[スポンサーリンク]

化学地球儀

官営八幡製鐵所関連施設

[スポンサーリンク]

官営八幡製鐵所は福岡県北九州市にある明治時代から続く製鉄所。明治20年代から計画が始まり1901年(明治34年)に操業を開始し、現在でも新日鐵住金の八幡製鐵所として操業中である。

 

 

マップ

その他の化学地球儀はこちらからどうぞ

マップ上部の白い四角の部分をクリックしても大きな化学地球儀が表示されます。

 

解説

我が国の近代製鉄は、1858年に岩手県釜石で、鉄鉱石を用いた洋式高炉による出銑に成功したことに始まります。紆余曲折を経て銑鉄の生産にこぎつけたものの、釜石では鋼鉄とその製品を造るまでの設備がありませんでした。
明治20年代に入ると鋼を生産する近代製鉄所設立の機運が高まりを受け、我が国で最大の石炭産出量を持つ筑豊炭田に隣接していた八幡村に1897年製鐵所の設置が決まりました。
約 4年の工事を経て、1901(明治34)年2月5日、東田第一高炉に火入れが行われましたが、相次ぐトラブルで1902年には休止に追い込まれまてしまいました。しかし、様々な炉の改良後1904年には順調に稼動し、鉄鋼生産は軌道にのり、日本人による高炉の操業技術が確立するとともに、近代日本の製鉄業が 繁栄することに繋がったのです。1930年代までに周辺に多くの産業が立地し、北九州工業地帯を形成する重要な工場として日本の近代化を支え、我が国近代化の最終段階である重工業化を達成した記念すべき存在であるといえます。
平成27年7月6日に世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の一つとして登録が決定されました。前回の明治日本の産業革命遺産の紹介はこちら

タイトル写真(佐賀県HPより)は官営八幡製鐵所の旧本事務所ですが、製鉄所内にあることや老朽化のため一般公開はされておりません。

その他にも旧鍛冶工場、修繕工場、遠加川水源地ポンプ室が一連の施設として世界文化遺産の対象となっていますが、いずれも非公開となっております。

近代的な製鉄所については工場見学があります。

 

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4777937127″ locale=”JP” title=”世界遺産カレンダー 2016″] [amazonjs asin=”4384058004″ locale=”JP” title=”英語で伝える日本の文化・観光・世界遺産”] [amazonjs asin=”4167215160″ locale=”JP” title=”高炉の神様―宿老・田中熊吉伝 (文春文庫)”]

 

 

関連リンク

 

明治日本の産業革命遺産: その他の施設についても詳細があります

 

Avatar photo

ペリプラノン

投稿者の記事一覧

有機合成化学が専門。主に天然物化学、ケミカルバイオロジーについて書いていきたいと思います。

関連記事

  1. 石見銀山遺跡
  2. 第12回化学遺産認定~新たに3件を認定しました~
  3. スクリプス研究所
  4. Stadtfriedhof (ゲッチンゲン市立墓地)
  5. スイスの博士課程ってどうなの?1〜ヨーロッパの博士課程を知る〜
  6. サントリー白州蒸溜所
  7. 島津製作所 創業記念資料館
  8. バーゼル Basel:製薬・農薬・化学が集まる街

注目情報

ピックアップ記事

  1. バイオタージ Isolera: フラッシュ自動精製装置がSPEED UP!
  2. マイクロ波加熱を用いた省エネ・CO2削減精製技術によりベリリウム鉱石の溶解に成功
  3. グラクソ、パーキンソン病治療薬「レキップ錠」を販売開始
  4. 専門用語(科学英単語)の発音
  5. 国際化学オリンピックで日本代表4人メダル受賞
  6. 高脂血症治療薬の開発に着手 三和化学研究所
  7. 氷河期に大量のメタン放出 十勝沖の海底研究で判明
  8. 「ニコチンパッチ」6月1日から保険適用
  9. アルコールのアルカンへの還元 Reduction from Alcohol to Alkane
  10. 4-tert-ブチル-2,6-ジメチルフェニルサルファートリフルオリド:4-tert-Butyl-2,6-dimethylphenylsulfur Trifluoride

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2015年9月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

注目情報

最新記事

第57回若手ペプチド夏の勉強会

日時2025年8月3日(日)~8月5日(火) 合宿型勉強会会場三…

人工光合成の方法で有機合成反応を実現

第653回のスポットライトリサーチは、名古屋大学 学際統合物質科学研究機構 野依特別研究室 (斎藤研…

乙卯研究所 2025年度下期 研究員募集

乙卯研究所とは乙卯研究所は、1915年の設立以来、広く薬学の研究を行うことを主要事業とし、その研…

次世代の二次元物質 遷移金属ダイカルコゲナイド

ムーアの法則の限界と二次元半導体現代の半導体デバイス産業では、作製時の低コスト化や動作速度向上、…

日本化学連合シンポジウム 「海」- 化学はどこに向かうのか –

日本化学連合では、継続性のあるシリーズ型のシンポジウムの開催を企画していくことに…

【スポットライトリサーチ】汎用金属粉を使ってアンモニアが合成できたはなし

Tshozoです。 今回はおなじみ、東京大学大学院 西林研究室からの研究成果紹介(第652回スポ…

第11回 野依フォーラム若手育成塾

野依フォーラム若手育成塾について野依フォーラム若手育成塾では、国際企業に通用するリーダー…

第12回慶應有機化学若手シンポジウム

概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大学理工学部・…

新たな有用活性天然物はどのように見つけてくるのか~新規抗真菌剤mandimycinの発見~

こんにちは!熊葛です.天然物は複雑な構造と有用な活性を有することから多くの化学者を魅了し,創薬に貢献…

創薬懇話会2025 in 大津

日時2025年6月19日(木)~6月20日(金)宿泊型セミナー会場ホテル…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー