内容
Heteroarenes are among the most prevalent structural units in natural products, pharmaceuticals, agrochemicals, and other compounds of scientific or commercial interest. In the last decade, a broad range of novel synthetic methods has been developed to not only facilitate construction of the heteroarene motif, but to enable its modification through direct C H functionalization. This Handbook describes 117 key reagents for selective heteroarene functionalization reactions, including both traditional and transition metal-catalyzed C H functionalization. Since these reactions typically involve one heteroarene, a coupling partner and a catalyst, the handbook not only focuses on the catalyst itself but also contains other key reaction species.
All the information compiled in this volume is also available in electronic format on Wiley Online Library. The 117 reagents represented here are but a small fraction of the ca. 5,000 reagents available in the electronic Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis (e-EROS). e-EROS offers various search interfaces to locate reagents of interest, including chemical structure, substructure and reactions search modes. e-EROS is updated regularly with new and updated entries. (Wiley HPより)
対象
大学院生以上、創薬化学者、有機合成化学者
解説
Handbook of Reagents for Organic Synthesisシリーズの最新書籍。このシリーズは有機合成用試薬百科事典として著名な「Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis(EROS)」からより詳細な「試薬の使い道」で分類して、別書籍として仕上げた”フィーチャリング本”である。
[amazonjs asin=”0470017546″ locale=”JP” title=”Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, 14 Volume Set”]さて、本書籍の「試薬の使い道」はタイトルにある通り、ヘテロ芳香族化合物(ヘテロ芳香環)の官能基化法に必要な試薬。その中でも重要な117個の試薬について詳しく述べている。少ないように思えるが、800ページ以上のページ数があり、かなり詳細に記載してあるのでボリュームは問題ない。ヘテロ芳香環を変換する方法でヘテロ芳香環別に記載してあるわけではなく、あくまで、試薬別に記載されていることに注意したい(実際はヘテロ芳香環を試薬としている項もある)。中身をみてみると、ヘテロ芳香環ばかりかとおもいきや、試薬別に記載されているので、ある試薬のなかでヘテロ芳香環の官能基化に使われている項があれば、すべて抜き出して掲載しているといった様子。良く言えば、その試薬のヘテロ芳香環以外への反応を同時に知ることはできる。悪く言えば、ヘテロ芳香環だけを羅列してみたい場合は少しみつけにくい。
シリーズに共通して言えることであるが、試薬の名前と構造、CAS番号や名前、物性、精製方法また合成法(引用文献)を冒頭に記載している。
続いて、その試薬の有機反応への使用方法が文章とともに記載されている。改訂や加筆もされており、2回の加筆が加わっているのものある(2009年のEROSからの加筆があるかどうかはわからない)。今回の書籍は、対象がヘテロ芳香環であるので、やはり求電子的な反応を進行させるためのルイス酸やカップリング反応に用いる遷移金属触媒が多くみられる。また、近年の潮流であるC–H官能基化反応も項を分けて、詳細に記載されている。
私は、本書をペラペラと眺めて、試薬からみた反応のバラエティを増やすために購入したため、内容的にもそのボリュームにも満足している。ヘテロ芳香環の変換試薬を紹介していることから、創薬化学者を中心とする有機合成化学者にはもっていても損のない書籍であると思われる。他のシリーズも含めて(これまで)、予算に余裕があれば購入していきたいと感じた。