イヤホン・ヘッドホンは場所を問わず自由に音楽や動画を楽しんだり会議に参加できるため、必須のデバイスになりつつあります。その種類の豊富で、様々な形の商品が販売されています。そんな中、この記事では最近購入した骨伝導タイプのヘッドホンを紹介します。
購入の背景
筆者は場面に応じてイヤホン・ヘッドホンを使い分けており、動画視聴に集中したり積極的に発言するような会議に参加する場合は、インナーイヤー型のBluetoothイヤホンを使用し、作業が主でBGM的に音楽を聴いていたり聞いている場面が多いような会議の場合にはBluetoothヘッドホンを使用していました。しかしながら、Bluetoothヘッドホンは壊れてしまい今更有線のヘッドホンを普段使いにするのは不便だと思い、前から興味のあった骨伝導ヘッドホンを購入しました。
骨伝導の仕組み
通常、人間は音を聞くとき空気の振動で耳の鼓膜が振動し、それが耳小骨、蝸牛と伝わり音の情報に変換されて脳に伝達されます。一方骨伝導は、人間の骨を震わせその振動が蝸牛と伝わり音の情報に変換されて脳に伝達されます。骨伝導の活用は古く、18世紀に20代後半で難聴を患ったベートーベンは指揮棒を歯で噛みピアノに押し付けて骨伝導で音を聞き取っていたとされています。
骨伝導ヘッドホン・イヤホンは以前から販売されていましたが、製品数はかなり絞られていました。しかしながらここ数年で製品が増え、数千円のリーズナブルな商品から数万円の高級ヘッドホンまで様々なタイプの製品が発売されています。
購入した商品のレビュー
自分が購入したのは、SHOKZのOpenRunというモデルです。
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骨伝導イヤホンとしては高価な部類に入りますが、長い連続使用時間とデザイン、骨伝導ヘッドホンにおける知名度で購入を決めました。メガネを常用しており、うまく耳に引っ掛かるか気になったので、実物を試用してみてうまく使えることを確認してから購入しました。取り扱い店はそれなりにあるので、試してみてから購入することをお勧めします。
- 着用感
初めて使用してみて思ったことは、ちゃんと聞こえるということです。骨伝導イヤホンの一番の売りは、耳を塞ぐことなく音を聞くことができる点で(当然ですが)周囲の環境の音もちゃんと聞こえる中でデバイスから出力される音も聞こえます。また耳を塞がないというのは自分にとってはかなり快適です。なぜなら自分の耳は湿っていてカナル型では長時間の使用で不快になり、インナーイヤー型では大体大丈夫ですが、やはり耳がかゆい時はやはりムズムズします。耳全体を覆うヘッドホンでも湿気を感じることがあります。その点、耳に当たらないこのヘッドホンはお風呂上りの耳が湿った時でも快適に使用でき、長時間の使用でも耳の湿りが気になることはありません。
- 音質
あまり音質には詳しくないので他の機種との違いを表現するのは難しいですが、値段相応の音質というところでしょうか。ただし適度な音量では低音域が弱く聞こえます。周囲の音を遮断していていないからかもしれませんが、本気で音楽を楽しむ場合には別のタイプのヘッドホンが良いかもしれません。人の声に関しては、聞き取りづらいと感じることは今のところありません。
- 長時間使用の不安
Bluetoothで接続できるため、長時間のWeb会議中に飲み物を取りに行ったりすることも可能です。接続を維持できる範囲も他のBluetoothイヤホンと変わらない位でした。耳への不快感はありませんが、こめかみはヘッドホンが密着するため長時間の使用では軽い押しつけを感じます。また骨を振動させるため、人によってはこめかみに痛みを感じるようです。
- その他
カナルやインナーイヤー型では、スピーカー部に汚れが詰まって不潔に見えますが、このヘッドホンには耳の汚れがたまるところがなく、お手入れも簡単だと思います。
場面別お勧めのイヤホン・ヘッドホン
骨伝導イヤホンの場合周囲の音が聞こえるのが特徴ですが、それがデメリットになる場面もあるわけであり、場面に応じてイヤホンを使い分けたほうが仕事や学習においては効果的だと思います。下記は、筆者がそれぞれのヘッドホン・イヤホンを使ってみたうえでのおすすめの使い方です。
- ヘッドホン
じっくりと音楽を楽しんだり、ノイズキャンセリングを効かせて静寂の中でデスクワークや勉強に集中する。
- カナルやインナーイヤー型イヤホン
電車での移動中やカフェなど、それなりに周囲の音をシャットダウンして音楽や動画を楽しむ。自宅のリビングやオフィスのデスクなど、雑音がある中で会議に参加する。
- 骨伝導ヘッドホン
周囲のことを気にしつつも、会議に参加したり動画を視聴する。音楽は聴きたいが、その場で他の人に呼ばれても無視したくない。
骨伝導ヘッドホンの特徴である周囲の音がシャットダウンされないというのは、デメリットにもなり得ることであり、実際騒音が大きいところでは、ボリュームをかなり大きくする必要がありました。例えば化学実験室に近い場所では、ドラフトやNMRの冷凍機などからの重低音がありノイズキャンセリング付きのイヤホンやヘッドホンの方が重宝するかもしれません。
また骨伝導ヘッドホンでも、ボリュームを大きくしていくと音が空気を伝わって伝播するので、全く他の人に聞こえないわけではありません。さらに、ヘッドホンが密着していれば音が聞こえるとはいっても耳から遠いとあまり聞こえず、音量最大で顎に当ててやっと聞こえる程度です。そのため、こめかみ以外に当てて使用することは難しいです。
最後はデメリットをいくつか挙げましたが、耳を塞がないメリットは大きく場面を選えば便利なツールだと思います。イヤホン・ヘッドホンを買い替える時には骨伝導タイプも検討してみてはいかがでしょうか。
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