軍部から軍馬の調達を命じられ、モンゴルに行った際に瀕死の状態になった。しかしながら、現地の人から勧められて飲んだ乳酸によって回復したことから。日本で乳酸菌を広めようと思い開発を始めた。その後1919年に世界で初めて乳酸菌飲料の大量生産に成功し、カルピスを発売した。2007年にはカルピス株式会社は味の素株式会社の傘下に入り、2016年にはアサヒ飲料の傘下に入り現在に至る。
カルピスは、生乳から脂肪分を取り出した脱脂乳にカルピス菌を投入し二度の発酵により作られる。カルピス菌がなくなるとカルピスは作れなくなるため厳重に保管されていて、大戦中は疎開したこともある。現在でも社内の1%しか保管場所を知らない。
工場見学について
今年でカルピスが誕生してから100周年という節目に群馬工場内に『カルピス』みらいのミュージアムが開設された。工場見学では、カルピスについて、はじまりのへや(プロローグ)、発酵のへや、製造ライン見学、「カルピス」ラボ、という4つのポイントで学ぶことができる。はじまりのへやでは、カルピスの開発ヒストリーや過去の広告・パッケージが紹介されている。発酵のへやでは、タンクの中をイメージした空間でカルピス独特の香りを体験できる。加えてカルピス製造のライン見学と「カルピス」ラボでの水割り・炭酸割の試飲が盛り込まれている。
見学は無料だが予約が必要である。10月1日から一般公開が始まっているが、12月まで予約の空きがないようである。なおアサヒ飲料では、各工場で工場見学を行っていて
- 明石工場:三ツ矢サイダー
- 富士山工場:おいしい水・十六茶
- 北陸工場:コーヒー
の製造を見学できる。
昨今の工場見学人気によりどの工場も土日の予約は取りにくくなっている。製造への関心が高まっているいることは良いことだと思うが、試食やお土産に一目散にならずに、製造のスケールの大きさや使われている機械などを観察して関心を持ってもらいたいと思う。
関連書籍
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- 100周年の「カルピス」を五感で楽しめる場所:日刊工業新聞による紹介
- 工場見学のお申し込み:アサヒ飲料群馬工場の見学申し込みサイト
- “「カルピス」みらいのミュージアム”誕生、試飲・工場見学・シアターなどで“カルピスの世界観”を体験:食品産業新聞社ニュース