合成反応を行う際、撹拌するならばスターラー、加熱をするならばオイルバスやヒーター、冷却したいならばデュアーバスですね。ただそれを何個も行うとセットアップだけで大変です。電源もそれぞれ必要ですし、場所もとってしまう。
そんなとき活躍するのが合成反応装置。現在様々な合成装置が発売されています。ケムステでも以前1つ紹介いたしました。
今回はそんな合成反応装置の新製品であり、1年前に発売された、ケミストプラザCP-400型について紹介したいと思います。またオンラインデモを行いその様子を収録・編集した動画も合わせて紹介します。
ケミストプラザCP-400型とは
柴田科学が2020年の10月から販売している100mLもしくは200mLの容量に対応した合成反応装置です。実はこの機種以前にもCP-200型という合成反応装置を長らく発売していました。今回はその機種の後継となります。
「CP-200型の良い部分は残しつつ、競合を意識し、より選択性があり、より特注のしやすい形へ進化させる。」というコンセプトともとに改良された製品のようです。
CP-400型の特徴まとめ
この合成装置の特徴をまとめると以下の通り。
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- 4検体個別に温度撹拌の条件を設定できる
- 実験の操作で良くある”撹拌しながら〇℃で〇分間加熱する”を非常に簡単に行える
- 温度設定範囲は―25~200℃ですが、室温近辺からそれ以下に設定する際には、低温循環水槽を冷却カートリッジに接続
- 4ブロックそれぞれに強磁性マグネチックスターラーが内臓されており、撹拌数も個別に設定可能
- 温度と回転数と時間のプログラム運転ができます。9つのプログラムが設定でき、1つのプログラムに9つのステップを入力でき、プログラムを連結させて最大81ステップまで可能
- 両隣の温度差については条件によっても異なりますが、冷却プレートに冷却水を流した状態で約150℃程度まで可能
- ガラスメーカーですので、上部に接続するガラス器具についても色々特注で対応
- またこの機種は要望の多かった通信ソフトを標準でご用意。条件設定やデータの吸出しなどがPCとUSBケーブル(A-Bタイプ)さえあれば、別途記録計などをご用意することなく簡単
- PCとUSBケーブル(A-Bタイプ)さえご用意頂ければ、別途記録計などをご用意することなく簡単。
簡単にいえば、必要最低限の機能をまとめた合成反応装置です。そうはいっても最低限以上の機能は揃っており、プログラム運転やON、OFF機能も標準搭載なのがうれしいところです。上部の反応容器(アルミブロックやガラス容器)はどんなものでも特注対応ができるというのがガラス器具屋さんがつくっている装置であることの利点ですね。個人的には小さい試験管様の反応容器を1つの反応容器に6個ぐらい並べたいのですが、それももちろんアルミブロックを特注すれば可能だということです。いろいろやりたい場合はこの基本パッケージを”改造”していけばよいということになります。
CP-400型の対象企業・アピールポイント
デモのついでに聞いてみましたが、当たり前ですが、化成系の企業様及び大学関係が購入先として多いとのことです。特に加圧タイプは近年大学での利用が多くなっているとのこと。機器以外にアピールしたいこととしては、
- プラント部門、特注設計部門があり、スケールアップの提案まで可能な点
- ガラス器具メーカーなので上部の特注対応も柔軟に行っている点
の2点を強調されていました。
デモ動画をぜひ御覧ください
百聞は一見にしかずですので、ぜひデモ動画を御覧ください。機器の構成から質問まで全てまとめてあるので、これをみればどんな合成装置なのかわかると思います。
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