薄層クロマトグラフィーは分離手法の一つとして、お金をかけず、安価な方法として現在でも活用されているのは、みなさんご承知の通りと思います。
身の周りにあるもの、例えば紙やコップ、消毒用エタノールなどを使って、色素やインクの分離実験を経験したことがある方も多いのではないでしょうか?
さらに成分を分離したあと、成分をスポットとして観測し、スケッチやデジタルカメラやスマートフォンのカメラで撮影して記録を残す作業を行い、定規を使ってスポットの位置や、溶媒フロントの長さを計測したり、正直なところ不便さを感じることもありますよね?
今回みなさまにご紹介するTLC Explorerは、その悩みを解決してくれるTLC分析の小型装置で、その特長をお話しします。
この装置はTLCプレート(以降、プレート)に試料を展開、分離させた後のプロセスで使う装置で、プレートの写真撮影、撮影したプレートを電子画像に変換し、スポ
ットの解析、データの記録を行なう文書化システムです。
プレートをTLC Explorerの引出しトレイに置いて、あとは光源(可視光、254nm、366nm)を当てて、専用のブラウザーで解析するだけ。解析も①撮影、②スポットの
選択、③データ保存、文書化のシンプルなステップです。立方形のボックス型の構造なので、誰でも同じように外部の光源の影響を受けずに、スポットを目視で確認することが出来ます。
暗室に運んでハンディータイプのUVライトで照射する手間もなくなり、手技や経験の差によるスポットの見え方の違いもなくなります。プレートのトレイは20cm×20cmサイズのプレートを1枚置くことが出来ますが、小さなサイズのプレートも一度に複数枚置くことができ、光源の照射や撮影もたった1回で済ませることが出来ます。(検体が多いユーザー様でデモを行った際、とても感動してくれました。)
また、どのメーカーのプレートでもお使いいただけます。
スポットを撮影したら、電子画像に変換したデータを使って、スポットの位置を確認しながらクリックして選択すると、Rf値の自動計算を行います。測定条件、試料名など付属の情報とともに記録します。
また、デンシトメーターを用いて、スポットをピーク強度に変換し、デンシトグラムを描く機能があり、スポットを強度で数値化し、目視では確認しづらいスポットもデンシトグラムなら容易に確認できることもあります。また測定対象の標準物質を用いれば定量を行うことも可能です。
まとめ
ちょっと長くなりましたが、TLC Explorerの大きな特長は、
- 誰でも簡単に使えるシンプルな設計
- 解析もシンプルな3つのステップ
- 大きさは約30センチ四方の立方形で10.4kgというコンパクトサイズ
- 外部環境の影響を受けない光源照射が可能
- 電源はUSB Type CでWifi、LAN環境で利用可能
- 耐薬品性構造 です。
これまでアナログ測定だったTLC分析も、ついにデジタル化の技術が導入され、手軽に利用できる環境が整いました。
説明動画とケムステ特別価格キャンペーン
百聞は一見にしかずですので、以下の説明動画を作成しましたので御覧ください。
ケムステーションをご覧になっているいる研究者の皆様には、ぜひTLC Explorerを体験してもらいたいと思います。
この動画をご覧いただいた方に、台数に限りはありますが、視聴者特典で特別価格をご提示します。以下のフォームから申し込みをお待ちしています!
https://forms.office.com/e/5kTnu3Mfax
なお、TLC Explorerに関して、技術的な質問がある方は、メルクテクニカルサービス(jpts@merckgroup.com)までお気軽にお問い合わせください。
*動画や記事内の画像はメルク株式会社に許可をいただいて使用しています。