[スポンサーリンク]

一般的な話題

有望な若手研究者を発掘ー研究者探索サービス「JDream Expert Finder」

[スポンサーリンク]

 

あなたの分野で有望な科学者は? 課題解決力をもつ研究者は? 市場に影響力のある研究者は?

自分の関連分野ならば答えることができる人が読者には多いと思います。しかし、クライアントにとってはどうでしょう?正直にいえばまったくわからないのではないでしょうか。

科学の学際化・多様化により独自の「得意技」をもった科学者が増えています。○○を推進してくれる科学者と共同研究したい、ある技術のマーケティングに関わる科学者にヒアリングしたい、自社の市場に影響力のある研究者を支援したい、そんなときどうやってお望みの研究者をみつければよいでしょうか。

そんな研究者探索に最適な検索データベースが登場しました。

それが、今回紹介する「JDeam Expert Finder」です。

JDream Expert Finderとは

JDream Expert Finderとは、思いつくキーワードや文章を入力するだけで、多種多様な研究者のなかからその分野の専門家を素早く見つけ出す探索サービスです。

約3800万件の論文と学会発表により研究者を特徴づけ、海外を含む約100万人の科学技術・医学・薬学分野の研究者を収録しています。2019年8月にリリースましたが、これまで、オープンイノベーション推進機構、産連本部、戦略分析部門にて連携パートナー探索や若手研究者発掘に活躍しています。

20203月に新型コロナウイルス蔓延により、このデータベースを無償提供したそうです。その結果、ウイルス検出キットの開発や感染防止対策などの提携先探索に活用されました。

どこが開発している?

株式会社ジー・サーチという会社です。どこだそれ?と思う方もいるかも知れませんが、富士通の子会社であると言ったほうが信頼性は高いのかもしれません。読者の方なら昔紹介した、「コラボリーの運営会社であるといったほうがわかりやすいと思います。そのジー・サーチが運営している日本最大級の科学技術文献情報データベース「JDreamIII」をうまく利用した検索サービスが今回の「JDream Expert Finder」となります。

どうやって研究者を探すのか?

様々な切り口から研究者を探すことができるようです。例えば、

  1. 技術課題 : キーワードでも文章でも問題ないそうです
  2. 有望な研究者探索:キーワードや文章にマッチする有望な研究者のみを探すことができます
  3. 研究者名から探索:ダイレクトに知っている研究者の名前をいれてどのくらい関連しているのか、もしくは大学を限定して検索も可能です
  4. 類似研究者探索:特定の研究者と研究分野が類似する研究者を調査することによって分野の関連性や、よりマッチした研究者をみつけることが可能です。

有望な研究者探索する?

そのなかでも有望な研究者を探索する方法が秀逸です。産学官連携AIプロジェクトである「ライフインテリジェンスコンソーシアム(LINC)」との共同研究成果のたまものであり、論文の各著者が他の著者との関係性において、どの程度中心的であるか(媒介中心性)を解析し、その年次変化から各著者の将来性を予測します。

個人的にはJSTや産学連携の候補を探す部署で検索して、有望研究者としてざっくりと候補をあげていく使い方が想像できます。

データはどのようにでてくるのか?

もちろんその有望な研究者の名前のみがでてくるわけではありません。研究者の研究実績値をソートし、求める研究者リストを絞り込みます。その研究者個々の詳細情報レポートにより、エビデンスを確認できるそうです。

例えば、論文数や、被引用数、研究分野一致度や、論文リスト、人脈マップ、競争的資金獲得実績へのリンクなど、精査するためのデータも簡単にみることができるとのこと。

あなたは検索する側?それとも検索される側

と、概要を紹介しましたが、実際見てみないことにはよくわからないでしょう。読者の皆様はおそらく検索される側が多いのではないかと思います。自分のデータがどのように表示されるのか気になるところですね。検索する側の方は、ぜひ一度試してみてください。まっさらな気持ちで研究者検索することにより、未来のよりよい共同研究者や大型研究推進候補者をみつけることができるかもしれません。

お問い合わせ

株式会社ジー・サーチ

212-0014 神奈川県川崎市幸区大宮町1番地5 JR川崎タワー

ヘルプデスク お問合わせフォームはこちら

gsh-jd-help@cs.jp.fujitsu.com

03-3570-7505

 

関連動画

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 微少試料(1 mg)に含まれる極微量レベル(1 アトグラム)の放…
  2. 高効率・高正確な人工核酸ポリメラーゼの開発
  3. とある化学者の海外研究生活:イギリス編
  4. 芳香族ボロン酸でCatellani反応
  5. マンチニールの不思議な話 ~ウィリアム・ダンピアの記録から~
  6. 酵素の真実!?
  7. 化学と工業
  8. whileの使い方

注目情報

ピックアップ記事

  1. データ駆動型R&D組織の実現に向けた、MIを組織的に定着させる3ステップ
  2. デュアルディスプレイDNAコード化化合物ライブラリーの改良法
  3. トラウベ プリン合成 Traube Purin Synthesis
  4. 次世代医薬とバイオ医療
  5. 中西香爾 Koji Nakanishi
  6. 実験器具・設備の価格を知っておきましょう
  7. 超原子価ヨウ素試薬PIFAで芳香族アミドをヒドロキシ化
  8. 構造生物学
  9. 富士フイルムが医薬事業に本格参入
  10. FAMSO

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2021年8月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

有機合成化学協会誌2024年12月号:パラジウム-ヒドロキシ基含有ホスフィン触媒・元素多様化・縮環型天然物・求電子的シアノ化・オリゴペプチド合成

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年12月号がオンライン公開されています。…

「MI×データ科学」コース ~データ科学・AI・量子技術を利用した材料研究の新潮流~

 開講期間 2025年1月8日(水)、9日(木)、15日(水)、16日(木) 計4日間申込みはこ…

余裕でドラフトに収まるビュッヒ史上最小 ロータリーエバポレーターR-80シリーズ

高性能のロータリーエバポレーターで、効率良く研究を進めたい。けれど設置スペースに限りがあり購入を諦め…

有機ホウ素化合物の「安定性」と「反応性」を両立した新しい鈴木–宮浦クロスカップリング反応の開発

第 635 回のスポットライトリサーチは、広島大学大学院・先進理工系科学研究科 博士…

植物繊維を叩いてアンモニアをつくろう ~メカノケミカル窒素固定新合成法~

Tshozoです。今回また興味深い、農業や資源問題の解決の突破口になり得る窒素固定方法がNatu…

自己実現を模索した50代のキャリア選択。「やりたいこと」が年収を上回った瞬間

50歳前後は、会社員にとってキャリアの大きな節目となります。定年までの道筋を見据えて、現職に留まるべ…

イグノーベル賞2024振り返り

ノーベル賞も発表されており、イグノーベル賞の紹介は今更かもしれませんが紹介記事を作成しました。 …

亜鉛–ヒドリド種を持つ金属–有機構造体による高温での二酸化炭素回収

亜鉛–ヒドリド部位を持つ金属–有機構造体 (metal–organic frameworks; MO…

求人は増えているのになぜ?「転職先が決まらない人」に共通する行動パターンとは?

転職市場が活発に動いている中でも、なかなか転職先が決まらない人がいるのはなぜでしょう…

三脚型トリプチセン超分子足場を用いて一重項分裂を促進する配置へとペンタセンクロモフォアを集合化させることに成功

第634回のスポットライトリサーチは、 東京科学大学 物質理工学院(福島研究室)博士課程後期3年の福…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP