2021年夏に米国 FDA はベルツチファン (belzutifan, WeliregTM) という腎細胞がん治療薬を承認しました。この薬はボンヒッペル リンダウ病 (VHL病)に関連する腎細胞がんの治療薬として2019 年にペロトンセラピューティクス社が開発、メルク社が開発を引き継いで完了させた薬です。この薬は、酸素の濃度に細胞が応答するために利用される HIF-2α という転写因子を阻害することで働く、新しいタイプの抗がん剤として注目を浴びています。医薬品製造の観点からは、all-cis のジフルオロインダノール骨格をいかに構築して、安く、大量に、高い純度で、可能な限り環境にやさしい方法で製造するか、という点が課題となります。今回は、メルク社が開発した、ジヒドロクマリンを原料にしたベルツチファンの工業製法の開発経緯について発表した一連の論文 [1–6] を紹介します。
細胞が低酸素状態に応答する仕組みとガン
人の細胞は酸素濃度が減った時、酸素を運ぶ赤血球を増やすなど、低酸素状態を補う仕組みをもっています。そのキープレーヤーが HIF (Hypoxia Inducible Factor) と呼ばれるタンパク質(転写因子)です(図1)。通常、すなわち酸素濃度が十分に高いときは、細胞には HIF がほとんど存在しません。その理由は、このHIF が作られ続けているものの、常に分解され続けているからです。より詳しくは、酸素を利用した酵素反応によってHIFに含まれる2ヶ所のプロリン残基がヒドロキシ化され、ヒドロキシ化された HIF が VHL (von Hippel-Lindau) protein と呼ばれる別のタンパク質と結合することで、プロテアソーム系に認識されて分解されます。しかし、酸素濃度が低くなると、酸素を使ったHIF の酸化反応がHIF の生産量に追いつかなくなるため HIF の量が増加します。HIF はARNT と呼ばれる別の転写因子と結合して、エリスロポエチンの活性化や赤血球増加、血管新生などの様々な遺伝子の発現を促すことで、酸素不足を補う応答を引き起こしているのです。なお Semenza はこの HIF の発見、KaelinとRatchliffeはこのプロリンを水酸化する仕組みの解明を中心とした業績によって、2019年にノーベル医学生理学賞を受賞しています。
図1 酸素濃度に細胞が応答する仕組み(ノーベル財団のHPより転載)
さて、この酸素応答システムに異常が起こると細胞増殖や血管新生が止まらなくなり、ガン細胞が増える原因となってしまいます。実際、VHL protein に異常をもつ遺伝病、VHL病では、通常分解されるはずの HIF が分解されにくく、目や中枢神経、腎臓などでガンを引き起こすリスクが高いことが知られています。また、腎臓がんは世界中で年間 40 万人が罹患し、17万人以上が亡くなって(2018年) いますが、このVHL関連の腎細胞がんは最もよくあるタイプのガンですが、有効な治療法が限られています。
ベルツチファン:効く仕組み
今回、ベルツチファン (1, 図2) はこの腫瘍を縮小させ、患者さんが外科手術を避けたり、遅らせたりすることに役立つとして FDA から承認されました。臨床試験では 18 ヶ月後に 49% の患者に対して腫瘍の縮小が見られたという結果が得られています。ベルツチファンは、HIF のアイソマーであるHIF-2α に結合し、HIF がARNT と結合するのを防ぐことで、低酸素応答に関連する遺伝子の発現を抑え、これらの遺伝子によって引き起こされるガンの増殖を抑えるとされています。
図2
開発の経緯
もともと 2009 年に Gardner らが HIF 中の疎水性ポケットに低分子 2 が結合し、HIF のコンフォメーションを変化させることを発見し、2013年にHIF-2αに強く結合するリード化合物 3 を報告しました(図3)。その後ペロトンセラピューティクスの Wallace, Wehn らが一桁阻害活性の高い候補化合物 PT2399 (4) と PT2385 (5) を見出したものの、グルクロン酸抱合による代謝が早いことが問題となりました。そこで、同社のXuらは高い阻害活性は維持しつつもヒドロキシ基の酸性度を下げてグルクロン酸抱合を防いだ第二世代候補化合物 PT2977 (1、ベルツチファン) を開発するに至っています[7,8]。HIFに対する阻害活性とグルクロン酸抱合への代謝安定性を両立するためにはこのall-cisジフルオロインダノール骨格が必要不可欠であり、いかに立体を揃えてこの骨格を効率よく作るかが合成上の課題となりました。
図3 開発の経緯
発明時の合成経路
図4はメディシナル段階での経路です。インダノン 6 を原料にしてフェノールからチオフェノールへの変換、S-メチル化、酸化を経て8を合成し、SNAr によって左側のエーテルを導入します。インダノン骨格の官能基化はまずフッ素化、そのあと野依動的速度論光学分割によってキラルアルコール12を合成し、アセチル保護、臭素化、加水分解、ジアステレオマーの分割、ヒドロキシ基のフッ素化、加水分解を経てベルツチファン(1)を合成しています。
図4 メディシナル段階での合成ルート[7,8]
多様な誘導体を合成して比較しながら 1 を見出すに至ったルートですが、
- 原料の入手
- ステップ数、精製操作の多さ
- プロセスの安全性
などの観点から工業生産にはこれとは異なったルートの探索が必要でした。
工業プロセスの概要
その後、ペロトンセラピューティクス社での臨床試験用のプロセス開発を経て、メルクのプロセスチームは最終的に図5に示す経路をとることで工業化に成功しました。
図5 工業生産での合成ルート[1-6]
細かい改良が数多くなされているのですが、ここでは次4点に絞って紹介します。臨床研究供給用の合成ルートとの違いは、それぞれの項目で紹介します。
- 安価のジヒドロクマリンを原料にしたインダノン10の合成
- 18から19へのフロー光臭素化-酸化
- 19から20ヘの不斉水素移動型還元
- 20から1への選択的なフッソ化
ハイライト1:インダノン10の合成ルート開拓
すでにペロトンセラピューティクス社での検討で、臨床試験用に次の改良合成ルートが開発されていました(図6)。
図6 臨床試験供給用の合成ルート
チオメチルフェノール 22 を出発原料に、ホルミル化、メルドラム酸との縮合によってクマリン 23 を合成した後、蟻酸-トリエチルアミンによる還元-脱炭酸と加水分解 (NaOH後処理) を経て24を得ています。SNAr によるジアリールエーテル形成、中和によって25を得た後、塩化オギサリルを使った求電子的なアシル化によってインダノン 26 を合成し、チオエーテルの酸化によって目的の 10 を得ています。原料をインダノン6からより入手容易なチオメチルフェノール 22 に変更したことでメディシナルルートからは大幅な改良がなされ、数キログラムスケールでの合成を実現して臨床試験がなされました。しかし、全体としてまだ収率が低かったことと、単離精製を繰り返したことによりプロセス質量強度 (Process Mass Intensity, PMI) が大きい点が問題として残されていました。さらに、フェノール22はそこまで安価な物質ではなく安定供給に不安が残ること、SNAr で 16 を5 当量も必要とすること、ホルムアルデヒドや塩基性条件下のDMSO など安全性に懸念のある条件が残っていることが課題でした。そこで Peng, Tan らはクマリン23からインダノン26を合成していることに着目し、安価なジヒドロクマリンを原料として硫黄原子を最後に導入するルートを考案しました(図7)[1]。
図7 工業プロセス[1]
彼らは、NBS と塩化アルミニウムを用いたジヒドロクマリンの位置選択的な臭素化によって15を合成し、加水分解によって生じたフェノレートを16とのSNArに用いることでジアリールエーテル28を得ています。その後塩化オギサリルによるアシル化と、臭化銅を使った直接スルホニル化によって10を 4 ステップ 53% の収率で得ることに成功しました。以上のルート開拓によって出発原料のコストを 88%, PMI も52% 削減することに成功しました。(なお化学両論量の臭化銅とメタンスルホン酸ナトリウムの代わりにそれぞれパラジウム触媒とピロ亜硫酸カリウムを用いた触媒系を開発していましたが、こちらはスケールアップ時の再現性に問題があったため採用を断念しています。)
ハイライト2:光フロー臭素化
臨床試験供給用の合成ではインダノン 10 をアセタール保護した 18 のベンジル位をラジカル臭素化した後に、生じた 29 を DMSO で酸化することによってケトン 19 へと導いています(図8)。工業化へのネックとして、1) 開始剤に AIBN を用いているためにジクロロメタン中加熱する条件を必要とすること、2) そのため、臭素化で30や31のようなジブロモ化体やアセタールが外れた32などの副生成物が混入してしまい、熱的に不安定な 29 を単離する必要があったこと、そして、3) 酸化の段階でDMSO を用いる手法を使っている点(安全性に懸念あり(塩基性条件下、反応暴走の可能性)、臭いジメチルスルフィドを副生する)が課題として残されていました。
図8 臨床供給用のルート
そこで、Bottecchia, Levesque, とChen らは、ラジカル反応開始に光を利用したフロー反応と、2-メチルピリジン N-オキシドを利用した酸化反応を、それぞれアセトニトリル溶媒で連結することで、AIBNの使用、臭素化での加熱、および中間体の単離が不要なスループットでの反応、安全な酸化反応の実現することで解決しました(図9)。[2,3]
図9 光フロー臭素化-酸化プロセス(工業プロセス)[2,3]
臭素化ではAIBN の代わりに光が利用できることを示した上で、後続の酸化反応とつなげるために溶媒をジクロロメタンからアセトニトリルに変更したところ、選択的に29が得られることがわかりました (図10)。臭素化剤としてジブチルジメチルヒダントイン (DBDMH) を利用することが重要であり、臭素を使った場合は光照射の有無にかかわらず、位置異性体の33が得られます。(なおここで LCAP はUPLCでの面積比ですが、この条件ではほぼ収率と一致することを確認しています。)DBDMHから生成したBr2がC-H 結合を臭素化すると、一当量のHBrが発生します。しかし、DBDMH はHBr を消費して Br2 へと変換することで酸の濃度を抑えています。これに対し、Br2では HBr の濃度が上昇するため、酸触媒によってアセタールのアルファ位が臭素化されていると考えられます。
図10 バッチ条件下、アセトニトリル溶媒中、光照射とDBDMHを用いたベンジル位の臭素化反応
この研究ではLEDからの光を、光ファイバーを通してNMRチューブに照射した条件でのNMRモニタリングによって選択性を向上させる努力がなされています[9]。実際、Blue LED 照射によって綺麗に生成物29が得られているものの、照射が進むと少量のジブロモ化体 30 が生じ、またある段階(Cliff)で一気に副生成物31と32が得られてくることがわかりました(図11)。
図11 (文献3を改変)
この急激な変化は次のように解釈できます(図12):ラジカル反応の条件では望みの臭素化が進行し、わずかに 30 へのジブロモ化が競合します。この間、臭素化によって副生する HBr は DBDMH あるいは DBMH によって Br2 へと変換され消費されます。しかし、過剰量使っているDBDMHから発生したHBr の濃度が上がってくると酸触媒によってアセタールが活性化され、α位での臭素化や加水分解が急激に起きてくることとなります。臭素化は起きれば起きるほど HBr が生成するため、生成物の分解が自己触媒的に激しく起こることとなります。
図12 臭素化の反応経路。HBrが過剰にでてくると下の副反応が一気に進行してしまう。
従って、この反応では厳密に反応時間をコントロールする必要があるため、反応のフロー化が実施されました。LED の温度や反応溶液の流速、LED強度、反応溶液の出入り口の温度、冷却液の温度などを厳密にコントロールすることで、93%の分析収率で1日 38 kg の生成物29を与えるプロセスの設計に成功しています (図9)。なお Chen らは、アセトニトリル中での、29 の酸化条件について検討しています。検討の結果、塩基としてはジイソプロピルアミンが、酸化剤としては2-メチルピリジンN-オキシドが最適であることを求めています。先程のフロー装置の出口からアセトニトリル溶液をそのまま使うために、小過剰量存在する臭素関連の不純物を除去するために、ルチジンとジメトキシベンゼンによるクエンチを組み合わせて用い、結晶化条件を検討することで、安全な試薬を利用しつつ、高純度かつ高収率で目的の化合物 19 を得ることに成功しています (図9)[3]。
ハイライト3:19 から20への不斉水素移動型還元
三つ目のハイライトはルテニウム触媒を用いた野依不斉水素移動型還元反応です。臨床供給経路 (図13)では反応溶媒に酢酸エチルが用いたため、生成したアルコール34を精製するためのワークアップが必要で PMI が大きいこと、そして還元段階で再現性が取れにくいことが課題でした。
図13 臨床試験供給用のルート
そこで Salehi MarzijaraniとStoneらは、溶媒を水―アセトニトリル混合溶媒系に変えることでPMIの問題を解決しています[4]。さらに再現性の問題は蟻酸から生じる二酸化炭素の濃度によるものであることをつきとめ、窒素ガスを流入させることで二酸化炭素を除去し、この問題も解決しています。水―アセトニトリル混合溶媒中、試薬の当量を減らして最適化した条件で良好な結果が得られたものの、ニトリルが還元された dimer 35が生じ、これが分離困難な不純物であることがわかってきました(図14)。
図14 溶媒をスループット型に変更した改良条件。分離困難な dimer 35 の除去が課題であったが、水の添加で解決した。
窒素フローによる二酸化炭素の除去で再現性は担保できたものの、この操作はむしろこの分離困難な dimer 35の量を増やす結果なったため、別の方法をとる必要がありました。そこで、彼女らは水を添加することでdimer を抑制することに成功しました。これはニトリルの還元によって生成したイミンを加水分解することによってアミンの生成を抑え、分離がより容易なアルコール37へと誘導できたことによります。以上を踏まえて最適化した工業プロセスでは、高純度かつ高い不斉収率、単離収率で目的のアルコールを抽出操作を経ることなく得ることに成功しています(図15)。
図15 水素移動型還元反応:工業ルート[4]
ハイライト4:20 から1への選択的なフッ素導入
最後のハイライトは二つのフッ素原子の導入です。こちらも臨床試験用の合成経路で既に Selectfluor を用いたアルファ位のフッ素化と動的速度論光学分割 (Dynamic Kinetic Resolution, DKR)、そしてフッ素化パーフルオロブチルスルホニル(PBSF) を用いた脱酸素的なフッ素化によってベルツティファンを得る経路が開発されており、この条件を改良する必要がありました。より具体的には、両方のフッ素化について転化率が不十分であること、特に最後のフッ素化では試薬の追加が必要なこと、そして両方のフッ素化で過剰フッソ化などの副反応が競合すること、DKRについては溶媒の入れ替えが必要であったことが課題でした(図16)。
図16 臨床試験用の供給ルート
まず Wang, Phillips らは最初のフッ素化の転化率の問題解決に取り組みました。フッ素化剤としては Selectfluor が、溶媒としてもアセトニトリル-メタノールがそれぞれ最適であったため、酸を見直したところ、メタンスルホン酸 (MsOH) を用いると濃硫酸では完結しなかった反応が完結し、目的物 38 とその等価体であるアセタール 39 が得られることを明らかにしています(図17)[5]。
図17 硫酸からメタンスルホン酸に変更することで 20 の転化率が改善した。
MsOH を用いて水の添加効果を調べたところ、わずかな水の添加でもフッ素化の反応速度が落ちてしまうことがわかりました。このフッ素化反応では酸触媒条件下、メタノールとケトン 20 からビニルエーテル 40 が生成してフッ素化されることで 38 と 39 が得られると考えられ、MsOHと比べて濃硫酸は水が混入しやすいため最初の平衡が熱力学的に安定な原料20に偏りやすいためにフッ素化反応が完結しにくかった、と考察しています(図18)。
図18 反応経路と水の影響
なお副生するアセタール39は、反応後に水の添加によって熱力学的に安定なケトン38へと収率よく導くことができます。反応混合物に水を加えて、先程と同様の動的速度論分割を行ったところ、Selectfluor などの共雑物に影響されることなく、収率よく21が得られることがわかりました。得られた21は水を使った結晶化によって水和物として純度よく得ることができます(図19)。
図19 動的速度論的光学分割:工業プロセス[5]
最後の脱酸素的なフッ素化はさらに厄介な反応です。二つのヒドロキシ基を区別してフッ素化するこの反応では、望む生成物の 1 に加えて、原料のエピマー epi-21, 溶媒の DME が反応した 42, 目的物の epimer epi-1, もう一つフッ素が入った43, さらに、フッ化物イオンの代わりに原料が攻撃してできた dimer 44, 生成物が攻撃してできた dimer 45, 42が攻撃してできたdimer 46など、さまざまな副生成物が混在します(図20)。そのため、1 の単離収率は60%未満に留まっていました。
図20 脱酸素的フッ素化反応。副反応がえげつない。
Pirnot、Stoneらはありとあらゆるフッ素化試薬を検討した結果、PBSFが最適な結果を与えることを示した上で、基本に立ち返ってPBSF と DBU の加える順番を検討しています。その結果、PBSFが先、あるいは同時の場合はそこまで変わらなかったものの、DBUを先に加えると 44 の副生が問題となることがわかりました。さらに、DME中の水分の影響を Karl Fischer 水分計で調べて検討したところ、ここでも水の混入で転化率が下がること、PBSFとDBU を過剰にいれれば転化率は上がるものの、今度は 43 への過剰フッ素化が問題となることがわかりました。加える順番はDBUを後に、反応溶液は反応前に共沸によって脱水した上で、さらに反応プロファイルを観察するとDBUの添加にともなってほぼ瞬時に原料の21が消失していることが分かりました。反応が速いためにスケールアップの際に攪拌の問題が懸念されました。実際、低温度条件ではフッ素化剤のPBSF が反応初期に容器の底で相分離しており、攪拌を十分にすることで目的生成物 1 を安定した収率 (~73%)で得ることができることを明らかにしています(図21)[6]。
図21 脱酸素的フッ素化反応:工業プロセス[6]
おわりに
さて、今回はベルズティファンの工業的製法に関わる論文6報[1-6]を取り上げ、4つのハイライトを中心に紹介しました(図22)。
図22
メディシナル(13 steps from 6)、クリニカル(14 steps from 22)のルートから、限られた時間の中で安価なジヒドロクマリンを原料としたルート変更と緻密な条件最適化による収率の大幅な改善を完了し、原薬を工業生産する体制を整えた結果は圧巻です。単に高収率、高選択的な反応というだけではなく、PMIを意識して溶媒を入れ替えを最小限としたスループット型を目指していること、条件最適化にモニタリング技術を駆使していることもプロセス研究での特徴となっています。フロー光反応も現時点では工業化の珍しい例でしょう。今回は合成ルートや反応の方法に主眼を当てて紹介しましたが、実際には結晶化などの化学工学的な工夫については詳細な検討によって効率を最大化する取り組みがなされています。その一方で、たとえば10から20や1を一段階で与える反応の開発など、まだまだ基礎的な反応化学における課題は大きく残されているとも感じます。プロセス化学も反応/分析技術の進歩に合わせて進歩しており、それぞれの立場から未来と出口を踏まえた展開が期待されます。
参考文献
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- メルク社プレスリリース 2021.8.13:FDA による belzutifan (Welireg) の認可について
- 産業界のニーズをいかにして感じとるか(ケムステ)
- Org. Proc. Res. Devのススメ(ケムステ)