[スポンサーリンク]

分析化学

生涯最高の失敗

[スポンサーリンク]

[amazonjs asin=”4022598360″ locale=”JP” title=”生涯最高の失敗 (朝日選書)”]

 

内容

「なんで私が?」…突然降って湧いたような授賞の知らせに驚く間もなく、はじまった「ノーベル賞シフト」。「43歳主任」の「変人」ぶりばかりを強調する報道に戸惑い、憤り、そっとしておいてほしいと念じてきた著者が、「理系の人間は、自分を理解してもらう努力が不足している」という自らの主張を実践するために、はじめて、エンジニアとしての人生を語った。ノーベル賞受賞が決まった日の混乱、授賞された発見の背景にあった「生涯最高の失敗」、励ましてくれた人たちのこと、ライバル研究者の公正な態度、企業のエンジニアとしてはたらくことの生きがい、チームワークの大切さ、独創性・創造性の源はなにか、など、はじめて明かされるエピソードと新たなメッセージを込めた、会心の一冊。

対象

すべての人

 

評価・解説

サラリーマンノーベル化学賞受賞者としても有名になった、田中耕一氏のエッセイです。

受賞騒動に巻き込まれ、「隔離室」に逃げ込んだエピソードや、一夜にして世間から「時の人」に祭り上げられてしまった顛末など、随所に見所はあります。「理系の人は自分を理解してもらう努力をもっとすべき」という課題に真っ向から取り組む氏の誠実な人柄は、その文体からもにじみ出ています。

ノーベル賞パニックの中でも自分を見失わずにすんだのは、「生涯一エンジニア」を貫く、氏の芯の強さがなせるものだと思います。我々が見習う点も多いことでしょう。

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4265027431″ locale=”JP” title=”理科室から生まれたノーベル賞―田中耕一ものがたり (イワサキ・ライブラリー)”][amazonjs asin=”4807403095″ locale=”JP” title=”ノーベル化学賞「田中耕一さん」の研究”][amazonjs asin=”4062642085″ locale=”JP” title=”田中耕一の「自分を活かす」術 (講談社ニューハードカバー)”]

 

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 有機化学の理論―学生の質問に答えるノート
  2. 有機スペクトル解析ワークブック
  3. Side Reactions in Organic Synthe…
  4. 有機・無機材料の相転移ダイナミクス:数理から未来のマテリアル開発…
  5. 香料化学 – におい分子が作るかおりの世界
  6. Medical Gases: Production, Appli…
  7. 宮沢賢治の元素図鑑
  8. Small Molecule Medicinal Chemist…

注目情報

ピックアップ記事

  1. tert-ブトキシカルボニル保護基 Boc Protecting Group
  2. 松田 豊 Yutaka Matsuda
  3. 「ELEMENT GIRLS 元素周期 ~聴いて萌えちゃう化学の基本~」+その他
  4. なぜ青色LEDがノーベル賞なのか?ー性能向上・量産化編
  5. 2024年ノーベル化学賞ケムステ予想当選者発表!
  6. 化学のブレークスルー【有機化学編】
  7. 危ない試薬・面倒な試薬の便利な代替品
  8. アレノフィルを用いるアレーンオキシドとオキセピンの合成
  9. ヘイオース・パリッシュ・エダー・ザウアー・ウィーチャート反応 Hajos-Parrish-Eder-Sauer-Wiechert Reaction
  10. ヴィンス・ロテロ Vincent M. Rotello

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2008年3月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

注目情報

最新記事

CO2 の排出はどのように削減できるか?【その1: CO2 の排出源について】

大気中の二酸化炭素を減らす取り組みとして、二酸化炭素回収·貯留 (CCS; Carbon dioxi…

モータータンパク質に匹敵する性能の人工分子モーターをつくる

第640回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所・総合研究大学院大学(飯野グループ)原島崇徳さん…

マーフィー試薬 Marfey reagent

概要Marfey試薬(1-フルオロ-2,4-ジニトロフェニル-5-L-アラニンアミド、略称:FD…

UC Berkeley と Baker Hughes が提携して脱炭素材料研究所を設立

ポイント 今回新たに設立される研究所 Baker Hughes Institute for…

メトキシ基で転位をコントロール!Niduterpenoid Bの全合成

ナザロフ環化に続く二度の環拡大というカスケード反応により、多環式複雑天然物niduterpenoid…

金属酸化物ナノ粒子触媒の「水の酸化反応に対する駆動力」の実験的観測

第639回のスポットライトリサーチは、東京科学大学理学院化学系(前田研究室)の岡崎 めぐみ 助教にお…

【無料ウェビナー】粒子分散の最前線~評価法から処理技術まで徹底解説~(三洋貿易株式会社)

1.ウェビナー概要2025年2月26日から28日までの3日間にわたり開催される三…

第18回日本化学連合シンポジウム「社会実装を実現する化学人材創出における新たな視点」

日本化学連合ではシンポジウムを毎年2回開催しています。そのうち2025年3月4日開催のシンポジウムで…

理研の一般公開に参加してみた

bergです。去る2024年11月16日(土)、横浜市鶴見区にある、理化学研究所横浜キャンパスの一般…

ツルツルアミノ酸にオレフィンを!脂肪族アミノ酸の脱水素化反応

脂肪族アミノ酸側鎖の脱水素化反応が報告された。本反応で得られるデヒドロアミノ酸は多様な非標準アミノ酸…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー