内容
有機化学を学び始めた学生が誤解しやすいことや、もっと突っ込んで考えてほしいことを問題点として取り上げ、「講義用ノート」に理論的解説を加えたもの。教科書と専門書のギャップを埋める、2007年刊行の最新第4版!
対象
有機化学を学ぶ、大学学部生以上。
評価・解説
本書は、「講義で受けた学生からの質問に対し、著者なりの解説を与える」という形式でまとめあげた書物であり、これこそが有機化学という学問だ!とも再認識させてくれる息の長い名著です。
「オービタルにつけられた符号の意味は?」「共鳴するとなぜ分子は安定するのか?」など、「あれ?」と一度は思うが、そのまま放置されがちな運命を辿る、素朴ながら本質的な疑問・質問の数々。そういった、有機化学を学ぶ誰もが持つ疑問に、文献を引用しつつ誤魔化すことなく答えようと努めています。著者の真摯な姿勢には見習うべきものがありますし、教科書の副読本として読むだけで理解が深まります。
初版(1979)から多数回の改訂が加えられ、最新の知見も交えた第4版改訂(2010)が最新版として刊行されています。専門的有機化学という世界で長きにわたって親しまれてきたという事実からも、本書の価値の高さは容易に想像できると思えます。
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