緊急事態宣言からしばらくたち、在宅研究/学習に勤しんでいる化学徒に朗報です。世界唯一?の化学小説シリーズ「化学探偵Mr.キュリー」の新巻が発売になるそうです。
お仕事/お勉強の合間にぜひいかがでしょうか。もちろん化学に関係ない、化学がわからない人でも楽しめる内容になっています。
今回も、著者である喜多喜久さんにご挨拶と内容のご紹介を依頼しました。それではどうぞ。
著者からご挨拶
「化学者のつぶやき」をご覧の皆様。お世話になっております。喜多喜久です。
2013年から続く例のシリーズの新作が出ることになりましたので、いつものように紹介記事を投稿させていただきます。
新刊のタイトルは、「化学探偵Mr.キュリー9」です。(中央公論新社・4/22刊行)
[amazonjs asin=”B0874PLH9D” locale=”JP” title=”化学探偵Mr.キュリー9 (中公文庫)”]今作もこれまでと同じように、五話構成の連作短編となっております。
「あれ、8巻を出したっけ?」と首をかしげるくらい、あっという間に一年が過ぎ去ったように感じます。時間が経つのは早いです。作中の設定では未だに2015年なのですが……(笑)
[amazonjs asin=”4122067456″ locale=”JP” title=”化学探偵Mr.キュリー8 (中公文庫)”]ということで、簡単にあらすじを紹介いたします。
作品のあらすじ
- 第一話:化学探偵と赦されざる善意
舞衣が勤める四宮大学で新年度がスタートする。忙しい日々を送る中で、新入生が飲酒トラブルを起こし、マンションの植え込みに嘔吐したという通報が。真偽を確かめようと調査を進めた結果、他の大学の学生と判明する。しかし、嘔吐の原因は分からず。そんな中、今度は学食で食中毒騒ぎが起こり……。
- 第二話:化学探偵と金縛りの恐怖
四宮大学のキャンパス内で、研究室から出たゴミが荒らされるという事件が続発する。犯人を見つけようと奮闘する舞衣。そんな時、舞衣が担当する「なんでも相談窓口」に、女子学生が相談にやってくる。彼女は金縛りに悩まされているのだという。
- 第三話:化学探偵とフィクションの罠
舞衣の友人、美間坂剣也が主役を務めるミステリードラマの企画が持ち上がる。化学トリックの監修を沖野が担当することになり、覚醒剤に関するネタを提案する。無事に作品が完成し、舞衣は沖野と共に試写を見る。ところが、その最中に思いがけない連絡が……。
- 第四話:化学探偵と後悔と選択
季節は六月。梅雨のじめじめした日が続く中、「なんでも相談窓口」に沖野がやってくる。指導している学生の様子がおかしいので、悩み事がないか聞き出してほしいという依頼。さっそく当人から話を聞いてみると、妹のことで悩んでいるのだという。そこで、同じ四宮大に通っているその妹から話を聞くことに……。
- 第五話:化学探偵と夢見る彼女
四宮市を中心に活動する、インカレボランティアサークルが雑誌の取材を受けることに。そのサークルでは一人暮らしの高齢者の自宅を訪ね、掃除や食事の世話をしている。立派な活動だと舞衣は感心するが、彼らと関わった高齢者が喘息の発作を起こしたことが判明し……。
あらすじは以上になります。
次はいよいよ10巻目
シリーズの開始から七年が経ち、次はいよいよ10巻目を迎えることになりました。
キャラクターも増え、書きたいことが新たに出てきました。以前は漠然と、「12巻くらいで終わりかな~」と考えていましたが、今はもう少し続けたいと思っています。
化学ネタを考えるのが少しずつ難しくなってきていますが、掘り下げていけば面白いものはまだまだ見つかると思います。ちなみに次は長編を企画しています。節目の巻にふさわしい、スケールの大きな物語にしたいともくろんでいます。
大変な毎日が続いていますが、日々のストレスを忘れ、物語の世界に没頭できるようなエンターテインメントをお届けできればと思っています。
ということで、今後ともご愛顧のほどよろしくお願いいたします!
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