初めに
今回は前回の制度やシステムといった話ではなく、実際の大学生活をざっと振り返ってまとめてみたいと思います。そのため、個人的な話が多いので読み物感覚で読んでいただければなと思います。また、私はコロナが猛威を振るっていた時に入学したため、そういったことも少しではありますが書いていきます。大学生活について不安を持っている新入生の方や保護者の方、薬学部に興味のある方には薬学部の生活について参考になれば幸いです。(あくまで参考程度でお願いしますね)
また、本文は学年ごとに書いていきます。
1年生
現状の大学生活と1年生のころの大学生活を比較し、考えてみれば大きく違うなと思うのは、やはりコロナウイルスによる様々な制限などの有無かなと思います。その時はコロナ禍真っただ中で、前期に関してはほとんどがオンデマンド授業でした。そのため、家で黙々と授業を受け、課題を出すという繰り返しで誰ともしゃべれず、正直寂しかったです。ちなみにオンデマンド授業は再生速度を変更できるので、ほとんど二倍速で受けていました。(やめましょう…)
ただ、週に1~2回は言語系の授業の登校日があったため、そこで友達と喋った記憶があります。一方で、後期は対面での授業以外の日は2週間に1回対面で授業を受けるという形式でした。対面で受けない日はzoomで受講し、先生が授業中にパスワードのような物を発表してそれを入力し出席確認を取るという形で授業を行っていました。先ほど、授業の再生速度の話がありましたが、声が違い、驚きました。なぜかはコロナ世代の学生ならわかってくれると思います。(わからないほうが良いですが…)
そんな一年生で私が強烈に印象に残っているのが、濃厚接触者(今ではほとんど死語ですが…)になり、定期テストのほとんどの科目が追試になってしまったことです。追試は再試験と同日に行うため、追試の再試は有りません。そのため、一発勝負をほぼ二週間ずーっと続けていました。正直二度とそんな体験はしたくないですし、そもそももう一度その状況に耐えられる気がしません。(笑)コロナの時期に限った話で、今はそんなことは考えられませんが、何とか全単位を回収したので、かなりよくやったと思います。
2年生
授業に関しては、二年生になり概論的な授業ではなく専門の科目が増えて授業が難しくなり、比較的しんどかったです。これについては後で書きます。コロナに関しては、前期は1年生後期とほとんど同様の対応でしたが、後期からほとんどの授業が対面になりコロナ対策は緩和されたように思えます。
2年で印象に残っている(というかトラウマになっている)のは勉強が大変でメンタル的にかなりきつかった事と実習の事です。
前者については2年生からは科目数と専門科目が1年のころと比べてかなり多くなり、すごく大変でした。その中でも印象に残っているのは「分析化学」です。1年の後期にも同じような名前の授業がありましたが、1年後期ではpH計算などの計算メインで、まあそれなりに勉強すれば比較的どうにかなる科目でした。
一方、2年前期では方向性がガラっと変わり、様々な分析機器の仕組みを暗記するという授業で、イメージがつかみにくく理解しづらかったです。先生がとてもユニークな方で、教室に持ってくることが出来る範囲で機械を持ってきてくださりと、熱心な方でした。(それでも筆者は仕組みをあまり理解できませんでした。申し訳ない…)それゆえに、仕組みが良くわからず丸暗記でテストへ挑まざるを得ず、量が膨大だったので手も足も出ず、再試験を受けることになってしまいました。私は再試験で無事単位は修得できましたが、来年度まで持ち越しになった人もかなり居たようで難関科目でした。
今、思い出しても地獄でした。この話から分かることは、理解できそうならば理解した上で覚えたほうが絶対に頭に残ります。是非そうしてください!!
次に実習に関してですが、生物学実習という実習がありました。これに関して印象に残っているのはマウスを用いた項目です。詳細は省きますが、私にとってはかなりハードでした。筆者は薬剤師ではなく、研究系の仕事に就きたいと考えていますが、病院で働かれている薬剤師は恐らくそういったものを見る機会もあると思うので、すごいなと思います。他にも細胞のスケッチがありましたが、絵心が皆無で先生に画伯と言われていました。今考えれば懐かしいです。
当たり前ですが、薬学部と言ってもかなり守備範囲は広く、さまざまな知識が要求されると改めて実感しました。
3年生
コロナは2年後期に引き続きかなり緩和されていましたが、2023年の5月頃に5類感染症(ちなみに感染症の法律上の分類は薬学部だと覚える必要があります…)へと引き下げられ、各種規制緩和されました。そのため、これを境に皆さんマスクは比較的外される方が多いように思えました。
そんな、3年の学生生活についてですが、一言で言えば一番大変でした。前期は先輩方が口をそろえて大変とおっしゃっていて覚悟していましたが、想定より大変でした。もともと分量が多いのもありますが、諸事情によりカリキュラムが変わり、授業の入れ替えとそれに伴い過去問がない授業が有り、大変でした。
中でも「免疫学」がかなり大変でした。面白い授業で、内容は好きなのですが、暗記、理解する量がともに膨大で、教科書がラインマーカーで埋め尽くされていき、絶望した記憶があります。ただ、筋道を立てて理解していくことが可能であったので、そこは良かったです。また、過去問がない授業に関しては過去問の有無で勉強のしやすさが全く変わり、その大切さを身に染みて実感しました。
一方で後期の方に関しては、テストに関しては前期ほどの苦労はありませんでしたが、実習がこれまでより多く、さらに学園祭があり、手伝いなどで大変でした。実習に関して言えば、期間が連続しており、実験の拘束時間やレポートの作成でかなり時間を取られました。正直、勉強のリズムは崩れていたのでかなり勉強しにくかったです。ただ、その分先生も配慮してくださっていたのだと思いますが、実習のテストが少なく、ほとんどがレポートで評価が決まったのでそこは楽でした。
ここで、学園祭ってどういうこと?と思われた方もおられると思いますが私は学園祭実行委員(通称:執行)に所属しており、その幹部(とはいえ名ばかりですが…)でした。そのため、その手伝いをする必要がありました。とはいえ、かなり楽な部署だったので、他の部署に比べてはやることは少なかったです。具体的に言えば、協賛してくださる企業さんに物品の提供をお願いする電話を掛けたり、地元の診療所やお店にポスターの掲示をお願いするといった対外的なこと、景品を詰め合わせたり、配布するビラの印刷などといった作業などいろいろなことを手伝いました。中には複数の仕事を掛け持ちしている方もおられ本当に大変そうだったので、頭が上がりません。学園祭当日に関して言えば、朝早くから集まり、テントの設営などを行いました。
その中で記憶に残っているのは、すごく要領の良い方が設営の指揮を取っていたのと野球部の頼りになる兄貴のような方のコンビで上手く設営が進み、例年より効率よく設営でき、同じように撤収出来て解散できたのが、誇らしくて良い思い出です。繰り返しになりますが、大変ではありましたが、良い体験になりますし、友達も増えると思うので仮に大学祭実行委員会に選ばれた(選ばれてしまった)方は積極的にやってみてください。
ちなみにですが、私たちの学年の幹部は特に仲が良い(先輩談)らしく、今でも時々ご飯を食べに行ったりしています。最近では、大学の球技大会にその時のメンバーと出場しました。(筋肉痛でボロボロになりましたが…..)
4年生
まだ始まったばかりですが、分かりうる範囲で書いてみます。この学年では薬学共用試験を受験し、合格するのが目標です。これはコンピューター上で受験するCBTというものと実技試験のOSCEからなります。
これに関して先月の初めに体験受験のようなものがあり、無事ボコボコにされました。しかし、これに合格しないと5年生の実務実習に参加できないため、頑張って勉強する必要があります。さらに、卒業と国家資格取得のためにも避けては通れません。
そのため、4年生ではこういったものを意識した授業が多くなっている様に思えました。ですので、有機化学といった座学の科目は少ないので悲しいです。また、実習に関しても共用試験を意識したもので、3年までの勉強とはかなり毛色が変わったように思えます。また、多くの研究室では研究が始まり、卒業論文のための準備等が始まっていくと思います。私も少しずつではありますが、実験をして手技などを磨いていきたいです。
最後に
どの学年でも勉強の話が出てきていて、そこからも何となく察してもらえるように薬学部は正直かなり忙しく、大変だと思います。それゆえに精神的にきついことも正直多々ありました。ただ、その分、様々な思い出もありますし、国家資格も取れ、様々な道が開かれているので、その分のリターンは十分にあるのかなと思います。
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以前執筆した記事です。併せてみてもらえれば、薬学部のことがより分かります。