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岩谷産業がセシウム化合物を取り扱っている?

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岩谷産業といったらなにを思い浮かべますか? 最近はIHクッキングヒーターの興隆により、あまりピンとこない人がいるのかもしれません。

ちょっと昔までならば岩谷産業といえば、コレ。

そうカセットコンロのガスボンベですね。もちろん今でも現役ですしちゃんと売っています。

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ガスの会社!というイメージしかなかった岩谷産業ですが、もちろんガスは主要製品の1つであるものの、扱っているものはガス&エネルギーということで、地球の有用資源にもかなり力を入れているようです。

話を元に戻すと、タイトルにあるように、岩谷産業最近なんとセシウム化合物にかなり力を入れているということ。詳しくは以下の説明をご覧あれ。

【岩谷産業】希少資源・セシウム化合物を安定調達、用途開発にも注力

岩谷産業では、基幹事業であるエネルギー・産業ガス事業に続く事業として、マテリアルビジネスを展開している。なかでも、近年注目を集めているのがセシウム化合物で、岩谷産業では、日本国内におけるメインサプライヤーの地位を目指している。

セシウム化合物は、一般的にはあまり馴染みのない、ややニッチな原料ではあるが、「石油化学」「医療」「環境」等の分野ではなくてはならない原料であり、需要は増加傾向にある。

取扱のあるセシウム化合物一覧(クレジット:岩谷産業)

 

一方、その原料鉱石は全世界で見ても極めて偏在しており、良質なセシウム鉱石として知られる「ポルサイト」が商業生産されているのはカナダ、オーストラリアとジンバブエの鉱山のみである。にもかかわらず、ジンバブエの鉱山では、近年になって良質なポルサイトの生産が大幅に減少しており、今後の安定供給に懸念が生じている。

足元ではセシウム化合物の安定供給に対する不安が高まっているが、岩谷産業が供給ソースとする江西東鵬新材料有限公司(中国)は、自社グループの鉱山として、カナダ、オーストラリアのポルサイト鉱山を確保している。また、独自技術により中国国内鉱石(埋蔵量は100年以上)からもセシウム化合物を生産することを可能とし、中長期的に見ても、万全の体制を構築している。

近年では日本国内のシェアも高まっている状況にあるが、岩谷産業では、従来用途向けの安定供給に加え、新規用途の開発にも注力しており、日本の大学や研究機関などにも少量サンプルの提供などで、積極的に協力していきたい考え。

【用途例】

1)従来用途例

①樹脂原料合成用触媒/②X線シンチレーター(ヨウ化セシウム)/③医薬原薬合成時の塩基

/④フラックス(フッ化セシウムアルミニウム)/⑤フッ化剤(フッ化セシウム)

2)新用途例

①ペロブスカイト型太陽電池(ヨウ化セシウム)/②遮熱塗料/③量子ドット蛍光体/

④DNA分離試薬/⑤アンモ酸化触媒/⑥光触媒

炭酸セシウム

というわけで、岩谷産業のセシウム化合物を紹介しました。筆者の研究室(有機合成化学)ではセシウム化合物といえば、炭酸セシウムをよく塩基として用いています。炭酸カリウムに比べて溶媒にも溶けやすく、他の炭酸塩とは異なる挙動を示すことが多いので、よく使われます。今回、岩谷産業様からご連絡をいただきまして、実験室レベルですがご供与いただき、その炭酸セシウムが非常に良かったので、お伝えしました。この場を借りて岩谷産業様に御礼申し上げます。

【お問い合わせ先】

岩谷産業株式会社 資源・新素材部 大阪新素材課

TEL:06-7637-3110 FAX:06-7637-3105

 

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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