日常の試験・研究活動でご使用いただいている試薬は、取り扱い方を誤ると重大な事故や被害を引き起こす原因になります。試薬を安全に取り扱うためには、保管時や使用時に定められた法律を順守することや、過去の事故事例を学ぶことが重要です。
当社では試薬メーカーの立場から薬品の安全な取扱いについての講習会動画を提供しております。本記事ではこの講習会について簡単にご紹介します。
【実験の必須条件と教育の重要性】
実験では様々な試薬(化学物質)が使われるため、常に危険を伴う作業と認識していなければなりません。危険な作業を安全に行う(=事故を起こさない)ためには、試薬に関する知識が不可欠です。実験室には試薬という形で少量ながら多種多様な化合物が保管されています。これらは物性、毒性、適用される法規がそれぞれ異なり、これらを意識していなければ危険性を正しく把握することは困難です。そのため、試薬を安全に、正しく使用するために「試薬」に焦点を当てた講習(教育)が必要です。
実験の大前提は「安全に作業できること」です。安全であることより優先されるものはありません。試薬の安全な使用に対する取り組みは、特定の人に限定するのではなく、組織全体に広げることが重要です。この活動によって安全に対する風土や文化が醸成されていきます。
当社ではお客様の安全な実験業務の一助となるため、ぜひ知っておいていただきたい内容を厳選して、実務に役立つ薬品の安全な取扱いについての講習動画を提供しております。
【講習動画の内容】
- 試薬の安全な取り扱い講習 第2版 視聴時間:約43分
本動画では、試薬(化学物質)の危険有害性に気づき、安全意識を高めることを目的として、法順守のポイント(消防法、毒物及び劇物取締法等)と実際に起こった事故例を交えて、事故防止の対策等について解説しております。
目次
・はじめに
なぜ安全対策が必要か、改正労働安全衛生法について など
・化学物質に関する法律
消防法、毒物及び劇物取締法、GHS制度、SDS(Safety Date Sheet) など
・事故例から学ぼう
化学実験中の事故、ヒヤリハット活動/ハインリッヒの法則、塩酸の取り扱いの注意。
有機溶剤による中毒 など
- “試薬の安全な取り扱い” リスクアセスメントの重要性 視聴時間:約22分
2024年4月の化学物質管理に関する労働安全衛生法関連の改正により、試薬をはじめとした化学物質の「自律的な管理」が求められるようになりました。
「自律的な管理」では、正しく「リスクアセスメント」を実施することが重要です。この動画では、労働安全衛生法関連の改正内容と「リスクアセスメントの重要性」について解説しています。
目次
・はじめに
・政省令の改正
・リスクアセスメント対象物質の増加
・化学物質管理者とは
・リスクアセスメントの概要
・リスクアセスメント実施ステップの詳細
・薬品管理システム Chemical Design のご紹介
【最後に】
普段、何気なく使用する試薬ですが、安全な試薬は一つもありません。試薬の安全に対する意識を高めるためにぜひ当社の講習動画をご活用ください。
本記事は富士フイルム和光純薬株式会社からの寄稿記事となります。