[スポンサーリンク]

化学書籍レビュー

天然物化学

[スポンサーリンク]

[amazonjs asin=”4339067172″ locale=”JP” title=”天然物化学 バイオテクノロジー教科書シリーズ”]

 概要

生物活性物質を取り扱う天然物化学は、古くから活発に研究が行われ多くの研究者が携わってきた領 域であり、その努力の結晶は医薬品、香料などわれわれの生活を豊かにするために大いに役立ってきた。このような成果は、生物活性物質の探索や抽出、精製、 構造決定、化学合成など多分野の研究者(主として有機化学者)の尽力によるものである。本書は学部学生への講義をまとめたものであるが、内容にはやや高度 な部分を含んでおり、大学院学生にも十分興味の持てる内容であると考えている。

 対象

基本的な用語が理解できる学部2~3回生以上

 評価・解説

バイオテクノロジー教科書シリーズの第17巻。植物や微生物の二次代謝産物にやや比重が置かれていますが、体系的にまとめられていてイメージがつかみやすい構成になっています。概要にもあるように学部生にはやや高度な部分もあるかもしれませんが、各項目における歴史や代表的な化合物がコンパクトかつ丁寧に紹介されているため、天然物化学に興味がある人の入門書としても最適だと思います。何より構造式や反応機構がとにかく多く、視覚的にも理解しやすいため読むのに時間はかかりません。繰り返し読みたい、天然物化学に関わる学生・院生必携の一冊です。

関連書籍

[amazonjs asin=”4785332204″ locale=”JP” title=”生物有機化学―ケミカルバイオロジーへの展開 (化学の指針シリーズ)”][amazonjs asin=”4254146434″ locale=”JP” title=”天然物化学・生物有機化学〈1〉天然物化学 (朝倉化学大系)”]
Avatar photo

らくとん

投稿者の記事一覧

とある化学メーカーで有機合成関係の研究をしている人。一日でも早くデキる企業ケミストになることを夢見ているが、なかなか芽が出ない残念ケミスト。化学も好きだけど生物も大好きな農芸化学出身。

関連記事

  1. 次世代シーケンサー活用術〜トップランナーの最新研究事例に学ぶ〜
  2. 分子光化学の原理
  3. 液クロ虎の巻シリーズ
  4. 【書籍】有機反応機構の書き方 第2版
  5. 絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている
  6. Density Functional Theory in Qua…
  7. 構造生物学
  8. フィンランド理科教科書 化学編

注目情報

ピックアップ記事

  1. 井上 佳久 Yoshihisa Inoue
  2. ERATO 野崎 樹脂分解触媒:特任研究員募集のお知らせ
  3. 触媒的プロリン酸化を起点とするペプチドの誘導体化
  4. 従来製品の100 倍以上の光耐久性を持つペンタセン誘導体の開発に成功
  5. ウーリンス試薬 Woollins’ Reagent
  6. 化学作業着あれこれ
  7. GFPをも取り込む配位高分子
  8. 銅触媒と可視光が促進させる不斉四置換炭素構築型C-Nカップリング反応
  9. 【十全化学】核酸医薬のGMP製造への挑戦
  10. 有機反応を俯瞰する ーヘテロ環合成: C—X 結合で切る

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2012年1月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

MEDCHEM NEWS 34-1 号「創薬を支える計測・検出技術の最前線」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

医薬品設計における三次元性指標(Fsp³)の再評価

近年、医薬品開発において候補分子の三次元構造が注目されてきました。特に、2009年に発表された論文「…

AI分子生成の導入と基本手法の紹介

本記事では、AIや情報技術を用いた分子生成技術の有機分子設計における有用性や代表的手法について解説し…

第53回ケムステVシンポ「化学×イノベーション -女性研究者が拓く未来-」を開催します!

第53回ケムステVシンポの会告です!今回のVシンポは、若手女性研究者のコミュニティと起業支援…

Nature誌が発表!!2025年注目の7つの技術!!

こんにちは,熊葛です.毎年この時期にはNature誌で,その年注目の7つの技術について取り上げられま…

塩野義製薬:COVID-19治療薬”Ensitrelvir”の超特急製造開発秘話

新型コロナウイルス感染症は2023年5月に5類移行となり、昨年はこれまでの生活が…

コバルト触媒による多様な低分子骨格の構築を実現 –医薬品合成などへの応用に期待–

第 642回のスポットライトリサーチは、武蔵野大学薬学部薬化学研究室・講師の 重…

ヘム鉄を配位するシステイン残基を持たないシトクロムP450!?中には21番目のアミノ酸として知られるセレノシステインへと変異されているP450も発見!

こんにちは,熊葛です.今回は,一般的なP450で保存されているヘム鉄を配位するシステイン残基に,異な…

有機化学とタンパク質工学の知恵を駆使して、カリウムイオンが細胞内で赤く煌めくようにする

第 641 回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院理学系研究科化学専攻 生…

CO2 の排出はどのように削減できるか?【その1: CO2 の排出源について】

大気中の二酸化炭素を減らす取り組みとして、二酸化炭素回収·貯留 (CCS; Carbon dioxi…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー