[スポンサーリンク]

化学地球儀

科学警察研究所

[スポンサーリンク]

警察庁の附属機関として科学捜査、犯罪防止、交通事故防止等についての研究を行っている機関である。

 

マップ

その他の化学地球儀はこちらからどうぞ

科学捜査研究所との違い

科学捜査研究所(科捜研)は、各都道府県の警察本部に置かれているものであり、例えば科捜研の女では、京都府警科学捜査研究所をドラマの設定にしている。そのため東京には警視庁科学捜査研究所がある。一方で科学警察研究所(科警研)は、警察庁の付属機関である。報告書などを見る限りでは、科捜研が事件に近い研究を行っているのに対して、科警研は基礎技術に近い研究を行っているように見え、会社での生産技術と基礎研究チームのような関係だと考えられる。そのため、科警研では学会発表や論文発表も積極的に行っている。

研究内容

法科学第一部、法科学第二部、法科学第三部、法科学第四部、犯罪行動科学部、交通科学部、附属鑑定所、法科学研修所という部門に分かれていて化学に関する研究は、下記の部門で行われている。

  • 法科学第二部:物理研究室、火災研究室、爆発研究室、機械研究室

火災研究室では火災の原因究明、燃焼実験と着火原因などに関する研究並びにこれらの技術を応用した鑑定・検査を行っている。爆発研究室では、火薬類の分析、爆発物の威力、爆発原因の調査法などに関する研究及び技術を応用し、鑑定・検査を行っている。例えば、火災鑑定におけるシミュレーション技術実用化に関する研究 という題名でガソリンを使った燃焼のシミュレーションについての研究を行っていた。

  • 法科学第三部:化学第一~五研究室

化学第一研究室では薬物、第二研究室では毒劇物、第三研究室では、金属片、ガラス片といった微細な物質、第四研究室では土砂や植物、第五研究室では、化学兵器用剤や有害性ガスなどの研究を行っていて、分析機器を使った解析を主のプロジェクトとして行っている。過去の研究プロジェクトでは、大麻事犯捜査における科学的検査法の高度化に関する研究 という題名で大麻の分施主法について研究を行っていた。

  • 附属鑑定所

附属鑑定所では鑑定とその技術開発を行っている。偽造された通貨はすべてこの科警研に送付されて鑑定が行われる。

採用

研究員は国家公務員総合職研究職員であるため、国家公務員試験に合格して採用されていて毎年1から8名が採用されている。

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4759819347″ locale=”JP” title=”科学捜査ケースファイル―難事件はいかにして解決されたか”] [amazonjs asin=”4106105756″ locale=”JP” title=”警視庁科学捜査最前線 (新潮新書)”]

 

関連リンク

 

Avatar photo

Zeolinite

投稿者の記事一覧

ただの会社員です。某企業で化学製品の商品開発に携わっています。社内でのデータサイエンスの普及とDX促進が個人的な野望です。

関連記事

  1. 第12回化学遺産認定~新たに3件を認定しました~
  2. スイスの博士課程ってどうなの?1〜ヨーロッパの博士課程を知る〜
  3. フィリピン海溝
  4. フライデーハーバー研究所
  5. メンデレーエフスカヤ駅
  6. 東京大学理学部 化学教室
  7. 品川硝子製造所跡(近代硝子工業発祥の碑)
  8. 石見銀山遺跡

注目情報

ピックアップ記事

  1. 「次世代医療を目指した細胞間コミュニケーションのエンジニアリング」ETH Zurich、Martin Fussenegger研より
  2. 元素手帳 2018
  3. 2011年人気記事ランキング
  4. 触媒表面に吸着した分子の動きと分子変換過程を可視化~分子の動きが触媒性能に与える影響を解明~
  5. 海外機関に訪問し、英語講演にチャレンジ!~③ いざ、機関訪問!~
  6. 理研の一般公開に参加してみた
  7. 「遷移金属を用いてタンパク質を選択的に修飾する」ライス大学・Ball研より
  8. 池田 富樹 Tomiki Ikeda
  9. 溶液中での安定性と反応性を両立した金ナノ粒子触媒の開発
  10. アルキルアミンをボロン酸エステルに変換する

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2017年12月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

最新記事

乙卯研究所 2025年度下期 研究員募集

乙卯研究所とは乙卯研究所は、1915年の設立以来、広く薬学の研究を行うことを主要事業とし、その研…

次世代の二次元物質 遷移金属ダイカルコゲナイド

ムーアの法則の限界と二次元半導体現代の半導体デバイス産業では、作製時の低コスト化や動作速度向上、…

日本化学連合シンポジウム 「海」- 化学はどこに向かうのか –

日本化学連合では、継続性のあるシリーズ型のシンポジウムの開催を企画していくことに…

【スポットライトリサーチ】汎用金属粉を使ってアンモニアが合成できたはなし

Tshozoです。 今回はおなじみ、東京大学大学院 西林研究室からの研究成果紹介(第652回スポ…

第11回 野依フォーラム若手育成塾

野依フォーラム若手育成塾について野依フォーラム若手育成塾では、国際企業に通用するリーダー…

第12回慶應有機化学若手シンポジウム

概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大学理工学部・…

新たな有用活性天然物はどのように見つけてくるのか~新規抗真菌剤mandimycinの発見~

こんにちは!熊葛です.天然物は複雑な構造と有用な活性を有することから多くの化学者を魅了し,創薬に貢献…

創薬懇話会2025 in 大津

日時2025年6月19日(木)~6月20日(金)宿泊型セミナー会場ホテル…

理研の研究者が考える未来のバイオ技術とは?

bergです。昨今、環境問題や資源問題の関心の高まりから人工酵素や微生物を利用した化学合成やバイオテ…

水を含み湿度に応答するラメラ構造ポリマー材料の開発

第651回のスポットライトリサーチは、京都大学大学院工学研究科(大内研究室)の堀池優貴 さんにお願い…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー