[スポンサーリンク]

化学地球儀

資生堂企業資料館

[スポンサーリンク]

静岡県掛川市にある資生堂の資料館で、化粧品に関する展示がある。

マップ

その他の化学地球儀はこちらからどうぞ

解説

常設展示では、化粧品のパッケージやポスター、CMといった商品デザインと広告の変遷に関する展示を行っている。1960年以降のポスターからは化粧品の宣伝というもあり、その時代の美しい人をモデルとして起用しているようである。パッケージングは、明治まではシンプルなビンだったのが戦中では物資の不足から簡素な材質の容器に変わり、戦後からはデザインを重視した凝った形の容器に変わっていくのがわかる。バーチャルツアーでも館内を紹介しているが、展示の細部に近寄ることができないので実際に訪れて直に見た方がよくわかる。常設だけなく企画展も盛んに行っている。

図書の公開も行っていて、社史といった典型的な図書だけでなく、資生堂の研究紀要”おいでるみん”や皮膚に関する研究結果など貴重な資料も公開している。開架書庫に関しては自由に閲覧することができる。閉架書庫もありこちらは、利用に関しては厳しいルールがあり、図書の貸出・コピーはできず、閲覧に関してもアカデミックの研究目的に限り、事前の申し込みも必要である。

研究紀要おいでるみん

雑誌名おいでるみんのもとになった化粧品オイデルミン。140年のベステセラー商品のようで、肌の汚れを落とすことができるようである。

 

資料館には、ミュージアムショップもあり、定番のグッズだけ出なく資生堂パーラーのお菓子も販売している。季節の花が植えられているガーデンやアート作品を公開しているアートハウスなどもあり、化粧品だけでなく様々なことに触れることができる施設である。資料館の隣には工場があり、資生堂製品のマザー工場として、メーキャップ製品を中心にスキンケア製品、医薬品、ヒアルロン酸の生産などを行っている。

静岡には多くの企業の工場があるが、資料館を併設していることは珍しい。もちらん化学品ではなくデザインの展示がメインだが、どんな材料が時代ごとに使われていたかパッケージから知ることができる。彼女の化粧品について理解を示すことができ、化学のうんちくも披露できるので、化学者にとっては最高のデートスポットだと言える。

関連リンク

 

Avatar photo

Zeolinite

投稿者の記事一覧

ただの会社員です。某企業で化学製品の商品開発に携わっています。社内でのデータサイエンスの普及とDX促進が個人的な野望です。

関連記事

  1. ケミストリー通り
  2. やまと根岸通り
  3. 錬金術博物館
  4. ドミトリ・メンデレーエフの墓
  5. バーゼル Basel:製薬・農薬・化学が集まる街
  6. 金沢ふるさと偉人館
  7. ノーベル博物館
  8. 住友化学歴史資料館

注目情報

ピックアップ記事

  1. アラインをパズルのピースのように繋げる!
  2. フェリックス・カステラーノ Felix N. Castellano
  3. 高純度フッ化水素酸のあれこれまとめ その1
  4. Imaging MS イメージングマス
  5. 高脂血症薬がウイルス抑制/C型肝炎で厚労省研究班
  6. 【第48回有機金属化学セミナー】講習会:ものづくりに使える触媒反応
  7. 脂質ナノ粒子によるDDS【Merck/Avanti Polar Lipids】
  8. 分子集合体がつくるポリ[n]カテナン
  9. 研究室でDIY!割れないマニホールドをつくろう・改
  10. 可視光増感型電子移動機構に基づく強還元触媒系の構築

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2017年12月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

最新記事

草津温泉の強酸性硫黄泉で痺れてきました【化学者が行く温泉巡りの旅】

臭い温泉に入りたい!  というわけで、硫黄系の温泉であり、日本でも最大の自然温泉湧出量を誇る草津温泉…

ディストニックラジカルによる多様なアンモニウム塩の合成法

第643回のスポットライトリサーチは、関西学院大学理工学研究科 村上研究室の木之下 拓海(きのした …

MEDCHEM NEWS 34-1 号「創薬を支える計測・検出技術の最前線」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

医薬品設計における三次元性指標(Fsp³)の再評価

近年、医薬品開発において候補分子の三次元構造が注目されてきました。特に、2009年に発表された論文「…

AI分子生成の導入と基本手法の紹介

本記事では、AIや情報技術を用いた分子生成技術の有機分子設計における有用性や代表的手法について解説し…

第53回ケムステVシンポ「化学×イノベーション -女性研究者が拓く未来-」を開催します!

第53回ケムステVシンポの会告です!今回のVシンポは、若手女性研究者のコミュニティと起業支援…

Nature誌が発表!!2025年注目の7つの技術!!

こんにちは,熊葛です.毎年この時期にはNature誌で,その年注目の7つの技術について取り上げられま…

塩野義製薬:COVID-19治療薬”Ensitrelvir”の超特急製造開発秘話

新型コロナウイルス感染症は2023年5月に5類移行となり、昨年はこれまでの生活が…

コバルト触媒による多様な低分子骨格の構築を実現 –医薬品合成などへの応用に期待–

第 642回のスポットライトリサーチは、武蔵野大学薬学部薬化学研究室・講師の 重…

ヘム鉄を配位するシステイン残基を持たないシトクロムP450!?中には21番目のアミノ酸として知られるセレノシステインへと変異されているP450も発見!

こんにちは,熊葛です.今回は,一般的なP450で保存されているヘム鉄を配位するシステイン残基に,異な…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー