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産総研の研究室見学に行ってきました!~採用情報や研究の現場について~

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こんにちは,熊葛です.先日,産総研 生命工学領域の開催する研究室見学に行ってきました!本記事では,産総研の基本情報から採用情報,研究の現場について書いていこうかと思います.
※本記事で使用しております,産総研のホームページから引用させていただきました写真については許可をとっておりますので,転載などはしないようお願いいたします.

産総研とは

産総研とは国立研究開発法人産業技術総合研究所の略であり,1882年に創設された農商務省地質調査所を発祥とした,長い歴史を持つ研究機関であり,140年以上にわたって日本の経済や社会の発展に寄与するための研究活動を続けています.

産総研は複数の研究領域に分かれており,各領域のなかに部門 (センター) ,部門 (センター) のなかに研究グループが存在しております.

研究領域の一覧(出典:産総研パンフレット

各領域が自然災害や少子高齢化,変化していく国際情勢などの社会課題に対して,科学技術によりイノベーションを生み出し,社会課題の解決へと導くこと,日本の産業競争力の強化に貢献することを目的としています.
今回は7つの領域のなかでも,生命工学領域の研究室見学に行ってきました.

研究室見学の流れ

今回の研究室見学の案内は,学校を通して通知されるケースが多かったようでしたが,ホームページX (旧Twitter) にも案内がありました.恐らく今後もこのような見学会などの紹介はホームページに案内が出るかと思われます.
見学会でははじめに全体説明が行われました.ここでは産総研および領域の概要説明と採用情報の紹介が行われました.その後グループに分かれ,30分ごとに1研究室,全部で4つの研究室を見学しました.研究室では研究員の方々から研究の紹介実験している様子の見学質疑応答が行われました.その後1時間ほど懇親会が行われ,研究員の方々や広報・人事部の方々と参加者間で交流を深めました.
参加者は学生 (主に院生) から企業に勤めている方など広く参加していました.そのため質疑応答などは活発に行われました.なかでも研究員の方々に直接聞ける機会はなかなかありませんし,具体的な研究内容から抽象的な質問,研究員の方々のキャリアについてもいろいろと伺えたため,非常に参考になりました.

採用情報

主に採用は修士採用と博士以上の採用に分かれます.修士採用についてはこちらの記事でも紹介されておりますが,こちらでもう一度ご紹介したいと思います.
修士学生の採用は主に育成を前提としています.産総研で働きながら,入所後数年後~10年以内かつ通学開始後5年以内に,産総研が実施する研究と連携する研究テーマについて博士号の取得を目指します.博士号取得後は,自立的な研究人材として産総研で研究員として働くことができます.大きなメリットとして,博士号取得にかかる費用を産総研が負担してくれること育成責任者・メンターが伴走して成長の支援をしてもらえること任期の定めのない定年制の職員として採用されること,が挙げられると思います.くわしくは産総研のホームページをご確認ください.見学に来た印象では,産総研ではこの採用形態をかなり推しているように感じました.

博士学生以上の場合は即戦力が求められます.自分の持ちうる力で,どのように産総研に貢献できるのか,研究をどう広げられるか,が問われます.また,博士学生の採用の場合は,定年制のパーマネント型研究員や任期付研究員など,複数の公募にわかれます.また,各研究領域に公募課題が定められており,これに求める人材像が書かれています.詳しくは産総研のホームページをご覧ください.

さらに,配属される部門 (センター) は,その人の持つ知識や手技,関心から決定されます.一方で研究員のなかには,「私は○○をしてきたため,△△の部門で□□といった研究を進めることができます」といった形でアピールして,希望の部門に採用された方もいらっしゃるようです.

続いて採用の際に特に重視しているのは,自身で研究を進めることのできる”推進力”ミッションを理解して社会の課題解決へとつなげられる力コミュニケーション能力だそうです.特にコミュニケーション能力は,研究室内の人数も比較的多く,また共同研究なども多いため重視しているそうです.一方海外経験などがアドバンテージになるかはその人次第で,つまるところ”その人は何ができるのか“,が重要とのことでした.
生命工学領域の採用や求めている人材に関しましては,産総研のこちらのホームページに,8/28に行われた公募説明会のQ&Aが載っていますので,ぜひご覧ください.

研究の進め方

基本的には国のミッション,いわゆる社会問題を解決するために研究が行われます.このミッションに対して,どの部門 (センター) なら解決できそうか,誰なら開拓していくことができるかを判断して研究が始められます.一方で,個人で科研費などの外部資金をとり,次のシーズとなる自分の行いたい研究を両立して進めている方も多いそうです.個人的には,社会問題に関する研究のみを行っていると思っていたので非常に驚きました.ただし,立案する研究テーマに関しては,自身の部門と関係しており,インパクトのある,チャレンジングなテーマが求められるそうです.

見学に行った感想・アカデミアとの違いなど

産総研の強みとして感じたのは1つの分野の専門家が複数人いる,という部分でした.例えば微生物関連の専門家であれば,微生物の分離に長けている方,代謝物の分析に長けている方,植物との共生に関して詳しい方などが産総研内にいるため,研究員同士で相談しやすく研究しやすい環境であると感じました.また,各分野の研究室では複数の分野が混在している部分も面白いと思いました.例えば見学に伺わせていただいた多細胞システム制御研究グループでは,1細胞の糖鎖とRNAの同時測定を行うような統合オミクス解析や,細胞工学,糖鎖を合成する有機合成化学などの専門家が集まっていました.そのため,今まで大学の研究室で培ってきた手技や知識を,異なる分野で発揮することができ,それを社会へ還元していくことのできる環境は産総研ならではと思いました.

多細胞システム制御研究グループの研究概要(多細胞システム制御研究グループホームページより引用)

まとめ

今回は産総研の生命工学領域の研究室見学に行ってきました.やはり現地に行かないと感じ取れない研究室の雰囲気や聞けないことも多くあったため,私個人としては将来のキャリアを考える非常に良い経験となりました.見学を通して一番心に残った言葉は「僕らは産業界のブレイクスルーを目指している」という言葉でした.すなわち,アカデミアなどの力を産業界へ落とし込み,日本の社会問題の解決を目指す,という部分に心が惹かれました.
今後も産総研の見学などの情報は出ると思いますので,ぜひ気になった方は産総研のホームページを要チェックです!!

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熊葛

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天然有機化合物の生合成研究を行っております。遺伝子工学から酵素工学、有機化学など、広い分野に興味を持っております。

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