ケムステ読者の皆さん、あけましておめでとうございます。昨年末に開催したケムステV年末ライブの模様を報告いたします。
はじめに
ケムステV年末ライブは昨年で4回目となり、ケムステの恒例行事となりました。今年の振り返りの後、ケムステ版の注目分子「今年の分子2023」を紹介し、最後に記事ランキングベスト10を発表するという内容でライブを行いました。直前の開催予告となり、ライブを見逃してしまった方も多いかと思いますが、本記事やアーカイブでその様子を見て頂ければ幸いです。
今年の分子2023
今年の分子はChemistry & Engineering Newsが選ぶ “The molecule of the year” のケムステ版で、ケムステスタッフの投票で決定しています。
栄えある今年の分子2023に輝いたのはテトラキノリンでした!こちらの分子は2023年の2月にJ. Am. Chem. Soc.誌で報告されたもので、論文を発表した慶應義塾大学薬学部 分子創成化学講座 特任助教の Xu Wei先生にはスポットライトリサーチに出演頂きました。
こちらの分子を推薦したケムステスタッフのDAICHANさんは、「TEtraQuinoline (TEQ) は熊谷研が注力している擬ポルフィリン分子の一つで、非平面性というポルフィリンには無い構造的特性と、金属イオン錯体形成に応答した蛍光特性、酸化反応の触媒特性、発光体としての材料特性など多彩な機能性が明らかになっています。熊谷研では既にTEQ誘導体の開発も進められており、今後の展開が注目される分子です。」とコメントしています。
ちなみに本家の“The molecule of the year”では、Strontium cycloceneが1位に輝きました。
2023年 人気記事 Top 10
次は、2023年ケムステ人気記事 Top 10として、2022年に公開された記事の中からPV (ページビュー) 数の多かった記事をランキング形式で紹介しました。
はやぶさ2が持ち帰った有機化合物 著者:Zeolinite
一般メディアは、地球にサンプルをもたらすまでに注目している中、採取空いたサンプルの分析成果についてJAMSTECなどから発表がなされていることを知り、記事にしました。宇宙空間にも意外と有機化合物は存在しているんだなというのが率直な感想です。
化学メーカー発の半導体技術が受賞 著者:Zeolinite
各社のプレスリリースを少し深堀した内容の記事でした。なかなかプレスリリースでは研究開発の核心まで迫ることはできませんが、今後も企業のプレスリリースには注目していきたいと思います。
8位:半導体技術 12,003
イグノーベル賞2023が発表:祝化学賞復活&日本人受賞 著者:Zeolinite
毎年恒例の記事となってきました。メディアは日本人受賞にフォーカスしますが、海外勢の研究内容も興味深く、いつも楽しくこの記事を作っています。
7位:ExcelでPythonを実行 14,061 PV
「Python in Excel」が機能リリースされたときのメリットを解説します 著者:enifuji
Excelに関するアップデートを切り口に、今後ますます加速されるであろう「データ分析」や「AIの利活用」を裏のテーマとしてまとめさせていただきました。2023年はChatGPTのリリースもあり、「イノベーションが起こったこと」は多くの方の認識でしょうか。今後もテクノロジーの動向に関する有益な情報をお出しできるよう精進してまいりますので、来年もよろしくお願いいたします!
6位:ChatGPT 15,443 PV
初心者でも簡単!ChatGPTを用いたプログラミング 著者:kanako
今年は、ChatGPTが世の中に急速に普及して、大きな話題になりました。私も遊び感覚で使い始めましたが、使ううちに仕事に必須のツールになり、今はpatentを読んだりデータ処理をしたりと、毎日使っています。機能や速度がまだまだ進化していっているので今後も楽しみです。
5位:TSMC 16,054 PV
TSMCを支える化学企業 著者:Zeolinite
TSMCの製造工場が日本に建設されているということで、この記事が注目を浴びたのかもしれません。今後も日本企業から優秀な材料・装置がTSMCに供給され、半導体技術をリードされることを期待します。
4位:書類⇒面接 17,348 PV
書類選考は3分で決まる!面接に進める人、進めない人 ケムステPR記事
3位:化学の博士の価値 23,526 PV
博士の学位はただの飾りか? 〜所得から見た学位取得後のキャリア〜 著者:webmaster
2位:化学企業トップ50 27,005 PV
化学企業のグローバル・トップ50が発表【2023年版】 著者:Zeolinite
近年人気が高くなってきているこの記事ですが、今年は円安の影響からか日本企業のランクダウン目立つ結果になり、残念でした。来年は、できれば日本企業の明るいニュースが取り上げられることを期待します。
1位:ノーベル化学賞 38,460 PV
ケムステ版・ノーベル化学賞候補者リスト【2023年版】 著者:cosine
今年もノーベル化学賞の執筆記事で効率良くランクイン、コスパタイパ最高を追求しつづけている副代表です。今年はケムステでも予想していた物理化学・ナノ材料分野から受賞ですが、フライング発表があったりして、ケムステ予想企画的にはおやおや話もありました。ひと味ちがったノーベル化学賞の年になったのではないかと思います。来年も楽しみにしていましょう!
以上、ランキングとコメントをダイジェストでお送りしました。動画ではトップ10 全記事に対する山口代表からのコメントもありますので、ぜひご覧ください!!ちなみにトップ10発表後には、hodaさんの今年への決意と、Spectol21さんのアウトリーチ活動の宣伝、代表の秘密大暴露がありました。
今年は、1月、2月とVシンポを予定しております。貴重な講演ですので登録して参加をお忘れなく。
また今年の日本化学会春季年会では、5年ぶりにケムステイブニングミキサーを開催しますので、仲間作りにぜひご参加ください。
V年末ライブの後は、スタッフでV忘年会を実施しました!記事制作の裏話や業界、研究、進路の話を夜遅くまでしました。ケムステではスタッフを常時募集しておりますので、ぜひ【スタッフ募集のPR記事】をご覧の上お問い合わせください!
それでは、本年も Chem-Station をどうぞよろしくお願いいたします!