金沢ふるさと偉人館は石川県金沢市にある金沢ゆかりの人物20名あまりに関する資料館。その中でも化学者としては高峰譲吉、桜井錠二、飯盛里安が挙げられている。
解説
金沢で観光と言えばまず兼六園ですよね。そして最近では金沢21世紀近代美術館が賑わっているようです。実は筆者は金沢に出張に行っていたのですが、それらの観光地には見向きもせず、高峰譲吉観光をしてきました(当然仕事の合間ですよ!)。その一環でこの金沢ふるさと偉人館を訪れてみました。
石川県の金沢周辺は高峰譲吉を始めとする偉人の宝庫です。文理どちらにも一度は耳にしたことがある人物が多数います。それら偉人達に関する貴重な資料や、人物の解説などをみることができます。
高峰譲吉についてはケムステでもいくつか関連記事が過去にありますし、化学地球儀にもいくつか関連スポットがありますので参照して下さい。ふるさと偉人館を実際に見学してみると、高峰譲吉関連資料が充実しているなと感じました。
見逃しそうになりますが、入り口右手に胸像や高峰譲吉ゆかりの桜の木があります
また、正直なところ存じ上げなかったのですが、理論化学者の桜井錠二、放射化学の飯盛里安に関するものもありました。桜井錠二は高峰譲吉とともに理化学研究所の設立に携わり、初代理化学研究所の副所長を務めた人物です。元は錠五郎という名でしたが、外国人に親しみやすいように錠二と改名しています。
桜井錠二のイラスト
その門下生には、池田菊苗(グルタミン酸)や真島利行(ウルシオール)がおり、そして飯盛里安も門下生に当たります。
飯盛里安は鉱物の研究が主な業績で、その一環として放射性物質に関する研究も行ったようです。1921年にノーベル化学賞を受賞したフレデリック・ソディが提唱したisotopeという言葉に「同位元素」という訳を与えたという逸話も残っています。終戦と共に放射化学に関する研究は禁止されてしまう事態となったこともあり、晩年は人造宝石の合成などにも力を入れました。
このように偉人達が残した品々に接し、なんだかパワーを貰えたような気がしました。皆さんも金沢を訪れることがありましたら、ぜひ近代美術館のついでに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
また、周辺には高峰譲吉ゆかりのスポットがいくつかありますので、化学地球儀で探してみて下さいね。
マップ
その他の化学地球儀はこちらからどうぞ
マップ上部の白い四角の部分をクリックしても大きな化学地球儀が表示されます。
関連リンク
金沢ふるさと偉人館公式HP
関連書籍
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