[スポンサーリンク]

化学書籍レビュー

高分子の合成(上)(下)

[スポンサーリンク]

[amazonjs asin=”406154361X” locale=”JP” title=”高分子の合成(上)―ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合 (KS化学専門書)”][amazonjs asin=”4061543628″ locale=”JP” title=”高分子の合成(下)―開環重合・重縮合・配位重合 (KS化学専門書)”]

概要

高分子の重合反応に特化した専門書であり、高分子に携わる研究者必読の書。

上巻ではラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合を取り扱う。重合反応の基礎からリビング重合など反応の精密制御までを網羅。

下巻では開環重合、重縮合、配位重合を詳説。反応の多様性という特徴を有するこれらの重合反応からはさまざまな機能材料が生み出される。

 

対象

高分子に関わる研究を行っている学部学生~大学院生、研究者

 

評価・解説

第一線で活躍する日本の高分子学者が執筆した、高分子合成法に特化した専門書です。各高分子合成法の基礎から最近の進展までが網羅的に記されており、様々な場面で活躍できる書物となっています。

例えば、高分子関係の研究室に配属された学部学生にとっては、自身の研究室で研究対象となる高分子合成法を学ぶ良い導入書となるでしょう。あるいは、自身が疎い高分子合成手法に関する論文を雑誌会で紹介する際には、下準備として知識を得る場合にも活用できるでしょう。

また、一般の高分子の導入書と異なり、合成手法の観点に絞った記述がなされているため、これまでに有機化学を学んできた研究者にとっては理解しやすい内容となっています。これから高分子化学を学びはじめる人にとっても良い入門書にもなるでしょう。

また近年進展している精密重合についても丁寧にまとめられているため、高分子に携わってきた研究者にとっても、高分子合成における最近の進展の様子を俯瞰できる書となっています。相当数の論文を引用して執筆されており、詳しく知りたい合成手法については原著論文までさかのぼって情報を得て活用することもできるでしょう。

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4621041894″ locale=”JP” title=”高分子化学〈1〉合成 (基礎化学コース)”][amazonjs asin=”4621082590″ locale=”JP” title=”高分子化学 合成編 (化学マスター講座)”]
Avatar photo

kengen

投稿者の記事一覧

メーカーにて有機合成、高分子合成関係の開発に従事しています。また産学協業の仕事も担っており、「学」の成果を「産」で応用・実施していくべく、日々模索しています。学生時代は有機金属化学を学んでいました。よろしくお願いします。

関連記事

  1. 化学者たちの感動の瞬間―興奮に満ちた51の発見物語
  2. 【書籍】化学探偵Mr.キュリー5
  3. SDGsと化学: 元素循環からのアプローチ
  4. Reaction and Synthesis: In the O…
  5. 免疫(第6版): からだを護る不思議なしくみ
  6. 天然物化学
  7. 化学で何がわかるかーあなたの化学、西暦何年レベル?ー
  8. 基礎講座 有機化学

注目情報

ピックアップ記事

  1. メーヤワイン アリール化反応 Meerwein Arylation
  2. パーフルオロ系界面活性剤のはなし 追加トピック
  3. ジアゾメタン原料
  4. 第13回ケムステVシンポジウム「創薬化学最前線」を開催します!
  5. とある化学者の海外研究生活:スイス留学編
  6. 論説フォーラム「研究の潮目が変わったSDGsは化学が主役にーさあ、始めよう!」
  7. 亜鉛挿入反応へのLi塩の効果
  8. 二酸化炭素 (carbon dioxide)
  9. エノールエーテルからα-三級ジアルキルエーテルをつくる
  10. フェニル酢酸を基質とするC-H活性化型溝呂木-Heck反応

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2014年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

注目情報

最新記事

世界初の金属反応剤の単離!高いE選択性を示すWeinrebアミド型Horner–Wadsworth–Emmons反応の開発

第636回のスポットライトリサーチは、東京理科大学 理学部第一部(椎名研究室)の村田貴嗣 助教と博士…

2024 CAS Future Leaders Program 参加者インタビュー ~世界中の同世代の化学者たちとかけがえのない繋がりを作りたいと思いませんか?~

CAS Future Leaders プログラムとは、アメリカ化学会 (the American C…

第50回Vシンポ「生物活性分子をデザインする潜在空間分子設計」を開催します!

第50回ケムステVシンポジウムの開催告知をさせて頂きます!2020年コロナウイルスパンデミッ…

有機合成化学協会誌2024年12月号:パラジウム-ヒドロキシ基含有ホスフィン触媒・元素多様化・縮環型天然物・求電子的シアノ化・オリゴペプチド合成

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年12月号がオンライン公開されています。…

「MI×データ科学」コース ~データ科学・AI・量子技術を利用した材料研究の新潮流~

 開講期間 2025年1月8日(水)、9日(木)、15日(水)、16日(木) 計4日間申込みはこ…

余裕でドラフトに収まるビュッヒ史上最小 ロータリーエバポレーターR-80シリーズ

高性能のロータリーエバポレーターで、効率良く研究を進めたい。けれど設置スペースに限りがあり購入を諦め…

有機ホウ素化合物の「安定性」と「反応性」を両立した新しい鈴木–宮浦クロスカップリング反応の開発

第 635 回のスポットライトリサーチは、広島大学大学院・先進理工系科学研究科 博士…

植物繊維を叩いてアンモニアをつくろう ~メカノケミカル窒素固定新合成法~

Tshozoです。今回また興味深い、農業や資源問題の解決の突破口になり得る窒素固定方法がNatu…

自己実現を模索した50代のキャリア選択。「やりたいこと」が年収を上回った瞬間

50歳前後は、会社員にとってキャリアの大きな節目となります。定年までの道筋を見据えて、現職に留まるべ…

イグノーベル賞2024振り返り

ノーベル賞も発表されており、イグノーベル賞の紹介は今更かもしれませんが紹介記事を作成しました。 …

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP