[スポンサーリンク]

ケムステVシンポ

ケムステVシンポ「最先端有機化学」開催報告(後編)

[スポンサーリンク]

動画を編集し公開しました(5月25日)。講演動画はこちら(ケムステチャンネルへの登録をよろしくお願いいたします)。

#ケムステVシンポ#最先端有機化学」の開催報告(後編)では、参加者アンケートの集計結果を公開します(前編はこちら)。

アンケートの取得法

参加者が回答する負担が少なく、運営側の集計手間が少ないのであれば、どんな方法を使っても良いと思います。今回は以下の二つを使用しました。

  • Connpassアンケート機能による入口アンケート(有効回答数 2740)
  • Googleフォームによる開催後アンケート(有効回答数 735)

前者は参加登録プロセスに紐付けているので、取りはぐれないことが利点です。項目が多いと参加登録自体にハードルが上がってしまうので、チェックボックス1問だけにしておきました。

シンポジウム終了後は、Googleフォームで作成したアンケートURLを、Connpassの配信システムで参加者全員に送信しました。質問事項をかなり柔軟に加工でき、集計も容易であることが利点です。この手のアンケートとしては、かなり回収率良好だったと思います。皆さん丁寧に書いていただき、運営一同、感謝申し上げます。

アンケート・統計解析の結果

参加登録数の推移

赤グラフが参加申込数なのですが、見ての通り、土日祝にはやや勢いが落ちます。ケムステを見ている人が減るためでしょう。

またご覧の通り、前日・当日だけで700人近く(全数の1/4)も登録数が増えました。普通のリアルシンポジウムだと前日までオープンにせず早々に締め切るところなのでしょうが、意外と機会損失が多いという話かも知れませんね。

今回のオンラインシンポでも、正直運営泣かせとは感じましたが、参加登録を15分前までオープンにしてギリギリまで登録者を拾い、Connpassの一斉メッセージ送信機能を使い、開催前日・開催10分前の2回、URLを配信するという対応によって、参加登録者全員のケアを行いました。

参加登録数を最大限増やすという点では、結果的にこれが正解だったと思います。

Vシンポをどこで知ったのか(複数回答可)
  • Chem-Station会告記事:1243(45%)
  • Facebook:94(3%)
  • Twitter:659(24%)
  • ケムステSlack:131(5%)
  • 友人・知人:918(34%)
  • その他:158(6%)

見ての通り、「友人・知人」経路の多さが際立っています。完全オンラインのみの告知にもかかわらず、これは極めて興味深い事実でしょう。「ケムステSlack」もユーザ数の割に貢献している印象です。一方で「Facebook」が意外と少ないことがうかがえます。

後述しますが、参加者の多くは20代という事実があります。Facebookのメインユーザ層と異なるコミュニティで過ごす方々が大半となれば、こうなるのも不思議ではないのでしょう。

性別

男性が8割です。有機化学に取り組む人材構成の個人的イメージとも合致します。個人的にはもっと女性が増え、多様性の豊かな研究コミュニティーになって欲しいと思っています(笑)

年齢

20代が圧倒的で、次いで30代、40代と続きます。構成人数の多さもそうですが、デジタルへの抵抗の低さが如実に表れた形と言えるかも知れません。

職業

年齢層からも想像できますが、大学生・大学院生(修士・博士)で半数を占めています。他には大学教員・化学系企業の方が多くを占めます。概ね想像通りといえるでしょうか。

シンポジウムを聴講した理由(複数回答可)

1. 外出制限中で時間があったから
2. 発表内容に興味があったから
3. オンラインシンポジウムを体験してみたかったから
4. 知人に誘われたから
5. 学校や大学、職場で薦められたから

回答2が圧倒的に多く、やはりスピーカーの力を感じます。あとは時間的ゆとりや、やることの少ないなかでの目新しさという要素も大きかったのかも知れません。

シンポジウムの満足度調査

概ね高評価をいただけているようで、ホッとしております。

改善要素と思えた点は、開催時間(午後5時~)の設定でしょうか。今回は全く初めての試みだったことと、学生をメイン対象にしたかったこともあり、授業時間を外して設定しました。予想してはいたものの長引いてしまい、夕食時間に被ってしまうハメに。子育て世代にも辛い点があったようです。とはいえ一方で代替案の希望はかなりバラバラで、聴衆全員が満足する設定が難しいことも分かりました。いろいろと試行錯誤・多様性のある会合林立が必要な点だとも思えます。1回の講演人数を少なくし、トイレ休憩などを挟む方が良さそうであることもアンケートからは読み取れました。次回に改善に努めたいと思います。

今後もケムステVシンポを聴講したいか

前例のない初回開催、しかも2700人という大規模開催にもかかわらず、この上ない高評価を受けたことは、スタッフ一同望外の喜びです。なかにはスタッフとして参加してみたいと言ってくれる人もおり、有難い限りです。シンポジウムに限らず、ケムステでは随時スタッフを募集しておりますので、こちらの記事を一読のうえお申し込みください。

YouTubeチャンネルについて

ケムステーション YouTubeチャンネルでは、今後ともシンポジウム動画などを適宜公開していく予定です。チャンネル登録をよろしくお願いいたします!

(08.05.2020 一部修正)

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. テストには書けない? カルボキシル化反応の話
  2. 水晶振動子マイクロバランス(QCM)とは~表面分析・生化学研究の…
  3. マテリアルズ・インフォマティクス解体新書:ビジネスリーダーのため…
  4. 【大阪開催2月26日】 「化学系学生のための企業研究セミナー」
  5. 有機合成化学総合講演会@静岡県立大
  6. 第47回ケムステVシンポ「マイクロフローケミストリー」を開催しま…
  7. 触媒のチカラで拓く位置選択的シクロプロパン合成
  8. 「話すのが得意」でも面接が通らない人の特徴

注目情報

ピックアップ記事

  1. 2021年、ムーアの法則が崩れる?
  2. ロルフ・ヒュスゲン Rolf Huisgen
  3. 日本科学未来館
  4. 高専の化学科ってどんなところ? -その 1-
  5. 高専の化学科ってどんなところ? -その 2-
  6. プロトン共役電子移動を用いた半導体キャリア密度の精密制御
  7. 文献検索サイトをもっと便利に:X-MOLをレビュー
  8. 石油化学プラントの設備内部でドローンを飛行する実証事業を実施
  9. うっかりドーピングの化学 -禁止薬物と該当医薬品-
  10. タルセバ、すい臓がんではリスクが利点を上回る可能性 =FDA

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2020年5月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

最新記事

MEDCHEM NEWS 34-1 号「創薬を支える計測・検出技術の最前線」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

医薬品設計における三次元性指標(Fsp³)の再評価

近年、医薬品開発において候補分子の三次元構造が注目されてきました。特に、2009年に発表された論文「…

AI分子生成の導入と基本手法の紹介

本記事では、AIや情報技術を用いた分子生成技術の有機分子設計における有用性や代表的手法について解説し…

第53回ケムステVシンポ「化学×イノベーション -女性研究者が拓く未来-」を開催します!

第53回ケムステVシンポの会告です!今回のVシンポは、若手女性研究者のコミュニティと起業支援…

Nature誌が発表!!2025年注目の7つの技術!!

こんにちは,熊葛です.毎年この時期にはNature誌で,その年注目の7つの技術について取り上げられま…

塩野義製薬:COVID-19治療薬”Ensitrelvir”の超特急製造開発秘話

新型コロナウイルス感染症は2023年5月に5類移行となり、昨年はこれまでの生活が…

コバルト触媒による多様な低分子骨格の構築を実現 –医薬品合成などへの応用に期待–

第 642回のスポットライトリサーチは、武蔵野大学薬学部薬化学研究室・講師の 重…

ヘム鉄を配位するシステイン残基を持たないシトクロムP450!?中には21番目のアミノ酸として知られるセレノシステインへと変異されているP450も発見!

こんにちは,熊葛です.今回は,一般的なP450で保存されているヘム鉄を配位するシステイン残基に,異な…

有機化学とタンパク質工学の知恵を駆使して、カリウムイオンが細胞内で赤く煌めくようにする

第 641 回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院理学系研究科化学専攻 生…

CO2 の排出はどのように削減できるか?【その1: CO2 の排出源について】

大気中の二酸化炭素を減らす取り組みとして、二酸化炭素回収·貯留 (CCS; Carbon dioxi…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー