製薬業界における原薬の安全性は、最も重要な課題の一つです。その中心にあるのが、金属の残留問題。ここで革新的な解決策として登場するのが、Biotageの金属スカベンジャーです。製造におけるパラジウム(Pd)などの残留遷移金属の除去に特化しており、近年は特に多くの企業様から採用いただいています。
Biotageの金属スカベンジャーは活性炭に比べ、大幅に目的化合物のロスを抑制しつつ、金属の除去を実現します。GLP/GMP製造に対応しており、品質保証契約PQA (Product quality agreement)の締結にも対応可能です。
今回は、残留金属を除去したいけど何を選べばよいか分からないという方にピッタリの「金属スカベンジャーツールキット」をご紹介します。
Biotageの金属スカベンジャーの特長
金属スカベンジャーには多くの特長がありますが、その中でも推しポイントを3点挙げてみます。
1.高効率な金属除去:原薬のロスを最小限に抑えながら、遷移金属残留量をFDAの基準レベル以下に制御することが可能です。
2.環境に優しい:Pd等のレアメタルをシステムに大きな影響を及ぼすことなく除去することができます。環境負荷を低減し、サステナブルな製薬プロセスを実現します。
3.品質保証契約PQA (Product quality agreement)の締結可能:高品質な金属スカベンジャーを提供していますので、製造の最終工程にも安心して採用いただけます。
キットの梱包内容
適切なスカベンジャーを選択するスクリーニングキットで、5つの成分のスカベンジャーがセットになっています。バルクタイプとシリンジタイプがありますので、用途に応じてどちらかを選択いただけます。バルクタイプにはSi-TMTのカートリッジも付属されています。
捕捉金属:Ag、Cd、Cr、Co、Cu、Fe、Hg、K、Li、Na、Ni、Ni、Pb、Pd、Pt、Rh、Ru、Sn、V、Zr、Zを含む遷移金属および1族、2族アルカリ金属
■バルクタイプ:多変数の開発作業をサポートし、検査物質が少量しかない場合に有用で、最終工程がバッチ攪拌の場合や「添加 – 攪拌 – ろ過」ワークフローの場合に最適です。柔軟で信頼性の高いこのキットは、数百kgの原薬物質を処理するプロセスの設計に使用することができます。
■シリンジタイプ:最終的なスケールアップの状況から、カートリッジ式が求められる場合や、便利なプレパックのスクリーニングカートリッジが望まれる場合に有用です。
どちらのタイプが適しているか分からない場合は、お気軽に担当営業にご相談ください。専門の技術スタッフを交えて相談に応じます。
導入事例
エーザイ株式会社様ではSi-Thiolを原薬製造の最終工程で導入いただいております。Pd除去において、従来の晶析やカラム精製の課題を効率的に解決し、新規医薬品候補化合物の製造処方においてPdの残留量を効果的に制御することができたとのことです。
▼インタビュー記事:エーザイ株式会社 – バイオタージ・ジャパン株式会社
日本新薬株式会社様では臨床試験用サンプル製造等で求められるGLP/GMP対応原薬製造でSi-Thiolを導入いただいております。化合物に対する特異性があるため、キットに含まれる5種類のスカベンジャーそれぞれで、溶媒・温度等様々な条件を変えて評価を行ったそうです。他のメーカーの製品もテストしてみましたが、バイオタージのSi-Thiolが最も除去率が高いという結果が得られました。さらに、バルクスケールでの大量発注が可能で、スケールアップにも対応できるということが決め手になりましたとのことです。
▼インタビュー記事:日本新薬株式会社 – バイオタージ・ジャパン株式会社
総括
承認を受けた製法の変更は手続きが多く難しいですが、治験薬段階のプロジェクトでの製造や処方検討する機会をお持ちの研究者、品質管理担当者、およびプロセス開発者に最適な製品です。晶析や抽出、カラム精製で残留金属にお悩みの方はぜひ一度バイオタージまでご相談ください。
金属スカベンジャーツールキットの詳細、実際の使用例、および購入に関する情報は、Biotageのウェブサイトでご覧いただけます。
金属スカベンジャーツールキット – バイオタージ・ジャパン株式会社