[スポンサーリンク]

化学書籍レビュー

最新ペプチド合成技術とその創薬研究への応用

[スポンサーリンク]

[amazonjs asin=”4944157517″ locale=”JP” title=”最新ペプチド合成技術とその創薬研究への応用 (遺伝子医学MOOK 21)”]

内容

近年の生命科学と創薬科学の進歩に基づいて登場した多数のペプチド性医薬品は生理学的、病理学的に理論通りの薬理作用を示すことから医療の現場に劇的な影響を与えており、高純度でかつ大量のペプチドを合成するための方法論が必要になっています。本書はこのような時期に、ペプチド合成と創薬研究のマイルストーンとしてペプチド合成の基本と新技術から創薬研究への展開までの広範囲にわたる内容を日本における第一線のペプチド研究者、さらには海外の最先端ペプチド合成研究グループからも執筆いただき、さらなる画期的なペプチド合成法の開発とその創薬研究への応用ならびにペプチド医薬品の開発へとつながることを期待して企画されております。(序章より抜粋)

対象

  • ペプチドに特化した合成化学・創薬化学の先端研究、とりわけ日本発の代表的成果を知りたい研究者

概要・解説

固相合成法ネイティブ・ケミカル・リゲーションという2大ブレイクスルーを経て以来、ペプチドの合成化学は多方面へ幅広く展開を見せている。

本書はペプチド合成化学、および創薬化学への応用を広範囲にわたってまとめ上げた日本語書籍である。

とくに2012年までの日本発の第一線研究が、網羅的にまとめられている点に価値を感じる。

また他分野の研究者向けにも配慮があり、ペプチド合成になじみのなかった筆者としては、第1章の「Fmoc型固相ペプチド合成の基礎」こそが、固相合成法の基礎をつかむに大変有益な内容であった。

このようなトピック枠での日本語書物は貴重である。ペプチド合成を始めたばかりの研究者のとっかかりとしても、良い書籍だと思える。

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. Small Molecule Medicinal Chemist…
  2. なんとオープンアクセス!Modern Natural Produ…
  3. 書籍「腐食抑制剤の基礎と応用」
  4. レーン 超分子化学
  5. 化学のためのPythonによるデータ解析・機械学習入門
  6. 構造生物学
  7. 元素周期 萌えて覚える化学の基本
  8. フッ素の特性が織りなす分子変換・材料化学(CSJカレントレビュー…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 日本学士院賞・受賞化学者一覧
  2. 広大すぎる宇宙の謎を解き明かす 14歳からの宇宙物理学
  3. 水分子が見えた! ー原子間力顕微鏡を用いた水分子ネットワークの観察ー
  4. 2024年度 第24回グリーン・サステイナブル ケミストリー賞 候補業績 募集のご案内
  5. ミツバチに付くダニのはなし
  6. 第23回日本蛋白質科学年会 企画ワークショップ『反応化学の目からタンパク質を理解し、制御する』
  7. ケムステイブニングミキサー2019ー報告
  8. t-ブチルリチウムの発火事故で学生が死亡
  9. 超高圧合成、添加剤が選択的物質合成の決め手に -電池材料等への応用に期待-
  10. 本多 健一 Kenichi Honda

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2015年2月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
232425262728  

注目情報

最新記事

【産総研・触媒化学研究部門】新卒・既卒採用情報

触媒部門では、「個の力」でもある触媒化学を基盤としつつも、異分野に積極的に関わる…

触媒化学を基盤に展開される広範な研究

前回の記事でご紹介したとおり、触媒化学研究部門(触媒部門)では、触媒化学を基盤に…

「産総研・触媒化学研究部門」ってどんな研究所?

触媒化学融合研究センターの後継として、2025年に産総研内に設立された触媒化学研究部門は、「触媒化学…

Cell Press “Chem” 編集者 × 研究者トークセッション ~日本発のハイクオリティな化学研究を世界に~

ケムステでも以前取り上げた、Cell PressのChem。今回はChemの編集…

光励起で芳香族性を獲得する分子の構造ダイナミクスを解明!

第 654 回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所 協奏分子システム研究セ…

藤多哲朗 Tetsuro Fujita

藤多 哲朗(ふじた てつろう、1931年1月4日 - 2017年1月1日)は日本の薬学者・天然物化学…

MI conference 2025開催のお知らせ

開催概要昨年エントリー1,400名超!MIに特化したカンファレンスを今年も開催近年、研究開発…

【ユシロ】新卒採用情報(2026卒)

ユシロは、創業以来80年間、“油”で「ものづくり」と「人々の暮らし」を支え続けている化学メーカーです…

Host-Guest相互作用を利用した世界初の自己修復材料”WIZARDシリーズ”

昨今、脱炭素社会への実現に向け、石油原料を主に使用している樹脂に対し、メンテナンス性の軽減や材料の長…

有機合成化学協会誌2025年4月号:リングサイズ発散・プベルル酸・イナミド・第5族遷移金属アルキリデン錯体・強発光性白金錯体

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2025年4月号がオンラインで公開されています!…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー