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化学者のつぶやき

Cu(I) の構造制御による π 逆供与の調節【低圧室温水素貯蔵への一歩】

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2024年 Long らは、金属有機構造体中の配位不飽和な三配位銅(I)イオンの幾何構造を系統的に調節することで、その銅(I)イオンにおける水素吸着エンタルピーを調整できることを実証しました。さらに今回開発した構造体のうち CuICd-MFU-4l が室温水素貯蔵における吸着容量と脱着のしやすさのバランスが調和された最適な吸着エンタルピーを持つと報告しました。2000年初期から活性炭や MOF での水素吸着が研究されて以来、最適な吸着エンタルピーをもつ吸着材はこれで 2 例目になります。

Yabuuchi, Y.; Furukawa, H.; Carsch, K. M.; Klein, R. A.; Tkachenko, N. V.; Huang, A. J.; Cheng, Y.; Taddei, K. M.; Novak, E.; Brown, C. M.; Head-Gordon, M.; Long, J. R. Geometric Tuning of Coordinatively Unsaturated Copper(I) Sites in Metal–Organic Frameworks for Ambient-Temperature Hydrogen Storage. J. Am. Chem. Soc. 2024, 146 (32), 22759–22776. DOI: 10.1021/jacs.4c08039

社会的問題設定

水素燃料は、エネルギーを取り出す際に二酸化炭素を排出しないことから、次世代の燃料として注目されています。水素社会の実現に向けての障壁の一つには、貯蔵の難しさがあります。一定の体積で十分な量の水素を保存するために、現在では300気圧以上の高圧力あるいは–250 ℃ (~20 K) の極低温で水素を貯蔵していますが、そのような過酷な条件を得るには余計なエネルギーが必要で、さらに安全上の管理も必要不可欠です。

より穏やかな条件でも十分な量の水素を貯蔵するために、多孔性吸着材1水素吸蔵合金2不飽和有機分子3が水素貯蔵材料として研究されてきました。水素吸蔵合金や不飽和有機分子は、水素分子を一度原子に開裂して水素原子を化合物の組成に取り込み、必要なときに水素分子を再生する材料です。それらは、比較的高い水素容量を示しますが、分子の開裂や原子の再結合にはエネルギーが必要であることが多く、水素分子の再生が課題となっています。一方、多孔性吸着材は固体の内部に分子レベルの細孔を有する材料であり、水素分子を水素分子のまま材料の内部に閉じ込めることができます。このような水素貯蔵メカニズムは容易な水素の取り出しを可能にし、水素貯蔵材料に理想的な特性であると考えられます。

水素貯蔵材料の種類とそれぞれの特徴.

広い目で見た化学的問題設定: 最適な吸着エンタルピーの実現

多孔性吸着材には、水素の貯蔵と取り出しの容易性に利点がありますが、室温付近での水素貯蔵容量は水素吸蔵合金などと比べると著しく低い問題があります。その理由は、HOMO-LUMO ギャップが大きい水素分子は分極能力が低く、ファンデルワールス力が小さいからです。例えば伝統的な多孔性吸着材である活性炭やゼオライトでは、吸着エンタルピーは7 kJ/mol 以下です。このように小さい吸着エンタルピーでは、室温付近で水素を保持することはほとんどできません。

次世代の多孔性材料として、金属–有機構造体が1990年代後半から注目されてきました4。金属有機構造体は金属クラスターを有機配位子が橋掛けされた多孔性材料です。用いる金属や配位子の組み合わせにより、多様な形やサイズの孔をデザイン出来たり表面の性質を調節できることから、水素貯蔵の実用的な操作条件においても十分な吸着量を示す材料を適切に設計できると期待されます。

金属-有機構造体 (MOF) の例. これらは MOF 研究初期に開発された構造体で高い表面積を誇ります.

MOF を用いた水素貯蔵材料の応用に向けた研究の初期は、孔の大きさや構造体のトポロジーの最適化に重きが置かれていました (上図参照)。しかし、上述の通り、水素分子の分極能力の低さからファンデルワールス力に頼った古典的な物理吸着では室温付近の吸着力は低く、単に表面積を大きくするだけでは室温付近の吸着容量は改善できません。MOF を利用した室温水素貯蔵研究においては、吸着エンタルピーを向上する方向に分野の標的はシフトしていきました。

ところで、吸着エンタルピーの向上が室温付近での水素貯蔵容量を向上することは確かに正しいのですが、吸着エンタルピーが強すぎると逆に水素の脱着が難しくなることにも注意が必要です。実際に MOF が利用されるシステムを考えると、例えばMOF が充填された水素ボンベから燃料電池へ水素を流すときには単純な圧力勾配を利用するものと考えます。真空ポンプなどは使わずに、水素ボンベから燃料電池へ水素を流れるようにするには、水素の脱着の最終圧力は1気圧よりもある程度大きくなくてはなりません。脱着時のボンベの残存圧力は、5 bar (5 気圧程度) が現実的であると推奨されており、その圧力で材料に残存して吸着している水素は使えないのです。

ガス貯蔵における使用可能容量の定義. 使用可能容量は, 充填時の容量からガス放出時に残存する容量を差し引くことで定義されます.

水素を充てんするときの圧力(100 bar あるいは 170 bar)ではしっかり水素を吸着させつつ、5 bar での残存水素を抑えるためバランスが重要になります。そのような最適な吸着エンタルピーについて、2000年初期から活性炭を用いて理論研究や計算研究がなされていて、15-25 kJ/mol が室温付近での水素貯蔵において最適なエンタルピーであると考えられてきました5,6。ただし、典型的な水素との物理吸着の吸着エンタルピーは 3-7 kJ/mol 程度で、やはり吸着エンタルピーの向上が必要不可欠です。

狭い目で見た化学的問題設定: π逆供与能を持つ配位不飽和金属部位の開発

金属有機構造体の配位不飽和金属部位 (coordinatively unsaturated metal sites, open metal sites) が、比較的強い水素の吸着エンタルピーを示すことが 2005年ごろから知られるようになりました7–9。典型的な MOF での配位不飽和金蔵部位はルイス酸性を示し、その正電荷によって水素を分極することで −8 から −13 kJ/mol 程度の高い吸着エンタルピーを示します10,11 。特に Ni2(m-dobdc) と呼ばれる構造体の NiII サイトが −13.4 kJ/mol の吸着エンタルピーを示すことが報告されています11。しかし、ルイス酸性の配位不飽和金属について20 年ほど研究がなされていますが、いまだにそれらのルイス酸性の金属サイトで最適な吸着エンタルピーである −15から−25 kJ/mol  は達成できていません。

配位不飽和な金属サイトを持つ MOF の例と分極相互作用による水素吸着のメカニズム. MOF-74 の記事も参照.

近年になって、ほんの 2 例ではあるものの、軌道相互作用によって水素を吸着できる配位不飽和金属部位を持つMOF が、より高い水素吸着能力を示すと報告されるようになりました。一つ目は Long らから報告された V2Cl2.8(btdd) です12,13。MOF によく利用される金属は CoII, NiII, ZnII などの二価の後期 3d 遷移金属ですが、前期 3d 遷移金属である VII は、それらと比べて空間的に広がっており、さらにエネルギー的にも高い 3d 軌道を持ち、軌道相互作用を示すのに適しています。その結果、V2Cl2.8(btdd) の VII サイトは弱いπ供与性を持ち −21 kJ/mol の水素の吸着エンタルピーを示します。これが、室温水素貯蔵における最適な吸着エンタルピーを示す一番初めの例として 2021 年に報告され13、軌道相互作用を示す金属サイトがが最適な吸着エンタルピーの実現に有用であることを実証しました。ただし、VII は空気中でとても不安定で、空気に触れると直ちに不可逆的に酸化されるなど実用面での障害が大きい問題がありました。

比較的高い水素吸着エンタルピーを示す MOF の例とその特徴.

軌道相互作用によって水素を吸着できる 2 つ目の例は、2014 年に Volkmer らによって報告された CuI-MFU-4l  (組成式 Cu2.2Zn2.8Cl1.8(btdd)3) という三角錐構造の CuI サイトを持つ MOF です14。低酸化状態にある CuI は、空間的に広がった 3d 軌道を持ち、その d 軌道のエネルギー準位も比較的高いです。その結果、π逆供与によって –32 kJ/mol の水素吸着エンタルピーを示すことが報告されています。この吸着エンタルピーは、室温水素貯蔵における最適な値 (–15 から –25 kJ/mol) を外れているものの、これまで報告されている MOF のなかで群を抜いて最も高い吸着エンタルピーです。

技術や手法のキモ: 三角錐構造の微細な調節によるπ逆供与能の調節

今回、Long らは CuI-MFU-4l の CuI サイトでのπ逆供与能を弱めることで最適な吸着エンタルピーを達成できないかと思索しました。Longらは自身らの 2021 年の報告15をもとに、CuI の配位幾何構造が逆供与の強さを調節するにあたって重要であると考え、CuI の三角錐構造をやや平面に近づけることが鍵であると仮説を立てました。この Long らの仮説を説明するために、三配位錯体における定性的な Walsh 図 (論文 Figure 1c) を考えましょう。

三配位三角錐構造と三配位平面構造における d 軌道のエネルギーの変化を表した Walsh 図 (Figure 1c).

この Walsh 図では、3d 軌道のエネルギーが、三配位錯体の構造の変化とともにどのように変わるかを表しています。まず出発点として C3v の三角錐構造を考えます。結晶場理論によると、配位子の方向を向いているd軌道は配位子の電子と反発して不安定化します。したがって、C3v の三角錐構造において dxy/x2-y2 軌道と dxz/yz 軌道はどちらも比較的不安定化していると考えられます。D3h の三方平面構造を考えると、平面上に分布する dxy/x2-y2 軌道は三角錐構造よりも、配位子との軌道の空間的な重なりが大きくなるためさらに不安定化されると考えられます。一方、平面の上下に分布する dxz/yz 軌道は配位子との軌道の重なりが小さくなるため安定化してエネルギー準位が下がると考えられます。

さて、軌道の相互作用の強さは、相互作用する軌道同士のエネルギーが近いほど強くなります。H2 と CuI のπ逆供与相互作用において、水素の反結合性σg*軌道がアクセプターです。一方、ドナーになるのは、d軌道の対称性の観点から dxz/yz 軌道であると考えられます。

三角錐 CuI サイトから H2 への π 逆供与に関する軌道相互作用図. 

上の Walsh 図の議論において、CuI の配位構造が 平面構造に近づくにつれてdxz/yz 軌道のエネルギー準位が落ちると推論されました。その結果、水素のエネルギー的に高い反結合性σu*軌道とのエネルギー差は大きくなり H2 と CuI の π 逆供与相互作用は弱まると考えられます。言い換えると、CuI の配位構造が 平面構造に近づくにつれてその π 逆供与能は低下します。したがって、CuI-MFU-4l における三角錐の CuI サイトをやや平面に近づけることで、その強すぎる吸着エンタルピーをやわらげられるのではないか、と筆者らは考えたわけです。

さて、上記の仮説は理論的に間違ってなさそうですが、どのように CuI サイトの構造を平面化させるのかが合成化学における創造性の鍵であり、MOF の構造調節性の強みが活きるところになります。Long らは MFU-4l 型の MOF の五核クラスターの中心金属に着目しました。CuI-MFU-4l の五核クラスターは、中心に六配位八面体構造の ZnII を持ちます。もしこの中心金属が大きければ、CuI のための三脚型の足場を広げることができます。そのように広がった三脚の頂点に位置する CuI は三角錐の底辺側にやや落ちざるを得ないと予想されます。すなわち、CuI の構造は平面に少し近づくと考えられます。

Cu の配位構造を平面化するための筆者らのアイデア.

筆者らは、MnII と CdII を用いて、上記の仮説の検証に取り組みました。ZnII, MnII , および CdII のイオン半径は、0.74 Å, 0.86 Å, そして 0.95 Å となっており約 0.1 Å ずつ違っているため、構造-性質の相関を系統的に調べることができます。

筆者らの仮説をまとめます。筆者らは MFU-4l の五核クラスターの中心に MnIIや CdII のような大きなイオンを置く新規の CuIM-MFU-4l 型の構造体  (M = Mn, Cd; 従来の CuI-MFU-4l は M = Zn) を合成することで、その周辺部位に位置する三角錐型のCuI の構造を平面構造に近づけられると考えました (仮説1)。その平面構造に近づいた CuI は、水素分子に対してより弱いπ逆供与を示すはずです (仮説2)。

本論文のコンセプトのまとめ (論文の TOC).

成果の概要

上記の仮説に基づいて標的の CuIMn-MFU-4l と CuICd-MFU-4l の合成法したところ、仮説通り五核クラスターの中心金属のサイズが大きいほど CuI 部位での吸着エンタルピーが弱まることが確かめられました。さらに CuICd-MFU-4l の吸着エンタルピーが 23 kJ/mol であると示唆されました。これが理論的に提唱されてきた最適な水素吸着エンタルピーの範囲に入っていたため、実際の室温水素貯蔵の操作条件に近い条件での水素貯蔵特性を調査したところ、CuICd-MFU-4l における CuI 部位での水素吸着は、確かに吸着容量と脱着のしやすさのバランスが調和された最適な強さであることが実証されました。

主張の有効性検討

論文は次のように構成されています。

  1. 標的の構造体の合成と基礎的なキャラクタリゼーション
  2. 低圧低温下での水素ガス吸着測定による吸着力の測定
  3. in situ gas-dosing IR 測定による吸着された水素分子の活性化の確認
  4. DFT 計算による仮説の裏付け
  5. 中性子線回折および非弾性中性子線散乱スペクトルによる Cu–H2 相互作用の詳細な解析
  6. 高圧常温下でのガス吸着測定による水素貯蔵材料としての性能評価

この記事では、論文のストーリーで重要と思われる要点に絞って解説します。

CuIM-MFU-4l の合成

CuM-MFU-4l の合成は, MX-MFU-4l の合成後修飾により達成されました.

もともと CuIZn-MFU-4l は、Zn のみからなる構造体  Zn5Cl4(btdd)3 (従来の文献では MFU-4l と知られていますが16、本論文内では ZnCl-MFU-4l と書かれています) の合成後金属交換 (postsynthetic metal-exchange) によって合成されます14。したがって標的とする CuIM-MFU-4l (M = Mn, Cd) を合成するには、前駆体として M5X4(btdd)3 (M = Mn, Cd; X は任意のアニオン性配位子) を利用して、合成後金属交換を用いて CuI を導入するのが妥当であると考えました。 ただし M5X4(btdd)3 型の構造体 (MX-MFU-4l)は、Zn のみでしか知られていなかったため、筆者らははじめに Mn および Cd を用いて、新規の MX-MFU-4l (Mn(OAc)-MFU-4l, CdI-MFU-4l) を合成しました。新規構造体は粉末 X 線回折やガス吸着測定により分析され、既存の ZnCl-MFU-4l と同様の構造と表面積を示すことが確かめられました。

なお単結晶 X 線構造解析により、五核クラスターの構造を詳細に調査したところ、確かに中心金属 M のイオン半径が大きくなるに従って、周辺部位における三脚型のポケットのサイズが大きくなっていることが確かめられました (Figure 2c)。上で述べたこれは仮説1と関連します。

単結晶 X 線構造解析により決定された五核クラスターの周辺部位周りの構造パラメーターの比較 (Figure 2c).

低圧 (1 bar) でのガス吸着測定と吸着エンタルピーの測定

298 K, 1 bar での水素吸着量は、CuIZn-MFU-4l > CuIMn-MFU-4l > CuICd-MFU-4l でした。その結果から、水素の吸着エンタルピーは仮説通り、CuIZn-MFU-4l > CuIMn-MFU-4l > CuICd-MFU-4l の順に従っていると推察されました (Figure 3b)。吸着エンタルピーを定量化するために、Clausius-Clapeyron 法を用いたところ17、吸着エンタルピーは、それぞれ 33.4, 26.9, 22.7 kJ/mol であると確かめられました。

CuM-MFU-4l の室温低圧下での水素の吸着等温線 (Figure 2b)

DFT 計算による構造推定と吸着エンタルピーの計算

合成後金属交換後の MOF の構造を結晶学により調査するのは難しいため、クラスターモデルを使ったDFT 計算によって、五核クラスターの中心金属が CuI サイトの構造と性質に与える影響を調べました (Figure 4)。CuI サイトの三角錐構造の頂点の尖り方は、三脚型に配置された窒素配位子 N2 がつくる平面と Cu との距離 d(Cu-N2 plane) (小さいほど平面構造に近い)、および M-Cu-N2 によって作られる角度  (90°に近いほど平面構造に近い)。DFT により最適化された構造によると、確かに CuI の構造は中心金属 M が大きいほど平面に近づくことが確かめられました。

続いて、水素分子が配位した構造の構造最適化を行ったところ、中心金属が大きいほど、水素分子と Cu の距離は大きくなると示唆されました。水素分子の H–H の距離は、すべてのクラスターにおいて、遊離の水素分子の H–H 距離よりも 0.07 Å 程度長くなっていて CuI からの π 逆供与によって水素分子が活性化されると示唆されました。その H–H 距離の伸長の程度は、クラスターの中心金属が大きいほど小さく、やはり仮説通りクラスターの中心金属が大きいほど Cu によるπ逆供与が弱められると確認されました。ただし、Cu–H2 距離 やH–H 距離の伸長の程度の違いは、0.007 Å 程度しかなく、それらの差は実験的に測定できる精度よりも小さい可能性が高いと示唆されました。

DFT 計算に用いられてたクラスターの全体像と最適化された構造の重要な結合パラメータの比較. INS は inelastic neutron scattering spectroscopy (非弾性中性子散乱分光法), PND は powder neutron diffraction (粉末中性子線回折) により決定された結合パラメータ ((Figure 5).

分光学による CuI–H2 の相互作用の調査

水素雰囲気でのIR測定により CuI に配位した水素分子の H–H 伸縮振動は、CuIM-MFU-4l のすべて 構造体において 遊離の水素のそれよりも著しく低波数側にシフトしており、 CuI からの  π 逆供与によって水素分子の H–H 結合が活性化がしていることが観測されました。そして波数のシフトは、CuIZn-MFU-4l > CuIMn-MFU-4l > CuICd-MFU-4l の順に小さくなっていることも確かめられました。

in situ gas-dosing IR 測定による, Cu に吸着された H2 および D2 の伸縮振動ピーク. *遊離の H2 や D2 の伸縮振動は, 双極子モーメントが変化しないため IR 不活性 (禁制) ですが, 吸着されたそれら分子の伸縮振動は, もは純粋な伸縮振動ではなくなるので禁制が解けて観測されます (参照: 二水素錯体に関するケムステ記事).

さらに、水素雰囲気での非弾性中性子散乱 (INS) 測定によって、CuI に配位した水素の回転定数に関して調査しました。剛体モデルで近似すると、二原子分子の回転定数は、その結合距離の二乗に反比例します。π逆供与によって結合距離が活性化するほど、H–H 結合距離は長くなると考えられるので、回転定数は小さくなります。INS スペクトルの解析の結果、CuIMn-MFU-4l の CuI に配位した水素のH–H結合距離は、CuIZn-MFU-4l の CuI に配位した水素のH–H結合距離よりも小さいと結論され、筆者らの仮説通りの結果が得られました

CuZn-MFU-4l と CuMn-MFU-4l のINS (inelastic neutron scattering; 非弾性中性子散乱) スペクトル. 水素分子が強く吸着された材料の INS スペクトルにおいては, 分裂されたピークの中央が回転定数 B に対応します.

高圧常温下での吸着特性の評価

Clausius-Clapeyron 法によって見積もられた CuICd-MFU-4l の CuI サイトでの吸着エンタルピーが、理論的に提唱された室温貯蔵における最適なエンタルピーの範囲に入っていたため、現実の水素貯蔵の操作条件での吸着特性が評価されました。筆者らは、強い吸着サイトであるCuI を持つ CuIM-MFU-4l に加えて、ZnCl-MFU-4l の吸着特性も評価しました。具体的な吸着特性評価の実験条件は、190 bar 以下としました。その理由は、一般的な金属のガスボンベで許容される最大の圧力が 170 bar だからです。なお、水素自動車用に向けて材料が開発されていた時代には、100 bar が水素貯蔵時の最大圧力として提案されていたので、多くの文献では 100 bar での吸着容量を報告しています (自動車に積載される場合は、安全上の理由から貯蔵時の圧力が低くなりますが、施設の予備電力の供給のために水素を静置して保存する場合など (stationary application) はガスボンベの耐久ぎりぎりまで加圧できるのです)。歴史的な背景から、本論文でも 100 bar での容量を他の材料との比較のために報告しています。筆者らは、さらに 5 bar を水素燃料側への脱着の圧力と提案し、5–170 bar および 5–100 bar での水素貯蔵容量の差を利用可能容量 usable capacity として算出しました。

ZnCl-MFU-4l の水素吸着容量は 25 °C において 190 bar まで、ほぼ直線的な緩やかな増加しました。これは、表面積が高く、強い吸着サイトを持たない構造体によくみられる振舞いです。ZnCl-MFU-4l は CuI サイトを持たないので、ZnCl-MFU-4l に見られた水素貯蔵容量は、弱い van der Waals 相互作用による物理吸着のみに由来し、CuIM-MFU-4l における弱い物理吸着による水素貯蔵容量の良い参照になると考えられます。CuIM-MFU-4l の高圧水素曲線は、ZnCl-MFU-4l を基準にして凸な曲線を描いており、そのカーブの曲がり具合は M に依存していました。具体的には CuI サイトにおいて 33 kJ/mol の吸着エンタルピーを示す CuIZn-MFU-4l は、5 bar 未満において 1 g/L 程度の急激な水素の取り込みがあり、5 bar 以降の水素の吸着等温線はZnCl-MFU-4l の吸着等温線とほぼ平行でした。これは、5 bar 未満の急激な水素の取り込みは CuI サイト由来の水素吸着で、5 bar で既に CuIサイトが完全に水素で飽和してしまったので、5 bar 以降の吸着特性は ZnCl-MFU-4l のそれと同じになったのだと考えられます。これでは、CuIZn-MFU-4l での CuI による水素吸着は利用できません。

室温 (298 K) での高圧水素吸着等温線 (Figure 8). 塗りつぶされた丸は吸着のデータを, 白抜きの丸は脱着のデータを表します. Dual-site Langmuir 式で吸着データをフィットしたときの, 強い吸着サイトからの寄与 (つまり Cu サイトからの寄与) が, 上の図の実線で表されています. 下の図では CuZn-MFU-4l のデータを dual-site Langmuir 式でフィッティングしたときの, 強い吸着サイト (赤) と弱い吸着サイト (黒) の寄与をそれぞれ示しています. 弱い吸着サイトの寄与は ZnCl-MFU-4l のデータとよく一致しており, dual-site Langmuir 式で CuM-MFU-4l の吸着データをモデルすることによって Cu サイトの吸着と弱い物理吸着の寄与を分解できることを表しています (Figure S79).

上記の CuIZn-MFU-4l の吸着のふるまいを見て、筆者らは CuIM-MFU-4l の高圧水素吸着等温線が double-site Langmuir 式で表せるのではないかと考えました。実際に、実験データを double-site Langmuir 式でフィッティングしたところ、強い吸着サイトによる Langmuir 式と弱い吸着サイトによる Langmuir 式の和としてあらわすことができました。そのフィッティングのパラメーターを用いれば、CuIM-MFU-4l の吸着等温線を強い吸着サイトによる寄与と弱い吸着サイトによる寄与に分解して、CuI サイトによる吸着特性を分析できます。その結果、吸着エンタルピーが 23 kJ/mol と最適である CuICd-MFU-4l の CuI サイトの被覆率は、25 °C , 100 bar では 83%、 25 °C, 5 bar では 19% となっており、利用可能な被覆率は 63% と算出されました。これは Langmuir 型の吸着における理論上最大の利用可能被覆率と一致します。したがって、筆者らはこの CuICd-MFU-4l の CuI サイトの吸着が、吸着のしやすさと脱着のしやすさのバランスが調和された最適な強さであると、実験的に証明しました。

最後に、今回報告したCuIM-MFU-4l 系の MOF とその他の重要な MOF の水素貯蔵容量の比較を行いました。残念ながら CuIM-MFU-4l は、2024年現在の室温水素貯蔵において最高の性能を誇る構造体 Ni2(m-dobdc)11,18 よりも体積あたりの容量において劣る、と指摘されました。その理由は、比較的長い配位子を持ち、高い表面積を誇る CuIM-MFU-4l 型の構造体では CuI サイトの体積当たりの密度が低く、弱い物理吸着の吸着サイトの方が圧倒的に多いからです。そのため、例え CuI サイトによる吸着エンタルピーが最適であったとしても、全体の吸着量のなかでの CuIによる吸着の寄与は小さいのです。一方、Ni2(m-dobdc) は NiII サイトでの吸着力はやや弱く最適な値から外れていますが、単純に体積当たりのNiII サイトの数が多く、高い水素貯蔵容量を誇っています。

議論すべき点

論文中でも述べられている通り、確かに CuICd-MFU-4l のCuI サイトでの吸着の強さは最適ですが吸着容量自体はそれほど高くないことが、CuICd-MFU-4l の材料としての問題だと考えられます。 また、毒性のカドミウムを利用していることや配位子のコストなど、実用化には不向きでしょう。

しかし、本論文で示された構造-性質の相関は材料開発の指針になると考えられます。実際、本論文は「有用な材料の報告」というよりも、「吸着エンタルピーを制御する新たな設計指針の提案」および「いまだに珍しい軌道相互作用による水素吸着特性の基礎研究」に重きが置かれています。

本論文で開発された CuICd-MFU-4l そのものは、実用化に向かないと考えられますが、最近になって CuI 系の MOF は空気に比較的安定であると示されて、より現実的な材料群として注目されていることは事実です。本成果は CuI系 MOF での水素貯蔵研究をさらに加速すると期待されます。

次に読むべき論文は?

ヒドロゲナーゼ機能や水素の製造と貯蔵の基礎となる遷移金属へのH2の配位と反応性19
Kubas, G. J. Fundamentals of H 2 Binding and Reactivity on Transition Metals Underlying Hydrogenase Function and H 2 Production and Storage. Chem. Rev. 2007, 107 (10), 4152–4205. DOI:10.1021/cr050197j

π 逆供与によってH2を配位するのは、 MOF の配位不飽和金属としては珍しいですが、分子性錯体としてはそれほど珍しくありません。分子性錯体から知見を得れば、 MOF の新たな配位不飽和金属部位を設計できるかもしれません。

金属-有機構造体を用いた長期エネルギー保存: 可能性と課題20
Peng, P.; Jiang, H. Z. H.; Collins, S.; Furukawa, H.; Long, J. R.; Breunig, H. Long Duration Energy Storage Using Hydrogen in Metal–Organic Frameworks: Opportunities and Challenges. ACS Energy Lett. 2024, 9 (6), 2727–2735. DOI: 10.1021/acsenergylett.4c00894

MOF を用いた水素貯蔵の実用可能性について、technoeconomic analysis (TEA: 技術経済性分析) の観点から述べた論文。MOF を用いた水素貯蔵技術が、現在の水素貯蔵技術よりも上回る可能性を、化学的な観点からではなく経済的な観点からまとめた総説。

関連記事/リンク

参考文献

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  2. Rusman, N. A. A.; Dahari, M. A Review on the Current Progress of Metal Hydrides Material for Solid-State Hydrogen Storage Applications. Int. J. Hydrog. Energy 2016, 41 (28), 12108–12126. https://doi.org/10.1016/j.ijhydene.2016.05.244
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PhD候補生として固体材料を研究しています。学部レベルの基礎知識の解説から、最先端の論文の解説まで幅広く頑張ります。高専出身。

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