「人財躍動化」をビジョンに掲げるAdecco Group Japanの人財紹介事業ブランドLHH転職エージェント。自身のビジョンを原動力に、求職者とコンサルタントが手を携えて、新たなステージの活躍につなげる「ビジョンマッチング」を特色としている。
技能とキャリアがものをいう医療系の技術職において、同社は求職者の可能性を引き出し、スキルセットやキャリアの方向性にマッチする最適解を導く。同社LSM&EMC紹介事業部LSM医療機器課コンサルタント、倉 愛実氏にうかがった。
特定派遣会社からの転職。キャリアわずか1年の求職者に寄り添う
バイオ・ケミカル系で働く女性技術職者の転職で、LHH転職エージェントを選択する人がこのところ増えている。給与や勤務条件といった一般的な企業条件に加え、希望する業務、職場環境で、自身の能力を十分に発揮したいという意向が強い。「明るくて元気、前向きな女性が目につきますね。」と倉 愛実氏は語る。最近担当したM氏もその一人である。
M氏は大学院を卒業後、特定派遣会社に入社。主に検査・解析サービスを行い会社の派遣社員となり、直近では新型コロナウイルスのゲノム解析に従事していた。
倉氏が所属するLSM医療機器課のLSMは、ライフサイエンス・メディカルの略。医薬品や医療機器の製造、ライフサイエンスにかかわる研究系の職種の転職支援を担当する部署である。
同社では、転職支援にチーム制がとられている。業界・職種別に専門のコンサルタントが転職支援を担当する。また、その転職支援は、担当者が求職者側と企業側を分担するのではなく、一人のコンサルタントが両面において担当する、いわゆる360度式のコンサルティングを行っておりミスマッチングの少ないスタイルをとっている。
これまでに約120件の成約実績を持つ倉氏は、同課のチームにおいて医療機器の営業職の転職を主に担当しているが、研究・技術職の支援も数多く手掛けてきた。企業の社風や現場をよく知るその経験から、M氏を担当することになった。
「Mさんは、派遣先での評判がよく、ある程度の仕事を任されていたようです。」と倉氏は、ヒアリング当初をふり返る。「しかし、派遣の場合、最終的に業務実績を評価するのは派遣会社ですから、現場の評判がよくても、それが派遣会社の評価に反映されないことに、釈然としないところがあったそうです。」
そこからMさんは転職を考えるようになった。だが、一抹の不安材料もあった。それは、勤続1年目での転職であること。いわゆる第2新卒者なのである。
「私でもこの会社を受けられるのですか?」求職者を驚かせた求人企業とのマッチング
「ヒアリングを通してわかったのは、Mさんが今の仕事に“やりがい”も“おもしろみ”も感じていることです。向上心も高く、派遣先が変わったとしても、いろいろな職場や業務を経験できると思えばそれも悪くないと、前向きに考えていました。」と倉氏はM氏を評する。
経験はわずか1年だが、新型コロナ禍での業務は多忙で、よく鍛えられている印象も受けた。
LHH転職エージェントの転職支援で優先するのは、年収や、スキルといった実務レベルではなく、求職者の仕事に対する考え方や姿勢、自身の今後のキャリアアップ、ビジョンをどう思い描いているかである。そして、それに合う求人を選び出し、企業側の求める人財ビジョンと擦り合わせていく。同社が「ビジョンマッチング」と呼ぶこの独自の手法が、業種・職種や勤務条件を優先させる一般の転職サービスと大きく異なる特色となっている。
しかし、専門知識が必要とされるこのような業界では、ビジョンを持っていたとしても、比較的経験が浅い第2新卒者の転職は決して簡単ではない。実際、そのころゲノム解析にかかわる求人が何件があったが、どもれ数年以上の経験年数を求められた。M氏も自身の転職の難しさは、よくわきまえていた。結果として当人の転職先となった企業の求人を紹介したときも「私でも、この会社を受けられるのですか」と驚いたほどだ。
倉氏が紹介したのは、M氏の現職と同じように、検査・解析の受託サービスを行う企業の求人だった。他社のライフサイエンス部門を吸収したことにより業務部門が拡張され、新たな人財を求めていた。ポジションはDNAシーケンス解析サービスを担う技術者。業績を伸ばしており、新規の事業展開も期待でいる企業である。
「若くて経験が浅くても、自社できちんと教育します。自社の成長とともに、自身も一緒に成長したいという人が欲しいと事前にうかがっていました。経験がないですが、『いろいろな検査・解析を経験してみたい、いずれは研究の方向に進みたい』というビジョンを持つMさんにうってつけだと思いました。」
求人企業にMさんを紹介すると、感触は良好だった。ひとつだけ、シフト勤務は可能かと問われた、当人に確認すると、現職もシフト勤務なので支障はないとのことから、「ぜひ会ってみたい」と採用担当者は強い興味を示した。
