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ケムステ版・ノーベル化学賞候補者リスト【2019年版】

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各媒体からかき集めた情報を元に、「未来にノーベル化学賞の受賞確率がある、存命化学者」をリストアップしています。

仕分けは学問分野ごとです。学際的な仕事は独断と偏見で分類しています。

ノーベル賞予想の参考資料としてご活用ください。※本リストの最終更新日は2019年9月25日です。

【追記10/9】2019年のノーベル化学賞はリチウムイオン二次電池に関する先駆的研究とその開発: John B. Goodenough (ジョン・グッドイナフ)、M, Stanley Whittingham (スタンリー・ウィッティンガム)、Akira Yoshino (吉野 彰)の3名に授与されました!おめでとうございます!

【有機化学】

  1. エナミン型有機不斉触媒反応の発展: Benjamin List (ベンジャミン・リスト)、David W. C. MacMillan(デヴィッド・マクミラン)
  2. 複雑有機物と天然物合成に関する研究: K. C. Nicolaou(キリアコス・コスタ・ニコラウ)、Samuel J. Danishefsky (サミュエル・ダニシェフスキー)、Steven V. Ley(スティーブン・レイ)、Yoshito Kishi(岸義人)、David A. Evans(デヴィッド・エヴァンス)
  3. ケミカルバイオロジーおよび化学遺伝学の発展: Stuart L. Schreiber (スチュアート・シュライバー)、Peter G. Schultz (ピーター・シュルツ)、Gerald Crabtree(ゲラルド・クラブトリー)
  4. 生物有機化学・生体模倣化学への貢献: Albert Eschenmoser(アルバート・エッシェンモーザー)
  5. クリックケミストリーの提唱と応用:K. Barry Sharpless (バリー・シャープレス)、M.G.Finn (M.G.フィン)、Varely V. Fokin (ヴァレリー・フォキン)、Rolf Huisgen(ロルフ・ヒュスゲン), Morten P. Meldal(モルテン・メルダール)、Carolyn R. Bertozzi(キャロライン・ベルトッツィ)
  6. C-H活性化触媒の先駆的研究: Shinji Murai (村井眞二)、Robert G. Bergmann(ロバート・バーグマン)、John E. Bercow(ジョン・バーコウ)、Georgiy B. Shul‘pin(ジョージ・シュルピン)
  7. 安定カルベンの化学:Anthony J. Arduengo, III(アンソニー・アルジュンゴ)、Guy Bertrand(ギー・ベルトラン)
  8. 炭素-炭素結合形成型不斉触媒の開発と医薬合成への展開:Masakatsu Shibasaki(柴崎 正勝)、Barry M. Trost(バリー・トロスト)、Eric N. Jacobsen(エリック・ジェイコブセン)
  9. 光レドックス触媒の精密合成への応用: David W. C. MacMillan(デヴィッド・マクミラン)、Shunichi Fukuzumi(福住俊一)
  10. 不斉自己触媒反応の開発とホモキラリティの起源への示唆:Kenso Soai (硤合憲三)
  11. 多糖合成法への貢献:Chi-Huey Wong (翁啓恵)
  12. 自動DNA合成法の開発:Marvin H. Caruthers(マーヴィン・カルサーズ)、 Leroy Hood (リロイ・フッド)、Michael W. Hunkapillar (マイケル・ヒュンカピラ)

【無機化学】

  1. 生物無機化学への貢献: Harry B. Gray (ハリー・グレイ)、Stephen J. Lippard (スティーブン・リパード)、Richard H. Holm (リチャード・ホルム)
  2. 金ナノ粒子の触媒効果の発見: Masatake Haruta (春田 正毅)
  3. コロイド状半導体ナノ結晶(量子ドット)の発見: Louis E. Brus(ルイ・ブラス)
  4. 不均一系触媒に関する基礎的研究: Jens K. Nørskov(ジェンス・ノルスコフ)

【分析化学】

  1. レーザー化学・分光学による単一分子分光法の開発: Richard N. Zare (リチャード・ゼア) 、Michel Orrit (ミシェル・オーリット)
  2. 走査型電気化学顕微鏡の開発と応用:  Allen J. Bard (アラン・バード)
  3. 固体NMRを用いる生体現象解析への貢献:Ad Bax(アド・バックス)、Alexander Pines (アレクサンダー・パインス)
  4. X線結晶構造解析における標準ソフトウェアの開発:George M. Sheldrick(ジョージ・シェルドリク)、Anthony L. Spek(アンソニー・スペック)
  5. 二光子励起顕微鏡の開発: Watt W. Webb(ワット・ウェブ)、 Winfried Denk(ウィンフリード・デンク)、 James Strickler(ジェームス・ストリクラー)
  6. 次世代DNAシーケンサーの開発: Shankar Balasubramanian(シャンカー・バラスブラマニアン)、David Klenerman(デヴィッド・クレネマン)
  7. DNAマイクロアレイの発明と応用: Patrick O. Brown (パトリック・ブラウン)
  8. DNAフィンガープリンティング/各種ブロッティング法の開発 : Alec J. Jeffreys (アレク・ジェフリース)、W. Neal Burnette (ニール・バーネット)、George Stark (ジョージ・スターク)、Edwin M. Southern (エドウィン・サザン)
  9. 無細胞胎児DNAの検出による出生前診断法の確立: Dennis Yuk-ming Lo (盧 煜明)
  10. 単一分子の電子顕微鏡像の撮影:Eiichi Nakamura (中村 栄一), Leo Gross(レオ・グロス)
  11. ナノポアDNAシーケンサー技術の開発:John J. Kasianowicz (ジョン・カシアノヴィッツ)
  12. ゲノム解析に関する技術開発: J. Craig Venter (クレイグ・ヴェンター)、George M. Church (ジョージ・チャーチ)、 Francis Collins(フランシス・コリンス), Eric S. Lander(エリック・ランダー)

【生化学・構造生物学】

  1. 核内受容体を介したホルモン作用の分子基盤の解明: Ronald M. Evans (ロナルド・エバンス)、Pierre Chambon (ピエール・シャンボン)、Bert W. O’malley (バート・オマリー)
  2. 真核生物のRNAポリメラーゼの同定: Robert G. Roeder (ロバート・レーダー)
  3. エピジェネティクス過程に関する研究:  Howard Ceder(ハワード・シダー)、Charles David Allis(デヴィッド・アリス)、Adrian P. Bird(エイドリアン・バード)、Aharon Razin(アーロン・ラチン)、Micheal Grunstein (マイケル・グルンスタイン)
  4. 分子シャペロンとタンパク質折りたたみに関する研究 : Arthur L. Horwich (アーサー・ホーウィッチ)、Franz-Ulrich Hartl (フランツ=ウルリッヒ・ハートル)、 R. John Ellis(ジョン・エリス)
  5. 光遺伝学の樹立:Karl Deisseroth(カール・ダイセロス)、Edward Boyden(エドワード・ボイデン)
  6. マイクロRNAの生理化学:Victor R. Ambros (ヴィクター・アンブロス)
  7. 変異原性バイオアッセイの考案:Bruce N. Ames(ブルース・エイムス)
  8. ガン遺伝子に関する研究: Robert Weinberg(ロバート・ワインバーグ)、Bert Vogelstein (バート・フォーゲルスタイン)
  9. ゲノム編集技術CRISPR/Cas9の開発: Jennifer A. Doudna(ジェニファー・ダウドナ)、 Emmanuel Charpentier(エマニュエル・シャルパンティエ)、Feng Zhang(フェン・チャン)、Yoshizumi Ishino(石野 良純)、George M. Church (ジョージ・チャーチ)、Virginijus Šikšnys(ヴィルジニュス・シクシュニス)
  10. 細胞内異常タンパク質応答の発見: Peter Walter(ピーター・ウォルター)、 Kazutoshi Mori(森 和俊)
  11. 生物分子モーターに関する研究: Ronald Vale(ロナルド・ヴェール), Michael Sheetz(マイケル・シェーツ), James Spudich(ジェームス・スプーディク)
  12. 糖鎖生物学・化学糖鎖生物学の提唱: Raymond  A. Dwek(レイモンド・ドウェク)、Carolyn R. Bertozzi(キャロライン・ベルトッツィ)
  13. 光合成系巨大タンパク複合体の構造解析: Nathan Nelson (ネイサン・ネルソン)、Nobuo Kamiya (神谷信夫)、Jian-Ren Shen(沈建仁)
  14. 酵素相互作用・駆動機構に関する研究:JoAnne Stubbe(ジョアン・スタビー)
  15. 遺伝子生化学ネットワークに関する研究:Stanislas Leibler(スタニスラス・ライブラー)
  16. 細胞内のシグナル伝達にかかわる新しい脂質の発見:Lewis C. Cantley(ルイス・カントレー)

