効率的なデスクワーク環境だけでなく、快適な映画鑑賞の環境を構築するために31.5インチ4Kモニターを購入しました。以下、使用感を紹介します。
4Kモニターとは
テレビやスマホのカメラの宣伝で4K対応という言葉をよく聞くと思いますが、そもそも4Kとはどういう意味なのでしょうか。
映像出力における4Kとは、解像度が横3840×縦2160画素、つまり横に約4000(4K)個のドットを持つことを意味しています。同じ画面のサイズで比べれば、同じ面積にたくさんの画素が組み込まれているほうがより高精細となり、現在販売されているノートパソコンの画面やモニターの主流はフルHD(横1920×縦1080画素)で、総ドット数で比べればそのフルHDより4倍高精細と考えることができます。よって4Kは解像度を示す言葉であり、4K=大きいモニターではありません。そのため4Kより低い解像度でも大きいモニターは販売されており、そちらの方が安価な場合が多いです。さらにモニターが4Kでも出力されるコンテンツも4Kでないとモニターの能力を発揮できません。世の中に4Kのコンテンツがたくさんあるかというと、テレビの地上波は1440 x 1080ですし、Youtubeでも4Kの動画は限られています。動画配信サービスでも4K対応は一部の作品のみのようです。それでも将来的にはコンテンツが充実すると期待して4Kモニターを購入しました。
購入したモニターについて
4Kモニターといってもいろいろなタイプがあり、デスクワークで使用する上で下記の点に着目して商品の選択を行いました。
- インチ数:最低27インチ以上、理想は31.5インチ
- 液晶パネル:理想はIPS、値段次第でVA
- 理想の機能:高さ調整、USB PD対応
結果、価格との兼ね合いで31.5インチVAパネルで高さ調整対応のモニターを購入しました。
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使い心地
第一印象は、大きいの一言です。以前はフルHD、21.5インチと1280×1024 19インチの2画面を使用していましたが、4Kモニターを21.5インチの脇に置くとこんな小さかったと思うほどです。結局VAパネルの機種を選択しましたが、特に不便は感じていません。
試しにYoutubeの4K動画を全画面で再生しましたが、圧巻です。またWindows スポットライトの機能でログイン画面に美しい写真がランダムに表示されますが、ここでも4Kモニターの真価を発揮し、仕事のモチベーションを高めてくれます(個人の感想です)。
インチ数についてですが、4Kでも小さいモニターでは画素を詰め込んでいるため、拡大なしでは文字が小さくなってしまいます。デスクワークで使用する限り文章を読み書きすることになるので、4Kの解像度を活かしつつ快適に作業ができるようにやや大きめのモニターを選択しました。それでも31.5インチでは100%の倍率では、小さすぎて長時間の文章作成には厳しいように感じました。そのためWindowsの倍率を推奨値の150%にし、Google Chromeの表示倍率を90%=135%にしてちょうど良いくらいの大きさになっています。
PDF形式の論文を表示した場合、ほぼ1ページ丸ごと表示することができ、スクロールの手間が省けます。
横長のスライドの資料では、より大きいモニターの良さが発揮され、かなり細かい資料でも全体を表示しながら見ることができます。
スプレッドシートでもより多くのセルを表示でき、21.5インチのモニターでは、35行R列までデフォルトで表示されますが、4Kモニターでは、51行X列まで表示できました。そのため、150%の拡大でもフルHDの2倍ほどの数のセルを表示でき、大きな表でも縦横のスクロールをより少ない回数で内容を確認することができます。分子構造を作る際にも作業スペースが広くなり、類似の構造をスクロールなしで大量生産することができると思います。
2画面から1画面での運用になりましたが、画面が大きいので分割して1画面に2つのタブやアプリケーションを表示させることができます。2画面ではモニター間の視点移動やウィンドウ移動に少しの不都合を感じていましたが、2分割では切れ目が無いのでより快適に感じます。また、等分割だけでなく一方を広く/狭くすることができるので、用途に合わせて割合を変えて運用でき便利です。
気になる点
やはり目の疲れが気になるところです。モニターの位置を一番下にしてもやや見上げる感じとなり疲れが来るのかもしれません。また、広すぎてマウスの現在位置が分からなくなることもあり、場合によってはカーソルの色や大きさを変える必要があるようです。少々古いPCで使ったところ、画面表示にタイムラグがあるように感じました。PCが古いと逆に使いにくくなるかもしれません。本体が大きいので、もちろん箱も大きいです。引っ越しの可能性がある場合には安全な輸送のため箱を保管しておきたいですが、なかなかの場所を取ります。
ウルトラワイドモニターという選択肢
作業領域を縦に増やすのは限界があり、よりたくさんの情報を表示させるには、横に伸ばしていくしかありません。そのため、ウルトワイドディスプレイというモニターも販売されており、中には1m近い横幅を持つ商品もあります。
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4Kモニターというよりかは、31.5インチモニターのレビュー記事になってしまいましたが、大きいモニターには2画面とは異なるメリットがあると思います。画質も向上し、画面サイズも大きくなっても、スライド1ページに加える情報は、増やすべきではないと思います。特にWeb会議では相手の画面サイズも自分と同じほど大きいとは限らないので、情報の詰め込みは避けるべきではないでしょうか。