[スポンサーリンク]

化学書籍レビュー

有機化学1000本ノック【命名法編】【立体化学編】

[スポンサーリンク]

[amazonjs asin=”4759819932″ locale=”JP” title=”有機化学1000本ノック 命名法編”][amazonjs asin=”4759819940″ locale=”JP” title=”有機化学1000本ノック 立体化学編”]

概要

命名法編

有機化学を深く理解するために有効な方法は,演習問題を解き,知識の定着を確認することである.有機化学の初期で大学生がつまずきやすい一つが化合物の命名法.有機化学では,この命名法を理解していることが前提となって講義が進むが,きちんと学習する機会は少ない.本書では,基本的な命名法のルールを理解できるまで繰り返せるように,1000問超の問題を掲載.あとは「身体に染みつく」まで解いて解いて解きまくれ!(引用:化学同人

立体化学編

構造異性体,立体異性体,立体配置,立体配座など,苦手意識をもつ学生が多い立体化学.分子の構造を正しくとらえ,二次元で表示された構造式を三次元で理解するためには,分子あらゆる角度から眺めるトレーニングが必要となる.『命名法編』と同じく1000問超の問題を掲載.分子構造模型を片手に,「頭の中で自由に分子を回転できる」まで解いて解いて解きまくれ!(引用:化学同人

対象

  • 有機化学を学ぶすべての人
  • 大学生以上(高校生でもよいかも)
  • 大学1年生の講義をもつ大学教員

内容

なんてキャッチーなタイトルなんだ!(良い意味で)

はじめの感想がこれ。このタイトルを見ただけで中身がわかる。1000本ノックなので、徹底的に問題を解き続ける本。1000本=まさか1000題あるのかな?と思いきや、、

あります。

命名法編は1002題、立体化学編は1001題ありました。いやはや、とっても単純ですが、いままでにない本で新鮮です。

中身をみていきましょう。

命名法編では、官能基別に、「命名のポイント」「問題」からなっています。ただただ問題の羅列だけでないのもよいところ。しっかりこの書籍だけで自学できるようになっています。

一方の立体化学編も化合物別になっていて、それぞれ、「立体化学のポイント」と「問題」があります。立体化学ではよくでてくるマニアックな化合物群も多いですね。

と、まさに名前通りの書籍です。

これは良い!と思ったのは、講義に使えそうというところ。命名法や立体化学は自分でとかないと身につきません。特に理論があるわけではなく、あるルールにしたがって、名前や立体化学を示すのみ。

「こんな単純なことに講義の時間をつかってられない!」

ということでさらっとやって終わらすんですね。ただ、テストには出しやすい(苦笑)。結果、あんまりできず残念に思うわけです。この書籍で練習問題を宿題でやっていればいいのではないかと思いました。というわけで、即購入

命名法も、立体化学もChemDraw殿に出してもらっている筆者としては、この書籍で無敵になった学生に会うのが怖いですね(苦笑)。ちなみに、皆さんこれがあったらいいのにと思われる【反応機構編】はすでに発売が決定しているらしいです。とっても楽しみですね!

関連書籍

[amazonjs asin=”480790907X” locale=”JP” title=”有機化学命名法: IUPAC2013勧告および優先IUPAC名”][amazonjs asin=”4785334231″ locale=”JP” title=”立体化学 (有機化学スタンダード)”]
Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. Lead Optimization for Medicinal …
  2. 【書籍】機器分析ハンドブック2 高分子・分離分析編
  3. 世界のエリートが今一番入りたい大学 ミネルバ
  4. 密度汎関数法の基礎
  5. 【書評】スキルアップ有機化学 しっかり身につく基礎の基礎
  6. 化学物質はなぜ嫌われるのか
  7. 細胞の分子生物学/Molecular Biology of th…
  8. セレンディピティ:思いがけない発見・発明のドラマ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 【書籍】女性が科学の扉を開くとき:偏見と差別に対峙した六〇年 NSF(米国国立科学財団)長官を務めた科学者が語る
  2. 偶然生まれた新しい青色「YInMnブルー」の油絵具が日本で限定発売される
  3. Mestre NovaでNMRを解析してみよう
  4. チャート式実験器具選択ガイド:スパチュラ・グローブ編
  5. 3成分開始剤系を用いたリビングラジカル重合
  6. 【PR】Chem-Stationで記事を書いてみませんか?【スタッフ・寄稿募集】
  7. 第32回「生きている動物内で生理活性分子を合成して治療する」田中克典 准主任研究員
  8. 第44回「100%の効率を目指せば、誤魔化しのないサイエンスが見える」安達千波矢教授
  9. Nature Chemistry:Research Highlight
  10. Dead Endを回避せよ!「全合成・極限からの一手」①(解答編)

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2019年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

注目情報

最新記事

【スポットライトリサーチ】汎用金属粉を使ってアンモニアが合成できたはなし

Tshozoです。 今回はおなじみ、東京大学大学院 西林研究室からの研究成果紹介(第652回スポ…

第11回 野依フォーラム若手育成塾

野依フォーラム若手育成塾について野依フォーラム若手育成塾では、国際企業に通用するリーダー…

第12回慶應有機化学若手シンポジウム

概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大学理工学部・…

新たな有用活性天然物はどのように見つけてくるのか~新規抗真菌剤mandimycinの発見~

こんにちは!熊葛です.天然物は複雑な構造と有用な活性を有することから多くの化学者を魅了し,創薬に貢献…

創薬懇話会2025 in 大津

日時2025年6月19日(木)~6月20日(金)宿泊型セミナー会場ホテル…

理研の研究者が考える未来のバイオ技術とは?

bergです。昨今、環境問題や資源問題の関心の高まりから人工酵素や微生物を利用した化学合成やバイオテ…

水を含み湿度に応答するラメラ構造ポリマー材料の開発

第651回のスポットライトリサーチは、京都大学大学院工学研究科(大内研究室)の堀池優貴 さんにお願い…

第57回有機金属若手の会 夏の学校

案内:今年度も、有機金属若手の会夏の学校を2泊3日の合宿形式で開催します。有機金…

高用量ビタミンB12がALSに治療効果を発揮する。しかし流通問題も。

2024年11月20日、エーザイ株式会社は、筋萎縮性側索硬化症用剤「ロゼバラミン…

第23回次世代を担う有機化学シンポジウム

「若手研究者が口頭発表する機会や自由闊達にディスカッションする場を増やし、若手の研究活動をエンカレッ…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー