[スポンサーリンク]

一般的な話題

徹底比較 トラックボールVSトラックパッド

[スポンサーリンク]

マウスはパソコン作業において必須のアイテムですが、ポインタを操作する機器は他にもありトラックボールやトラックパッドを愛用している方も少なからずいらっしゃいます。そこでマウスとこれらの機器で、操作性がどのように異なるのかChemdrawとPowerPointを使用して比較しました。

マウス腱鞘炎のリスク

長時間のパソコン作業によって手首の痛みを感じる場合はマウス作業が負担になっている可能性が高く、症状がひどい場合には、注射や手術が必要になってしまう場合もあるそうです。パソコン作業をしないことが負担を軽減する一番の方法ですが、それでは仕事にならないため、手首への負担を軽減しながらパソコン作業を行う必要があります。マウスの使用で負荷がかかる原因の一つはマウスを動かすために手首を多用することであり、後述するトラックボールやトラックパッドでは異なる方法でポインタを動かしているため、手首への負担が少ないと言われています。

ひろゆきによるマウス操作の負荷とトラックボールの利点についての解説

トラックボール

今回の比較対象の一つであるトラックボールは、ボールを動かしてポインタを操作します。トラックボール自体を動かす必要がないので、手首への負担が大きく軽減されます。トラックボールマウスにもいろいろな種類がありますが、筆者はロジクールのMX ERGOという機種を使用しています。

[amazonjs asin=”B0BXCTQJP7″ locale=”JP” title=”【Amazon.co.jp限定】ロジクール ワイヤレス トラックボール MX ERGO MXTB1d Bluetooth Unifying 無線 8ボタン 高速充電式 windows mac iPad OS Chrome ワイヤレスマウス トラックボールマウス 国内正規品”]

マウスとしては高額な部類に入りますが、機能が多彩で具体的に下で挙げたような特徴があります。

  • SEMのように移動速度を変更できるボタンが搭載されている。
  • USBレシーバーとBluetooth接続の両方に対応していて、切り替えボタンを押すだけで操作するPCを変えることができる。
  • 台座の貼り付け方によって水平だけでなく傾けて使用することもできる。
  • USBでの充電式なので乾電池の交換が必要ない

上部の様子、左右クリック、スクロールホイールのクリック、左右に倒す、左クリック横の上下とボタンが配置されている。スクロールホイール下のボタンは、BluetoothとUSB無線の切り替えに使う。

側面の様子、トラックボール横のボタンで移動速度の大/小を切り替える。

底部の様子、磁石でプレートを貼り付けていて、貼り付け位置によって、トラックボールを傾けて使うか水平で使うか選択できる。

購入して間もない頃は使いにくかったですが、現在は特に不自由なく操作できています。ただ妻に見られて恥ずかしいものを閲覧する時は、操作ミスが許されないので普通のマウスを使用するのはナイショです。

トラックパッド

もう一つの比較対象としてトラックパッドを挙げます。トラックパッドは指で操作するため、手首への負担が減るとの声があります。ほとんどのノートパソコンにはトラックパッドが搭載されていますが、好んで使うことはなくマウスが無い時や使えない時に止む無く使うイメージがあります。そんなマウスより使いにくいトラックパッドは外付けデバイスとして発売されており、AppleのMagic Trackpadは外付けトラックパッドの代表的な商品です。

[amazonjs asin=”B09BTT6FJ9″ locale=”JP” title=”Apple Magic Trackpad”]

特徴はその大きさであり、ノートパソコンの中でも比較的大きなMacbookのトラックパッドよりもさらに大きいサイズとなっています。もちろん無線接続が可能で、またUSBでの充電式となっており、高価なマウスと同等の利便性を有しています。こちらのMagic TrackpadはWindowsで使用することは可能ですが、Mac特有のMulti-Touch ジェスチャを使用することはできません。

全体の様子、表面には何もなくすべての面がトラックパッドとなっている。

MacBook Air 13インチのトラックパッドとの比較

奥側の様子、オン/オフスイッチと充電用Lightningコネクタがある。

最近購入しましたが、ノートパソコンで使用していたこともあり、比較的すぐに慣れて使用しています。Mac歴は短いので急な操作に不安があり妻に見られて恥ずかしいものは、見ないようにしているのもナイショです。

 

比較ルール

手首への負担を軽減できても、操作に時間がかかるのでは意味がありません。そこでマウスと比べて作業時間に差があるのか、三つの機器で操作の時間を比較しました。具体的には同じスライド/分子を作り上げる時間を比べ、どのような差ができるのか実験を行いました。マウス以外の機器は同じで、デバイスの経験と繰り返しの慣れのバランスを取り、普通のマウス(1回目)→トラックボール→トラックパッド→マウス(2回目)の順番で実験を行いました。 

比較対象のマウスは筆者が長年愛用しているもので、形に特徴があり薬指と親指が自然な位置に来るようにデザインされています。

比較用マウス

ChemDraw編

ChemDrawでの作業性を確認するためにこちらの記事の反応式を題材に、同じ反応式を作成する時間を測定しました。マウス操作の比較のため、キーボードショートカットは使用せずに作成しました。

比較の題材とした反応式

かかった時間の比較

結果、マウス操作の1回目と2回目を平均すると、3機種でかかった時間はほぼ同じでした。構造式を作る際には微妙なクリック場所の違いで違う操作になってしまうため、マウス操作でも何度かクリックのミスをしてしまいました。トラックボールの場合、ドラッグ操作がラフになることを心配していましたが、矢印の長さなどは一回でちょうど良い長さを取ることができました。一方、ボールの感触には難しさがあり、よく滑って行き過ぎる感じが常にあり親指で強く抑えていたと思います。トラックパッドは、ポインタがピタッと止まって操作しやすいように感じました。

位置の微調整などは行いませんでしたが、トラックボールやトラックパッドでもマウスと比べて特段の不便があるわけではなく、同じように作業できることが分かりました。

PowerPoint編

次にスライドを作成における作業時間を比較しました。題材は1 コメントの比較記事で作成したチャート図で、四角内の文字以外の同じ図を作成する時間を測定しました。

比較の題材としたチャート図

かかった時間

結果、マウスの平均ととトラックボールがほぼ同じ時間で、トラックパッドは一分ほど遅い結果となりました。この比較ではポインタ操作によるコピペを多用しましたが、トラックパッドでは右クリック(人差し指と中指の日本で押し込む操作)がうまくできなかったのが時間がかかった原因です。とは言ってもマウスでも右クリックミスを多発しており、またトラックボールでも右クリックは押しにくいように感じました。

今回は、あえてマウス操作を多用しましたが、コピペだけでもキーボードショートカットに頼れば、スライド作成においてもどの方法でも同じ作業時間だと思います。

筆者の主観に基づいた3機種の評価

最後に疲労感を比較します。マウスの場合、薬指と小指に近い手の甲が痛くなりました。トラックボールではそのような痛みは無かったものの多用した親指が少し痛くなりました。トラックパッドの場合、途中から人差し指がつらくなって中指、人差し指とタッチする指を変えていきました。このようにトラックボールやトラックパッドを使ってもマウスとは別のつらさを感じてしまいました。これはタイムアタック中の結果であり、なるべく早く終わるように操作をしていたため通常よりも余計に手に負担がかかったかもしれません。トラックボールについては長期間使用していますが、手の痛みは少なくなったと思います。パソコン作業の内容、人によって個人差はあり、トラックボールやトラックパットで必ず痛みを軽減できるかは分かりませんが、興味のある方は店頭で使い心地を調べてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。

関連するケムステ過去記事

Avatar photo

Zeolinite

投稿者の記事一覧

ただの会社員です。某企業で化学製品の商品開発に携わっています。社内でのデータサイエンスの普及とDX促進が個人的な野望です。

関連記事

  1. 魔法のカイロ アラジン
  2. 光で形を変える結晶
  3. 日本プロセス化学会2019 ウインターシンポジウム
  4. 美術品保存と高分子
  5. NMRの基礎知識【原理編】
  6. エントロピーを表す記号はなぜSなのか
  7. 独自の有機不斉触媒反応を用いた (—)-himalensine …
  8. 作った分子もペコペコだけど作ったヤツもペコペコした話 –お椀型分…

注目情報

ピックアップ記事

  1. プラスチックに数層の分子配向膜を形成する手法の開発
  2. 2011年人気記事ランキング
  3. ナフサ、25年ぶり高値・4―6月国産価格
  4. 可視光で働く新しい光触媒を創出 -常識を覆す複合アニオンの新材料を発見-
  5. 第31回 ナノ材料の階層的組織化で新材料をつくる―Milo Shaffer教授
  6. 高難度分子変換、光学活性α-アミノカルボニル化合物の直接合成法
  7. 医薬品有効成分の新しい結晶化経路を発見!
  8. 武装抗体―化学者が貢献できるポイントとは?
  9. 電子不足トリプトファン誘導体を合成する人工酵素
  10. アーント・アイシュタート合成 Arndt-Eistert Synthesis

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2023年7月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

注目情報

最新記事

CO2 の排出はどのように削減できるか?【その1: CO2 の排出源について】

大気中の二酸化炭素を減らす取り組みとして、二酸化炭素回収·貯留 (CCS; Carbon dioxi…

モータータンパク質に匹敵する性能の人工分子モーターをつくる

第640回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所・総合研究大学院大学(飯野グループ)原島崇徳さん…

マーフィー試薬 Marfey reagent

概要Marfey試薬(1-フルオロ-2,4-ジニトロフェニル-5-L-アラニンアミド、略称:FD…

UC Berkeley と Baker Hughes が提携して脱炭素材料研究所を設立

ポイント 今回新たに設立される研究所 Baker Hughes Institute for…

メトキシ基で転位をコントロール!Niduterpenoid Bの全合成

ナザロフ環化に続く二度の環拡大というカスケード反応により、多環式複雑天然物niduterpenoid…

金属酸化物ナノ粒子触媒の「水の酸化反応に対する駆動力」の実験的観測

第639回のスポットライトリサーチは、東京科学大学理学院化学系(前田研究室)の岡崎 めぐみ 助教にお…

【無料ウェビナー】粒子分散の最前線~評価法から処理技術まで徹底解説~(三洋貿易株式会社)

1.ウェビナー概要2025年2月26日から28日までの3日間にわたり開催される三…

第18回日本化学連合シンポジウム「社会実装を実現する化学人材創出における新たな視点」

日本化学連合ではシンポジウムを毎年2回開催しています。そのうち2025年3月4日開催のシンポジウムで…

理研の一般公開に参加してみた

bergです。去る2024年11月16日(土)、横浜市鶴見区にある、理化学研究所横浜キャンパスの一般…

ツルツルアミノ酸にオレフィンを!脂肪族アミノ酸の脱水素化反応

脂肪族アミノ酸側鎖の脱水素化反応が報告された。本反応で得られるデヒドロアミノ酸は多様な非標準アミノ酸…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー