研究者や現場の方であれば、酸欠防止に不可欠な酸素探知機やモニター、医療関係者であれば血中酸素濃度モニターなど、さまざまな用途で使用されていますが、酸素計について深く考えたことのある人は多くないと思います。
今回は、そんな酸素計の記事になりますので、気軽に読んでみてください。
<目次>
1.そもそも酸素ってなに?
2.代表的な酸素計の測定原理
3.非破壊式酸素計の特徴
1.そもそも酸素ってなに?
まず、皆さんご存知の通り、物質としての酸素は、無味無臭の気体で空気中に約20.95%含まれており、窒素に次いで多く含まれています。生物の呼吸や燃焼に不可欠な気体であり、医療分野や工業分野では欠かせない気体です。
そんな酸素の濃度を測定するのが酸素計で、多種多様なものが活用されています。
2.代表的な酸素計の測定原理
現在、主に使用されている酸素計は、ジルコニア式またはガルバニ電池式の2種です。
先ほどの酸欠防止に不可欠な酸素探知機は主にガルバニ電池式ですが、血中酸素濃度モニターは、簡潔に言うと、血の赤色の度合いを透過光を利用して測定しています。
現在、他にも様々な原理の酸素計が取り揃えられており、それぞれの原理の詳細や使い分けがされています。
詳細については、下記リンクのガイドブックをご参照ください。
3.非破壊式酸素計の特徴
ここで話は大きく変わりますが、みなさん、非破壊式の酸素計というものをご存知でしょうか?
上記で取り上げたジルコニア式やガルバニ電池式の酸素計は投げ込み式と言い、センサー部を、コードを通して容器内に入れる必要があります。
これだとどうしても密閉容器の中は測定できません。
そういったニーズに沿った酸素計がPreSens社の非破壊式酸素計です。
PreSens社はドイツのレーゲンスブルクという都市にある大学からのスピンオフメーカーです。
従業員数は約200名と決して多くはありませんが、ドイツらしく確かな技術を持ったメーカーです。
今回はそんなメーカーのちょっと変わった酸素計を紹介します!
PreSens社の代表的な酸素計の見た目は、このような感じです。
一般的なスマートフォンと比較してもこんな感じで非常にコンパクトです。
この酸素計、何がすごいのかと言うと、先ほども述べたように、密閉した容器や袋の中の酸素濃度を外から測定できることです。
専用のセンサーチップを予め容器の中に貼る必要はありますが、一度貼り付けてしまえば、もうあとはそのまま、容器の外から測定を行うことができます。
と言われても想像しにくいかと思いますので、動画をご覧ください。
このように、内部の酸素濃度を外から簡単に測定することができます。
つまり、写真のようなペットボトル、コンビニのパッケージなど、様々な容器の内部の酸素濃度が測定可能となります。
気密性を測定したいのに測定する方法がなく困っている方には、もってこいの方法ですね。
また、動画では、気体中の酸素濃度の測定を行っておりますが、水中の溶存酸素の測定も可能です。
例えば、培養液にも使用できます。
2019年のノーベル医学生理学賞を受賞したWilliam G. Kaelin Jr.博士、Sir Peter J. Ratcliffe博士、Gregg L. Semenza博士らの「低酸素状態における細胞の応答」は記憶に新しいかと思いますが、それほどまでに生体と酸素の関係性は深く、酸素レベルが細胞代謝と生理機能にどのように影響するかを確認することは非常に重要なことです。
これまで、細胞培養において、培養液中の溶存酸素濃度は重要視されていませんでした。これは逆に言うと、培養中の溶存酸素濃度のモニタリングが難しかったことの裏返しです。PreSens社の酸素計は、その点を克服し、培養容器に予めチップを貼り付けて培養することで、サンプリングを行うことなく溶存酸素濃度のモニタリングを可能にしました。さらに、PreSens社では、培養用途に特化した装置の開発も行っています。フラスコでの培養を想定したSFR(センサーフラスコリーダー)、ディッシュでの培養を想定したSDR(センサーディッシュリーダー)の2機種を取り揃えており、スケールに合わせて選択することができます。また、これらの装置は、専用のフラスコ、ディッシュを使用することで、溶存酸素だけではなく、pHも同時に測定が可能です。
培養時の溶存酸素濃度評価にお困りの方は、ぜひご参考にしてください。
他にも非破壊酸素計にご興味がある方は、こちらの製品を取り扱っている三洋貿易までお問い合せください!
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※すべての容器、培養液に対応しているわけではございません。
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