「Mさんは、自分の意思をきちんと自分の言葉で話せる方でしたから、面接に向けて心配する点はありませんでした。ただ、応募するポジションは技術的なポジションのため、大学時代と現職で手掛けてきた実験や、どういう機器を扱った経験があるかはしっかりと話してくださいとはアドバイスをしました。」
さらに、「転職理由を正直に伝えてください」とも付け加えた。現職の仕事をどう感じて転職を決意したかは、自分の仕事とこれからをどう考えているかを相手に伝えるうえでも重要だからだ。
面接後のM氏は意気揚々としていた。「面接担当者の人柄がとてもよかった。私の業務経験を聞いたうえで『こういう業務はどうか』と、一つひとつ確認するようにして話が進められたので、仕事のイメージが具体的になった」と倉氏に報告した。「内定が出たら、この会社に行きます」とも言った。
採用担当者側の反応もよかった。LHH転職エージェントの転職支援では、企業の採用担当者に面接の感触を求職者にフィードバックする。面接の数日後に連絡を取ると、担当者から「前向きに考えている」という返事をもらえた。こうしてM氏の転職が決まった。
働くためのビジョンづくりを求職者とともに 採用企業側も明確なビジョンを持つ人財を求めている
「あなたのキャリアビジョンは?」と尋ねられても、スラスラと答えられるものではない。ましてキャリアが浅ければ、答えられるほうがまれだ。
「Mさんもそうでした。はじめは『こうだったらいいな』という程度です。でも、面談中にふともらした一言に、その方の本心が見えることもあります。」
倉氏は、そのような何気ない一言にも気を配る。本人もあまり意識していない、あるいは明確に表現できない気持ちを掘り起こしていくのだ。
幾度か繰り返される「ビジョンマッチング」の面談は、コンサルタントが求職者とともに、その人なりのビジョンを形づくっていく作業の場でもある。「明確なビジョンを持つ人のほうが推薦しやすいし、企業側にも受け入れられやすい」と倉氏はいう。
そこにマニュアル化された転職サポートにはない「ビジョンマッチング」の特質、コンサルタントの介在価値がある。M氏の転職が成功したポイントについて、前向きな当人の人柄に加え、経験は未熟ながらも、これまでのキャリアを生かして次につなげたいという想いが強かったことにあると倉氏は見ている。
M氏にも転職の経験がある。そのときにやはり「キャリアをどう生かすか」を考えた。前職は医療機器の営業。医療の現場、医療機器にかかわる企業を数多く見てきた。「その経験を、医療・医療機器、ライフサイエンス分野への転職を希望する人たちのために役立てたい」という想いから現職に就いた。
「医療関係の企業から企業への転職ばかりではなく、学術研究の分野から企業への転職支援も行います。また、近年では医療・ライフサイエンス関連のベンチャーやスタートアップも増えてきており、なかにはとてもユニークな研究開発に取り組んでいる企業もあります。ベンチャーやスタートアップの求人は、目につきにくいのですが、それらも含めて弊社は豊富に企業情報を蓄積しています。ですから、転職を思い立ったら、まずはご相談ください。」と倉氏。
「ビジョンマッチング」もさることながら、一般の求人表には表記されていないような企業情報の提供もまた、LHH転職エージェントの強みなのである。
LHH転職エージェント コンサルタント:倉 愛実
LHH転職エージェント コンサルタント:倉 愛実
大学卒業後、医療機器メーカーに入社。
約5年、在宅医療機器関連の営業に従事。医療業界での経験を生かし、現職のライフサイエンス&メディカルチームの立ち上げ・拡大メンバーとしてLHH転職エージェントに入社。
現在は、メディカル(医療機器、医薬品など)業界のほか再生医療・ライフサイエンス(研究機器、試薬など)業界を得意領域にしている。求職者の方のビジョンを捉えた転職サポートは採用企業からの高い評価を得ている。
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LHH転職エージェントについて
LHH転職エージェントとは、世界最大の総合人財サービス企業アデコが日本で展開する転職支援サービスのブランド名称です。国内では大都市圏を中心に事業を展開し、各領域に精通した転職コンサルタントがさまざまな業界・職種の転職サポートを行っています。ライフサイエンス・メディカル領域においては、化学業界を軸に、理化学機器、製薬、再生医療、医療機器といった分野でご活躍される方々の転職をサポートしています。
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