こんにちは、joeです。以前「男性研究者、育休を取る。」という記事を投稿させていただきました。その育休が明けてはや半年が立ちます。仕事復帰してどうなったかを書かせていただきます。
勤務について
部署でフレックスタイム制が導入されており、私は1時間早く始終業を行っています。理由は子が朝機嫌良く、夜機嫌悪いということ(子によります)と、夕方にかけて離乳食や風呂、寝かしつけと立て続けにやることがあるからです。
時差出勤による仕事の弊害はありません。皮肉にもコロナ禍で時差出勤が積極的に活用されたことで育児がしやすくなりました。終業時間がバラバラなので「いつも早く帰りやがって…」という僻みはありません。あと、時差出勤の方が電車は空いていますし通勤のストレスがないです。時差出勤さまさまです。
難点は残業しづらいことです。急用の際は同僚に実験を任せ、残業の際は妻に謝りと、どっちにしろ申し訳ないです。その意識があるので以前より仕事の密度は濃くなりました。
仕事内容について
1ヶ月のリハビリ期間と1〜2ヶ月の適応期間を経て、安定した両立が可能になりました。復帰半年たった今、仕事比重は復帰前より増えました。育休による差はなく、現在も通常の業務と育児の両立は可能と言えます。これは上司、チームメンバーの育児に対する理解があることが前提です。周りに恵まれました。本当に感謝しています。以下に大まかな流れを載せました。
復帰〜1ヶ月目
この間もはや私はお手伝いさんでした。実験の比重少なめだったので、分析待機や会議までの間といった空き時間が多く、文献調査や雑務(棚整頓やデータベース化、マニュアル作成など)を行いました。指示された仕事内容だけでは自分の価値を見出だせなかったため、色々と雑務をこなしてました。その分、ゆとりがありますので育児は楽しめました。
復帰後1〜2ヶ月目
お手伝いさんは終了です。ぼちぼち自分がメインのテーマが与えられ始めました。実験や報告書作成など期限の決まった案件が以前と同量になり、残業できないプレッシャーの中、仕事をすることになります。また、育児が次のステップに進んだり、仕事が忙しくなり始め、段々と忙殺されていきます(ここで慣れれば勝ちです)。
復帰後3ヶ月〜
時差出勤以外通常業務です。育児の変化スピードにも適応できるようになり、仕事との両立が可能になりました(ここまでで色々な模索をして生活スタイルを確立しました)。
育休復帰後に心がけるべきこと
育児を頑張っている妻がリフレッシュできるようサポートすることが大切です。これも育児の一環だと思います。言い訳っぽいですが、仕事中は育児できないので夫がサポートにまわる立場になってしまうのは仕方ないと感じます。特に夫が育休復帰後は妻の負担が大きく、私が帰宅すると妻が疲れ切っていることが多くありました。なので手伝えない分リフレッシュしてもらう、具体的には妻が一人で外出する時間を設けることが大切と感じます。
育児中は自分一人で出掛けることが極端に減ります。夫もそうですし、妻は尚更です。「一人で出掛けたの半年振りだわ」と育児中の姉に言われたこともあります。意識して作らなければそのレベルで一人外出はできないようです。そのため、妻には出産前と変わらず予定を立ててもらってます。友達と遊んだり、マッサージに行ったりしている間、私が面倒を見ます。気分転換はとても大事です。このご時世遠出は難しいですが、ずっと家で閉鎖的に過ごすのは精神的に良くないので、週末は家族で公園やショッピングモールの遊び場に出掛けることが多いです。
仕事と育児の両立は大変?
両立が大変かという点ですが大変です(よく心が折れそうになります)。休む時間が減るので、仕事が増え始めた2ヶ月目の時は疲弊し、妻からも心配されました。その時どうしたか。対処法は当たり前ですがとにかく休むことです。もっと言うと、休む時間が少ないので効率よく休むこと、休むために何を止めるか意識するということが大切です。スマホをだらだら触らず、睡眠時間を確保するとか。ソファで寝落ちしないとかですね。
あと、運動を適宜して気分を上げる+体力をつけることも大事です。仕事終わりに育児やるには高いテンションと体力が要ります。仕事も育児も逃げられない。時間もない。私は育児は笑顔や楽しさが大切と思いますので、疲れは隠すより取り除くべきと考えます。短時間で頭をリセットする、パソコンの再起動のようなルーチンがあれば良いですね。仮眠や瞑想がそのたぐいかと思います。
※悲しいことですが一日ゴロゴロするような休みはもう取れないです。
上記脅すような言い回しになってしまいましたが、まあ研究室での死線を乗り越えてきた猛者たちであれば全く問題ないと思いますよ。研究生活で味わったような無理難題はありません。愛する化合物たちと違って、愛する子は我々の努力にしっかり答えてくれます。
育児は研究に活かせたか。
育児が与える衝撃はかなりのもので身の回りの環境は一変してしまいます。家具の配置や生活リズムはほぼ作り直されたと言ってよいです。
では研究にはどんな影響があるでしょうか。育休中は仕事から離れたゆったりした時間が、視野の拡大とひらめきに繋がりました。育休復帰後は…正直「研究」にフォーカスを当てると活きているか分かりません。しかし、慌ただしい中で常にやるべきことを選択する、時間意識や作業効率は上昇し圧倒的に仕事密度は濃くなりました。育児の方が研究よりも移り変わりが早いです。離乳食の変化も目まぐるしいですし、いつの間にか寝返りからハイハイで色んな場所に移動できるようになります。この変化に対応する習慣は研究にも役立ちます。また、家でも良いコンディションを保つことが必要なため、自分の体調は以前より意識しています。そのため、より良い生活ができていると感じます。
つらつらと書かせていただきましたが何となくイメージできたでしょうか。世の大人達が毎日休みなく戦っていることに私は感銘を受けます。将来育休を取ろうと考えている方がいましたら、参考にしてみてください。
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- 男性研究者、育休を取る。(ケムステ記事)
- アメリカ大学院留学:研究者キャリアとライフイベント (ケムステ記事)
- 育児・介護休業について:厚生労働省