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化学書籍レビュー

生物活性分子のケミカルバイオロジー

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[amazonjs asin=”4759813799″ locale=”JP” title=”生物活性分子のケミカルバイオロジー: 標的同定と作用機構 (CSJ Current Review)”]

 

内容

生物活性分子の標的同定と作用機構は創薬の基盤技術として期待され,日本発のさまざまな手法によって大きく展開している.本書では,生物活性リガンドを用いるケミカルバイオロジー研究について,第一線研究者が生物活性リガンドの基礎,および分子標的の基礎から最先端までを総括的に解説する.

(引用:書籍紹介ページより)

 

対象

大学院以上、研究者

 

解説

タイトル通りケミカルバイオロジーに関して記した新書である。そもそも「CSJカレントレビュー」シリーズは注目分野の重要トピックを揃えた入門書であり、読みやすく、人気を集めている。私も何冊か気になる分野の同シリーズを所有しているが、概してわかりやすく、そして興味を引かれる内容に仕上がっている良いシリーズであると思う。通常「フロントランナーに聞く」という特別座談会から始まり、基本的な概念や知識などを記載した後、分野の最前線トピックを第一人者たちがわかりやすく紹介する「研究最前線」そして、役に立つデータ集や資料と続く。

本書においても、変わりなく「フロントランナーに聞く」では、上村大輔教授、長田裕之博士、上杉志成教授、そして聞き手として上田実教授の座談会が紹介されている。ケミカルバイオロジーの歴史にも今後の展望にも触れられるよい記事だと思う。内容に関しては最新トピックにもかかわらず基礎から簡単に書いてあるので、わかりやすい。あまり知識がない人でも読めるのではないだろうか。化学者はもちろん、生物学者にも化学者がどのように考えて生物にアプローチしようとしているのか読んで欲しい書籍である。たまにあるコラムも秀逸だ。重要実験のプロトコールといま一番気になっている研究者を紹介している。

他のケミカルバイオロジー書籍との違いはすべてを見たわけではないのでわからないが、かなり化学によりではあるが、かつ研究現場でツールとして使えるような最新研究が紹介されている。

いまから、ケミカルバイオロジー研究をはじめる学生にはぜひオススメしたい書籍である。それだけではなく果敢にもケミカルバイオロジー研究をはじめた研究者にも一度ゼロから分野の基礎的な話を覗ける絶好の機会を与えてくれる書籍であるといえる。

 

関連書籍

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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