[スポンサーリンク]

化学書籍レビュー

Molecules That Changed the World

[スポンサーリンク]

[amazonjs asin=”3527309837″ locale=”JP” title=”Molecules That Changed the World”]

内容

医薬・香料・ビタミンなど、我々の日常生活に欠かせない、世界中の重要分子たち―それを魅力たっぷりに紹介しているのが本書です。たとえば、”アスピリン物語”はその一つです。3500年前のエジプトでの発見に始まり、初の化学合成を経て、応用に至るまでのエキサイティングな歴史が詳細に解説されています。フルカラー印刷の大判なので、ビジュアル的にも大変インパクトがあります。化学者・天然物化学者にはもちろん、科学を愛するすべてのひとにとって大変楽しい書物となるでしょう。

対象

化学、とくに有機化学に興味を持つすべての人

評価・解説

「世界の中高生に合成化学の魅力を広く知ってもらおう」という考えのもと、全合成研究の大御所・K.C.ニコラウ教授によって企画・執筆された書物です。

タキソールやアスピリン、モルヒネ、ペニシリンなど、世界に測り知れないインパクトを与えた分子たちを、綺麗な写真とグラフィックで紹介しています。

普段触れる機会の少ないであろう「合成化学者の視点」から語られる、悲喜こもごもの歴史物語も魅力の一つ。分子の理解に多大な貢献を果たした化学者達の写真も、ふんだんに使われています。名前だけしか知らなかった学者の写真を見て、「えっ、こんな人だったんだ!?」と楽しむこともできます。

一目見れば、大変ゴージャスな作りになっていることがお分かりでしょう!フルカラーにもかかわらずこの値段は、お買い得以外の何でもありません!

すべての方にオススメです。

関連書籍

[amazonjs asin=”4759810803″ locale=”JP” title=”化学者たちの感動の瞬間―興奮に満ちた51の発見物語”][amazonjs asin=”4774131148″ locale=”JP” title=”有機化学美術館へようこそ ‾分子の世界の造形とドラマ (知りたい!サイエンス)”]

 

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 化学オリンピック完全ガイド
  2. 「えれめんトランプ2.0」が発売された
  3. 2016年4月の注目化学書籍
  4. Organic Synthesis Workbook
  5. 生物活性分子のケミカルバイオロジー
  6. 特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来
  7. 理系のためのフリーソフト Ver2.0
  8. ノンコーディングRNA 〜 RNA分子の全体像を俯瞰する〜

注目情報

ピックアップ記事

  1. 高難度分子変換、光学活性α-アミノカルボニル化合物の直接合成法
  2. 研究室の安全性は生産性と相反しない
  3. 第47回「目指すは究極の“物質使い”」前田和彦 准教授
  4. 第六回ケムステVシンポ「高機能性金属錯体が拓く触媒科学」
  5. メディビック、抗がん剤「グルフォスファミド」の第II相試験を開始
  6. 論文執筆ABC
  7. アレン・バード Allen J. Bard
  8. MFCA -環境調和の指標、負のコストの見える化-
  9. マッチ博物館
  10. 名大・山本名誉教授に 「テトラへドロン賞」 有機化学分野で業績

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2008年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

注目情報

最新記事

MEDCHEM NEWS 34-1 号「創薬を支える計測・検出技術の最前線」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

医薬品設計における三次元性指標(Fsp³)の再評価

近年、医薬品開発において候補分子の三次元構造が注目されてきました。特に、2009年に発表された論文「…

AI分子生成の導入と基本手法の紹介

本記事では、AIや情報技術を用いた分子生成技術の有機分子設計における有用性や代表的手法について解説し…

第53回ケムステVシンポ「化学×イノベーション -女性研究者が拓く未来-」を開催します!

第53回ケムステVシンポの会告です!今回のVシンポは、若手女性研究者のコミュニティと起業支援…

Nature誌が発表!!2025年注目の7つの技術!!

こんにちは,熊葛です.毎年この時期にはNature誌で,その年注目の7つの技術について取り上げられま…

塩野義製薬:COVID-19治療薬”Ensitrelvir”の超特急製造開発秘話

新型コロナウイルス感染症は2023年5月に5類移行となり、昨年はこれまでの生活が…

コバルト触媒による多様な低分子骨格の構築を実現 –医薬品合成などへの応用に期待–

第 642回のスポットライトリサーチは、武蔵野大学薬学部薬化学研究室・講師の 重…

ヘム鉄を配位するシステイン残基を持たないシトクロムP450!?中には21番目のアミノ酸として知られるセレノシステインへと変異されているP450も発見!

こんにちは,熊葛です.今回は,一般的なP450で保存されているヘム鉄を配位するシステイン残基に,異な…

有機化学とタンパク質工学の知恵を駆使して、カリウムイオンが細胞内で赤く煌めくようにする

第 641 回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院理学系研究科化学専攻 生…

CO2 の排出はどのように削減できるか?【その1: CO2 の排出源について】

大気中の二酸化炭素を減らす取り組みとして、二酸化炭素回収·貯留 (CCS; Carbon dioxi…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー