今年の4月に化学者にお勧めのノートPCという記事を書き、MacBookを推しました。しかし自分でMacBookを使ったことが無かったので、今回MacBook Airを実際に購入しレビューを行いました。
背景
化学者にお勧めのノートPCでは、スペックの高さや筐体の材質からMacBookが良いと評しました。しかし、実際のところ自分は純WindowsユーザーでMacBookを所有しておらず、使ったことも皆無でした。そんな中、個人で使うノートPCを長い間所有しておらず、また外でPCを使う機会が増えてきたので、MacBook購入に踏み切りました。もちろんMacを長年愛用している化学者も多くいらっしゃり、MacBookを使うこと自体は珍しくありません。そのため本記事ではWindowsユーザーが初めてMacBook使ってみた時の感触のレビューとして読んでいただければ幸いです。
購入機種
外出先での動画視聴や書類作成が主の利用方法と考えMacBook Airを選択しました。2022年12月現在、M1チップとM2チップが併売されていますが、長く使うことを考えてパフォーマンスが高いM2チップモデルを選びました。Appleストアではお好みで各部品をアップグレードすることができますが、特に必要ないと考えて最低の仕様でAmazonにて購入しました。家電量販店では値引きがない場合が多いそうですが、Amazonでは5%のポイントが付くので8000円以上の値引きと捉えることができます。
[amazonjs asin=”B0B3BJ56NH” locale=”JP” title=”2022 13インチMacBook Air: 8コアCPUと8コアGPUを搭載したApple M2チップ, 256GB SSD – シルバー”]それでも15万円オーバーであり、SSDやメモリをアップグレードすると20万円オーバーにもなってしまうのでMacBook AirでもノートPCとしては高価格帯の製品だと思います。
外見・ハードウェア
外見は、ザ・MacBookという感じで堂々とスタバで作業できます(MacBookでなくても堂々と作業できます。)。
画面サイズは13.6インチでべセルはそこそこ薄いです。
重量は1.24 Kgと軽く片手での支えることも可能です。先生方や先輩方と立ちながらPCでデータを見てもらうことも気軽にできるかと思います。このMacBook Airはファンレスであり、裏面に通気口がありません。
ファンがあっても実用上に大きな障害にはなりませんが、ファンの騒音や熱風が無いのは、作業性の向上に貢献すると思います。1.13 cmという薄さはバックの容量を占有しないメリットとなり、PC専用のバックは要りません。
画面は軽い力で開いたり、閉めたりすることができます。ただし、開くのは130°くらいまでで、180°真っ平らにはなりません。画面を評価するほど、たくさんのノートPCを触ってきたわけではありませんが、視野角や画質の品質は高く書類作成はもちろんのこと、動画を存分に楽しむこともできます。一方で、タッチパネルではないので、画面を直接タップして操作することはできません。
充電はMagSafe 3と名付けられた足で引っ掛けてもコードがPCから切り離されるタイプのコネクターを使用します。MagSafe 3ケーブルの反対側はUSB-Cなので純正の電源アダプタ以外のUSB-C電源アダプタでも充電が可能です。次にいろいろな意見が出る拡張ポートですが、USB-Cが二つとヘッドホンジャック。。。以上です。
ではどのように周辺機器と接続するかは
マウス:USB-CかBluetooth型の無線マウスを使用
画面出力:USB-C入力対応のモニターかUSB-C/HDMI変換コネクタを使用
その他USB機器:USB-C/USB-A変換コネクタ
とUSB-Cの製品を使うか変換コネクタを間に挟む必要があります。流石にこの拡張性は、使用環境によっては厳しいかもしれません。
キーボードは、バックライト付きで暗いところでも作業が可能です。大型のトラックパッドが搭載されており、マウスが無くてもある程度の操作は容易に可能です。電源ボタンには指紋認証になっており、スリープから復帰する際にはパスポートの入力が不要です。
カメラが画面上部に配置されていますが、ビデオ通話向けとしては高画質です。ただし、意図しない撮影を防ぐ物理的なシャッターはありません。
フレームに溶媒が付着したらどうなるかについては、さすがに怖くてテストできていません。。。
インターフェース・ソフトウェア
ではいよいよ使い心地を見ていきます。以前はMacとWindowsの間には高い壁があり、乗り換えて慣れるまでに長い時間必要なイメージでした。しかし実際に触ってみると、Mac=iPhoneという雰囲気がありスムーズに使い始めることができました。具体的にはアプリのアイコンや設定パネルがiPhoneと同じになっていて、iPhoneユーザーならスマホと同じ感覚でMacを操作できます。
さらにApple IDを入力するとiCouldのデータと連携され、iPhoneで撮影した写真を何も操作せずにMacBookで確認・書類に張り付けることができます。iPhoneとWindowsをUSBで繋いでデータをやり取りしようとすると上手くいかなかったり、ひと手間かかるので、iPhoneの写真や映像を編集する場合にはMacBookは便利だと思います。その他、いろいろな場面でiPhoneの設定がそのままMacに引き継がれるのでiPhoneユーザーは最大限に連携の恩恵を受けることができます。一方、windows PCとのデータ共有は一癖あり、自分ではうまくできてきません。Google ドライブなどのクラウドを介した方が楽かもしれません。
慣れない点は各ウィンドウのサイズをコントロールするボタンの位置で、windowsとは逆に、左上に閉じるや最小・最大化のボタンがあります。そのため、感覚でカーソルを右上まで進めてしまい、気づいて左上に進めることがあります。閉じると最小化はwindowsと同じですが、Macでは最大化はフルスクリーンになってしまいます。自分はフルスクリーンは好きではないので、使いづらいと感じてしまいます。
デフォルトのアプリは必要最小限ですが、パワポ、エクセル、ワードで作成したファイルを開いて編集もできるKeynote, Number, pagesがプリインストールされているのは大変便利だと感じました。最低限の編集ならばこの3つで足りると思います。動画編集はトライしていませんが、プリインストールのiMovieを使えば簡単な動画編集も可能だと思います。
最後にキー入力についてですが、若干異なります。まずMacには半角全角切り替えとDeleteキーが無いので代替方法を覚える必要があります。逆にMacにはOptionキーがシフトの隣にあります。ショートカットを覚えると便利なようですが、何度もControlキーと間違えてしまい、コピペを失敗しています。その他のソフトについてはOSによって違いはなく、Windowsと同じように操作できました。
Mac愛好家から、もっと優れているところがいっぱいあるぞ言われるかもしれませんが、以上が購入して2か月ほど触った感想です。購入前は、MacとWindowsには高い壁が存在するという先入観があり少し身構えていましたが、いざ使ってみるとiPhoneと似たようなものとしてすんなりと使いこなせるようになりました。拡張性の問題もあり実験データの解析には使いにくいかもしれませんが、資料作成・論文執筆は快適に行うことができると思います。
関連書籍
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