[スポンサーリンク]

化学書籍レビュー

すぐできる 量子化学計算ビギナーズマニュアル

[スポンサーリンク]

[amazonjs asin=”4061543881″ locale=”JP” title=”新版 すぐできる 量子化学計算ビギナーズマニュアル (KS化学専門書)”]

内容

やりたい計算がすぐできる!分子の構造や遷移状態が知りたい、論文に計算による考察が必要だ、自分の実験に援用したい、などなど、量子化学計算を始める研究者に向けた実践書! 大好評書が大改訂でよりわかりやすく!Gaussianに重点を置いた。

対象

  • 学部生以上
  • 計算化学に取り組み始めて間もない人
  • 計算化学の基本概念を調べる入口が欲しい人

評価・解説

2015年に改訂版が発刊され、見やすくなりました。現在ではコンピューターも発達し、計算化学を多用することも増えました。計算が示す結果は実験事実の補助となるばかりでなく、ブレイクスルーを生みだすきっかけになることも少なくありません。本書はスタンダードな量子化学計算法に関して、入門者向けにQ&A方式で解説しています。Gaussianの扱いが中心です。

「すぐできる」「ビギナーズ」と銘打たれてはいますが、もちろん本書を読むだけで即計算化学が出来るようには成りません。計算化学をまったく行ったことの無い人、量子化学計算と聞くだけでしり込みする人、そもそも用語の意味が分からないレベルの人にとっては、記載内容に心理的ハードルを感じるのではと思えます。

実験屋スタイルに浸りきっている人は、まず何か一つの化学系をもとに、習うより慣れよで一度ソフトウェアを動かし、最低限の用語/概念に触れた後、本書の当該項目にざっと目を通す・・・という順番のほうが、「ああ、そういう意味だったのか」と見通しが良くなるだろうと感じます。

関連書籍

[amazonjs asin=”406257375X” locale=”JP” title=”実践量子化学入門―分子軌道法で化学反応が見える CD-ROM付 (ブルーバックス)”][amazonjs asin=”406155056X” locale=”JP” title=”絶対わかる量子化学 (絶対わかる化学シリーズ)”]

外部リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. Density Functional Theory in Qua…
  2. ハートウィグ有機遷移金属化学
  3. 生物活性分子のケミカルバイオロジー
  4. 持続可能性社会を拓くバイオミメティクス
  5. 人物でよみとく化学
  6. Cleavage of Carbon-Carbon Single…
  7. Principles and Applications of A…
  8. Rではじめるケモ・マテリアルズ・インフォマティクスープログラミン…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 光学迷彩をまとう海洋生物―その仕組みに迫る
  2. 四酸化ルテニウム Ruthenium Tetroxide (RuO4)
  3. (–)-Spirochensilide Aの不斉全合成
  4. クリストファー・ウォルシュ Christopher Walsh
  5. 透明金属が拓く驚異の世界 不可能に挑むナノテクノロジーの錬金術
  6. Dead Endを回避せよ!「全合成・極限からの一手」シリーズ
  7. 有機ルイス酸触媒で不斉向山–マイケル反応
  8. 嘉部 量太 Ryota Kabe
  9. シンクロトロンで実験してきました【アメリカで Ph.D. を取る: 研究の非日常の巻】
  10. Post-Itのはなし ~吸盤ではない 2~

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2008年3月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

注目情報

最新記事

【産総研・触媒化学研究部門】新卒・既卒採用情報

触媒部門では、「個の力」でもある触媒化学を基盤としつつも、異分野に積極的に関わる…

触媒化学を基盤に展開される広範な研究

前回の記事でご紹介したとおり、触媒化学研究部門(触媒部門)では、触媒化学を基盤に…

「産総研・触媒化学研究部門」ってどんな研究所?

触媒化学融合研究センターの後継として、2025年に産総研内に設立された触媒化学研究部門は、「触媒化学…

Cell Press “Chem” 編集者 × 研究者トークセッション ~日本発のハイクオリティな化学研究を世界に~

ケムステでも以前取り上げた、Cell PressのChem。今回はChemの編集…

光励起で芳香族性を獲得する分子の構造ダイナミクスを解明!

第 654 回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所 協奏分子システム研究セ…

藤多哲朗 Tetsuro Fujita

藤多 哲朗(ふじた てつろう、1931年1月4日 - 2017年1月1日)は日本の薬学者・天然物化学…

MI conference 2025開催のお知らせ

開催概要昨年エントリー1,400名超!MIに特化したカンファレンスを今年も開催近年、研究開発…

【ユシロ】新卒採用情報(2026卒)

ユシロは、創業以来80年間、“油”で「ものづくり」と「人々の暮らし」を支え続けている化学メーカーです…

Host-Guest相互作用を利用した世界初の自己修復材料”WIZARDシリーズ”

昨今、脱炭素社会への実現に向け、石油原料を主に使用している樹脂に対し、メンテナンス性の軽減や材料の長…

有機合成化学協会誌2025年4月号:リングサイズ発散・プベルル酸・イナミド・第5族遷移金属アルキリデン錯体・強発光性白金錯体

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2025年4月号がオンラインで公開されています!…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー