以前、有望な研究者探索をサポートする「JDream Expert Finder」というツールを紹介しました。
記事:有望な若手研究者を発掘ー研究者探索サービス「JDream Expert Finder」
有料ツールですが、研究者の学術文献や学会発表などのデータベースから、今探している分野の有望研究者(第一人者とは限らない)をレポート表示できます。前回はその概要について簡単にお話ししましたが、今回の記事では、もうすこし詳しい機能の紹介に合わせて、どういったアルゴリズムで、有望研究者を見出しているのかを説明しましょう。
課題から探す
前回の記事にあるように、いろいろな観点から研究者を検索することができますが、もっとも研究者名やその分野を知らない場合は、やはり課題やキーワードから探すことがほとんどだと思います。一般的には、関係学会に参加して聞いてみたり、検索エンジンにキーワードをいれて出てきた結果をみてみたりでしょうか。
JDream Expert Finderでは、検索エンジンに入力するのと同様に検索可能です。例えば、以下のように、「高感度なバイオセンシングとデジタル分子分析による医療診断の実現」と課題そのままのようなものを入力し、その研究者を探すことができます。その際に、有望な研究者に限定にチェックをいれていれば、その分野の有望研究者のレポートが表示されるというわけです。
実際の画面はこれです。今回は課題でなく、キーワードで検索しています。例えば、「AI スパコン 創薬」とキーワードを入力すると、自動的にタームを切り出して、研究者に付与されているキーワードに展開してくれます。さらに、重要度や必須/除外設定もできるので、どのキーワードがどのぐらい重要なのかの割合を簡単に設定することができます。
なお、このJDream Expert Finderの提供元である、ジー・サーチでは、様々なテーマを事例にしたセミナーを定期的に開催しているそうです。
どのような調査をおこなうのか、これらセミナーを参考にしたい方は、こちらでどうぞ。
テーマ例:カーボンリサイクル、マテリアルズインフォマティクス、マイクロプラスチック、燃料電池など
有望な研究者候補を検索するアルゴリズム
さて上記で、有望な研究者に限定にチェックをいれれば、第一人者にとらわれず、若手研究者も含めた、今後活躍するであろうそのキーワードの研究者も見いだすことができることを述べました。いったいどうやって検索するのでしょう。以下のチェックマークのとなりに、媒介中心性と書いてあります。これってなんでしょう?
前回の記事でもちらっとお話ししましたが、これがそのアルゴリズムなんですね。
あまり聞いたことない言葉なので、検索してみると
媒介中心性:ネットワーク内の各ノード ペア間の最短経路にノードが置かれている頻度。
とあります。これまで、マーケティングや交通網の整備に使われてきたアルゴリズムで、
まずネットワークにおいて、A点からB点にいくルートを全部数えると、そのうちCを通るルートがいくつあるか計算をすることができ、その割合はC点の重要性を示す指標と考えられた。この関係をネットワーク上のすべての点同士についてすべて調べて足すと、各点の重要性が解析できるというものだ。 (引用:日本の研究.com記事)
とあります。つまり、これを使えば、複数の研究グループのハブとなっている研究者を見いだして、この研究者の経年変化を見ていけば、どのぐらいその研究者が成長しいている、のかわかるようになるというわけです。よく調べれば、その研究者の成長も予測できるかもしれません。
導入事例
そんなJDream Expert Finderですが、どんな導入シーンがあるのでしょうか。ある研究者に営業にいくときに、人名検索してキーワードを掴んでからいくひともいるかもしれません。企業において、新しい若手研究者と長期間に渡り共同研究したいということもあるでしょう。もちろん以前の記事でも書きましたが、助成金の候補となるテーマの立ち上げの際にも必要かもしれないですね。もしかしたら、キーワードで、人材探しという大学や企業もあるかもしれません。
なかなか実際の企業名などをあげて、導入事例を書くことは難しいと思いますが、HPの方に以下の2つの導入事例がありました。
A社(製薬メーカー)
研究部門での共同研究検討の際、自社で研究者が調査出来る事、有望な若手研究者も調査できる事が決め手となり、JDream Expert Finderを導入しました。
研究者候補の調査から、他社との共同実績の予備調査も自社で行えるため、共同研究にかかるスピードが速くなりました。
B大学(オープンイノベーション推進機構)
キーワードから簡単に自校の研究者を俯瞰できることがポイントでJDream Expert Finderの導入を決めました。
学内で注目している研究者をもとに、研究テーマが関連する企業研究者を簡単に調べられるので、提携企業の検討に大変助かっています。
興味があればコンタクトを!
以上、研究者の成長を予測できる?:JDream Expert Finderと題して、本サービスを改めて紹介してみました。興味のある方はぜひお問い合わせしてみてください。
株式会社ジー・サーチ
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