[スポンサーリンク]

一般的な話題

プロ格闘ゲーマーが有機化学Youtuberをスポンサー!?

[スポンサーリンク]

ゲーマーが有機化学にスポンサード??

YouTubeで大学有機化学の講義動画発信をされている諸藤達也(もろぴー)さんは、プロ格闘ゲーマーの梅原大吾(ウメハラ)さんからスポンサードを受けることを発表しました。

スポンサードの経緯

ウメハラさんによって企画されたオーディション企画「俺を獲れ」に出演したもろぴーさんが、プレゼンの結果、月一万円のスポンサー支援を勝ちとったようです。まさかこれまで有機化学に全く縁がなかったであろうプロ格闘ゲーマーのウメハラさんが、有機化学YouTuberを支援するとは驚きです。

YouTube: オーディション企画 俺を獲れ 【フル版】(https://www.youtube.com/watch?v=4yYwptGlXwk&)より引用

ケムステ読者の中にはウメハラさんのことを知らない方も多くいると思うので、簡単にご紹介いたします(恥ずかしながら著者も全く存じ上げておりませんでしたが、とんでもなくすごい人です……!)。

ウメハラさん 略歴

https://www.mbs.jp/mbs-column/entmbs/archive/2019/01/23/015633.shtml より引用

11歳から台風の日もゲームセンターに通い、15歳でヴァンパイアセイヴァー日本一、17歳でストリートファイター世界一になる。当時プロゲーマーという職種は日本にないこともあり、輝かしい戦績にも関わらず、2005年ごろから格闘ゲームの世界から距離を徐々に取り始め、雀荘での勤務を経て介護業界で働いていた。

実質格闘ゲームから引退していたものの、2009年アメリカで開催された格闘ゲームの世界大会「EVO」で優勝。ブランクにも関わらず圧倒的に勝ち続け、Mad catsとスポンサード契約を結ぶに至り、日本で初めてのプロゲーマーとなった。

そして2023年の現在に至るまで、第一線のトッププロ格闘ゲーマーであり、e-sports業界をけん引し続けている。

 

筆者が最も印象深かったのは「勝ち続けるために自分を飽きさせない」という考え方です。

どんなに楽しい、好きなことでも自分に成長が感じられなければ飽きてしまい成長が止まる。

いかに自分を飽きさせず成長を続けられるか、という考え方は格闘ゲーマーと研究者という違いはあるかもしれないですが見習うべき点が多すぎると感銘を受けました。

そんな偉大な格闘ゲーマーのウメハラさんがなぜ、一見格闘ゲームと無関係な有機化学という学問分野のYouTuberを支援することにしたのでしょうか?ゲーム×学問というのはあまりに不思議なコラボレーションに見えます。そして、そもそもなぜもろぴーさんはオーディション企画に参加しようと考えたのでしょうか?

勢い余ってもろぴーさんにインタビューをしてしまいました。

 もろぴー さんより

アカデミアの研究者は「人まねはしてはならない」や「自分の信じた道を進まねばならない」とよく言います。この言葉を研究者よりも実践してきた人物がウメハラさんです。ゲームが社会的に認められていなかった時代に誰よりも格闘ゲームを追求し、日本で初めて「ゲームをすること」を職業にしたパイオニアです。有機化学と格闘ゲーム、確かに分野は違いますが、一つの道を追求して新たな世界を切り拓く生き方は、我々有機化学の研究者にとっても参考にならないはずがありません。

この度、光栄にもウメハラさんからYouTube活動をスポンサードしていただけることになったので、「有機化学を勉強していてウメハラさんを知らない人間はいない世界」を目指して活動をしていきたいと思います。

「ゲーム×学問」は最初意外な組み合わせのようにも感じましたが、熱中し、学び研鑽し続けるという点は研究者にも共通すると感じました。

また様々な方から化学へ関心をもってもらうという点でも、格闘ゲームのトップランナーであるウメハラさんが有機化学YouTuberを支援することは非常に意義深いのではないでしょうか?

最後になりますが、お忙しい中コメントをいただきましたもろぴーさん、ありがとうございました!

Avatar photo

KeN

投稿者の記事一覧

大学教員→企業研究者。自分の知らない化学に触れ、学び、楽しみ続けたいです。

関連記事

  1. 3.11 14:46 ③ 復興へ、震災を教訓として
  2. パラジウムが要らない鈴木カップリング反応!?
  3. アルメニア初の化学系国際学会に行ってきた!③
  4. ヒスチジン近傍選択的なタンパク質主鎖修飾法
  5. 「関口存男」 ~語学の神様と言われた男~
  6. 水入りフラーレンの合成
  7. 物凄く狭い場所での化学
  8. 水溶性アクリルアミドモノマー

注目情報

ピックアップ記事

  1. 有機合成化学 vs. 合成生物学 ― 将来の「薬作り」を席巻するのはどっち?
  2. Lectureship Award MBLA 10周年記念特別講演会
  3. 共有結合で標的タンパク質を高選択的に機能阻害する新しいドラッグデザイン
  4. Pubmed, ACS検索
  5. 第22回「ベンゼン環の表と裏を利用した有機合成」植村元一教授
  6. 有機反応を俯瞰する ー付加脱離
  7. 有機化学美術館へようこそ―分子の世界の造形とドラマ
  8. ガレン・スタッキー Galen D. Stucky
  9. トマス・リンダール Tomas R. Lindahl
  10. 山東信介 Shinsuke Sando

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2023年10月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

高用量ビタミンB12がALSに治療効果を発揮する。しかし流通問題も。

2024年11月20日、エーザイ株式会社は、筋萎縮性側索硬化症用剤「ロゼバラミン…

第23回次世代を担う有機化学シンポジウム

「若手研究者が口頭発表する機会や自由闊達にディスカッションする場を増やし、若手の研究活動をエンカレッ…

ペロブスカイト太陽電池開発におけるマテリアルズ・インフォマティクスの活用

持続可能な社会の実現に向けて、太陽電池は太陽光発電における中心的な要素として注目…

有機合成化学協会誌2025年3月号:チェーンウォーキング・カルコゲン結合・有機電解反応・ロタキサン・配位重合

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2025年3月号がオンラインで公開されています!…

CIPイノベーション共創プログラム「未来の医療を支えるバイオベンチャーの新たな戦略」

日本化学会第105春季年会(2025)で開催されるシンポジウムの一つに、CIPセッション「未来の医療…

OIST Science Challenge 2025 に参加しました

2025年3月15日から22日にかけて沖縄科学技術大学院大学 (OIST) にて開催された Scie…

ペーパークラフトで MOFをつくる

第650回のスポットライトリサーチには、化学コミュニケーション賞2024を受賞された、岡山理科大学 …

月岡温泉で硫黄泉の pH の影響について考えてみた 【化学者が行く温泉巡りの旅】

臭い温泉に入りたい! というわけで、硫黄系温泉を巡る旅の後編です。前回の記事では群馬県草津温泉をご紹…

二酸化マンガンの極小ナノサイズ化で次世代電池や触媒の性能を底上げ!

第649回のスポットライトリサーチは、東北大学大学院環境科学研究科(本間研究室)博士課程後期2年の飯…

日本薬学会第145年会 に参加しよう!

3月27日~29日、福岡国際会議場にて 「日本薬学会第145年会」 が開催されま…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー