少し前に化学者のつぶやきからこのような記事が出ました:【ケムステSlackに訊いて見た④】化学系学生の意外な就職先?
こういったキャリアの多様性を担保できるのもケムステSlackのいいところだなと思うと同時に,やはりキャリアに対する漠然とした不安を抱いている人も少なくないのだと実感しました.修士を出たら企業就職,博士を出たらアカデミアに行くというのが(多くはありますが)決して定まった進路というわけではありません.この記事が進路に迷う人たちにとって,自分の進路を見つめ直す良いきっかけになれば幸いです.
しかし文面からのみ伝わってくる情報には限りがあります.ケムステでキャリアフォーラムのようなイベントでも開催できたら面白いのかもしれませんが,今回はVシンポというリアルタイム性のある既存のプラットフォームで,アントレプレナーシップに焦点を絞ったVシンポを開催しようと思います.
第16回マテインフォのVシンポでご講演いただいた入江先生をはじめ,最近は化学者にとっても起業やベンチャー企業への就職はより一般的なものになってきています.その様子はたびたびケムステ仕事タグのついた記事にも見られますが,そもそもそういったキャリアの選択肢があることを知らない,詳しく知りたいけど聞ける人が身の回りにいないという状況にある人も多いかもしれません.
第19回Vシンポは,ベンチャー企業,ベンチャーキャピタル(VC),小料理屋(?!)で活躍される三人をお迎えし,化学者としてのバックグラウンドを武器にビジネスで新分野を切り開く様を講演していただきます.講演いただく御三方は企業所属のため,動画の後日アーカイブがほぼありませんのでお見逃しのないよう登録願います.また,今回は講演会後の座談会(要別途登録)も企画しております.キャリアの選択に悩んでいる方やアントレプレナーシップについてより知見を深めたい方はこの機会に進路相談をしてみてはいかがでしょう?
実施概要
第19回ケムステVシンポジウム「化学者だって起業するっつーの」
日時:2021年7月15日(木)午後6:00〜8:00
会場:オンライン(講演者はZoom使用・ YouTubeライブの限定URL配信(URLは開催前日および直前に配布)
定員:先着 2000名(途中参加・途中退出自由)
言語:日本語講演者:(敬称略)
藤間 達哉(Green Earth Institute株式会社・研究員)「渡米・大学・ベンチャー~全合成から発酵へ~」
宮崎 勇典(ANRI)「米国大学院の博士後のキャリア(仮)」
赤間 勉(株式会社A-POT)「米国バイオテックスタートアップケーススタディ」主催:Chem-Station
協賛:東京化成工業株式会社・メルク株式会社・島津製作所ファシリテーター:苅田譲(MITポスドク•Chem-Stationスタッフ)
モデレーター:寄立麻琴(九大助教•Chem-Stationスタッフ),白瀧千夏子(Chem-Stationスタッフ),安田大輔 (慶應大特任講師•Chem-Stationスタッフ),溝口玄樹(岡山大准教授•Chem-Stationスタッフ)
参加登録:Connpassイベントページで行ってください・開始15分前まで受付 (利用ガイドはこちら)参加費:無料
Twitterハッシュタグ:#ケムステVシンポ #化学者だって起業するっつーの*講演会後20:00 – 21:30で、希望者に対して人数限定で講演者の皆様との座談会のイベントも用意しています.Connpass上で別イベントとしてページを作成しましたので,抽選希望者は別途こちらから応募してください.
協賛企業からのお知らせ
[形式等、留意事項]・講演者方のスライドをZoomで画面共有し,YouTube Liveで配信する形式で講演を行っていただきます.
・質疑応答はYouTubeのチャットで行います.時間的制約があるので全ての質問は拾えませんが,ケムステスタッフがモデレータとして講演者に講演後に伝えていく形で執り行っていきます.
今回ご講演いただく方々は世界の化学者データベース記事がありませんので以下の情報を以って紹介記事にかえさせていただきます(敬称略).
藤間 達哉(Green Earth Institute株式会社・研究員)
2012年に福山研(東大薬)で博士号取得後,StandordのJustin Du Bois研究室でポスドクをされました.これまで合成に成功した天然物はEcteinascidin, Tetrodotoxin, Haliclonin, batrachotoxinなど,名前を聞けば構造が頭に浮かぶような超有名複雑天然物ばかりです.現在研究をされているGreen Earth Instituteはグリーン化学品やバイオマス燃料の開発、事業化を行なっているベンチャー企業で,今年の2月にはバイオジェット燃料を実際の航空機燃料に応用することに成功しました.ゴリゴリの天然物全合成のバックグラウンドからバイオマスベンチャーの第一線技術者という珍しい分野横断についてお話を伺います.
宮崎 勇典(ANRI)
一度は東大建築学科に進むも,サイエンスを求め薬学部へと移られた変わった経歴をお持ちです.薬学部を卒業され,スタンフォード大学Thomas Wandless研究室にて生物科学の博士号を取得されました.その後Nikonアメリカ法人にて技術発掘・新規事業開発・海外企業との事業提携に従事され,ボストンコンサルティンググループでヘルスケアの新規事業に携わるなど,ビジネス開発へと専門を発展されました.現在はVC ANRIにてシード期技術系スタートアップへの投資を行っておられます.化学のバックグラウンドがあるからこそ他の科学者を支援できる,そんなVCという仕事の実態についてご講演いただきます.
赤間勉(株式会社A-POT)
1989年東北大学工学部で修士号を取得され,同年協和発酵工業に入社し,新規抗癌剤の合成研究をされました.1998年に新潟大学自然科学研究科で博士を取得後,2001年にアメリカへ渡りGeron Corporation社へ入社.テロメラーゼ関連医薬の合成研究を行い,2003年にはAnacor Pharmaceuticals社へ籍を移されました.そこでTavaborole,Crisaboroleというホウ素用いた非常に珍しい薬を開発し,会社が2016年にPfizer社から$5.2Bで買収されるという,創薬ベンチャー大団円を達成した稀有な方です.ブログや書籍で当時の様子を詳細に記されておりますので是非ご覧ください.現在は趣味が高じて東京神田にレストランA-POT(要予約)を開業されています.
お願い:本Vシンポは協賛企業の支援を受けて完全無料で運営しています。ぜひ協賛企業のお知らせを御覧ください。
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東京化成工業は,「試薬を通じて社会貢献する」を企業理念に,グローバルビジネスを展開する試薬メーカーです。科学技術の進歩に対応し,皆様のニーズに対応するため,日々新たな製品の開発に取り組んでいます。弊社パンフレットを以下リンク先でpdfファイルとしてご提供しています。こちらからダウンロードしてご利用ください。
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