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化学書籍レビュー

Classics in Total Synthesis

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内容

本書は、すべての合成化学者必携の参考書。明快で見事な解説技巧により、優れた合成有機化学者の手による注目すべき独創的な全合成を紹介している。

複雑な合成法を初心者にも理解しやすくするために、それぞれの全合成を逆合成的に分析している。その後、各合成手順をじっくりと説明し、代替手法や予想される落とし穴に関するヒントを提示する。さらに、有益なレビューとオリジナル文献を数多く紹介するリファレンスが、本書をいっそう貴重な情報源にしている。

とくに目立つのが、グラフや図表の効果的な活用だ。逆合成分析や反応機構、立体化学的に重要な手順が、ボックス記事としてテキスト内に配置されている。参照を容易にするために、主要な中間体も余白に記載されている。

本書は大学院生にとっても研究者にとっても、日々の研究に欠かせない役立つ情報を満載した金鉱となるはずだ。合成有機化学の研究者なら、ぜひとも机に置いておきたい1冊だ。

対象

全合成を学ぶ学部生・大学院生以上。

 

評価・解説

天然物全合成の巨匠、K.C.Nicolaouによって編纂された本書では、古典から最新まで、全合成の歴史的傑作を集め、それらを詳細に解説しています。有機合成化学者を目指すならば一度は目を通しておきたい良著で、バイブルとも呼ぶべき最高の本の一つです。持っておいて損はしません。
ただ論文を並べただけでなく、反応機構・合成戦略・歴史的意義も詳細に記述してあるため、「全合成」という学問分野を体系的に学習できます。読み進めやすいよう、レイアウトの工夫も随所になされており、研究室のゼミの題材等にも最適です。

 

関連書籍

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投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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