【物理化学】

  1. DNA内の電子電荷移動に関する先駆的研究: Jacqueline K. Barton(ジャクリン・バートン)、Bernd Giese(ベルント・ギース)、Gary B. Schuster(ギャリー・シュスター)
  2. プロトン共役型電子移動(PCET)過程の研究: Thomas J. Mayer(トーマス・メイヤー)
  3. 分子エレクトロニクスに関する研究:James M. Tour(ジェームス・ツアー)

【超分子/高分子化学】

  1. 原子移動ラジカル重合法の開発: Krzysztof Matyjaszewski(クリストフ・マテャシェフスキー)、Mitsuo Sawamoto (澤本 光男)
  2. RAFT重合法の開発:Graeme Moad(グラーメ・モード)、Ezio Rizzardo(エチオ・リザード)、San H. Thang(サン・タン)
  3. 金属を用いる均一系重合触媒の開発: Tobin J. Marks (トビン・マークス), Walter Kaminsky(ウォルター・カミンスキー), Maurice S. Brookhart (モーリス・ブルックハート)
  4. 高分子合成用不斉触媒の開発: Kyoko Nozaki (野崎 京子)
  5. デンドリマーの発明と応用: Jean M. J. Frechet (ジャン・フレシェ)、 Donald A. Tomalia(ドナルド・トマリア)、 Takuzo Aida (相田卓三)
  6. DNAナノテクノロジーの開拓: Nadrian C. Seeman(ネイドリアン・シーマン)、Paul W. K. Rothemund(ポール・ロゼムンド)

【材料化学】

  1. 多孔性金属-有機構造体(MOF)の合成法および機能開拓: Susumu Kitagawa (北川 進)、Omar M. Yaghi (オマー・ヤギー)、Michael O’Keeffe (マイケル・オキーフィ)、Makoto Fujita(藤田 誠)
  2. メソポーラス無機材料の合成および機能開拓: Charles T. Kresge (チャールズ・クリスギ)、Ryong Ryoo(ユ・リョン)、Galen D. Stucky (ガレン・スタッキー) 、Shinji Inagaki (稲垣伸二)、Kazuyuki Kuroda(黒田一幸)
  3. ナノワイヤー、ナノ粒子などの材料とその応用: Charles M. Lieber (チャールズ・リーバー )、A. Paul Alivisatos(ポール・アリヴィサトス)
  4. カーボンナノチューブの発見: Sumio Iijima (飯島 澄男)、Morinobu Endo (遠藤 守信)
  5. 有機エレクトロルミネッセンス材料の開発: Ching W. Tang (鄧 青雲)、Steven Van Slyke (スティーブン・ヴァン・スライク)
  6. 有機磁性材料に関する先駆的研究:Hiizu Iwamura(岩村 秀)
  7. 超伝導体材料の開発:Hideo Hosono (細野 秀雄)、Yoshinori Tokura(十倉 好紀)
  8. ネオジム磁石の開発:Masato Sagawa (佐川眞人)

【エネルギー化学】

  1. 色素増感太陽電池「グレッツェルセル」の発明: Michael Gratzel(マイケル・グレッツェル)
  2. 水の光分解触媒の発見: Akira Fujishima (藤嶋 昭)
  3. リチウムイオン二次電池に関する先駆的研究とその開発: John B. Goodenough (ジョン・グッドイナフ)、M, Stanley Whittingham (スタンリー・ウィッティンガム)、Akira Yoshino (吉野 彰)、Koichi Mizushima (水島 公一)
  4. フラストレイティド・ルイスペア化学の開拓:Douglas W. Stephan(ダグラス・ステファン)
  5. ペロブスカイト型太陽電池の開発と応用: Tsutomu Miyasaka (宮坂 力), Nam-Gyu Park(ナム=ギュ・パク), Henry J. Snaith(ヘンリー・スネイス)

【医薬化学】

  1. 高脂血症薬・スタチンの発見: Akira Endo (遠藤 章)
  2. 組織工学の提唱・実用的ドラッグデリバリーシステムの開発: Robert S. Langer (ロバート・ランガー)、Joseph Vacanti (ジョセフ・ヴァカンティ)
  3. AIDS治療に対する貢献: Gero Hütter(ゲロ・ヒュッター)、Hiroaki Mitsuya(満屋裕明)
  4. がん組織におけるEPR効果の発見:Hiro Maeda(前田浩)、Yasuhiro Matsumura (松村保広)

【理論・計算化学】

  1. ab initio分子動力学法:Roberto Car(ロベルト・カー), Michele Parrinello (ミシェル・パリネロ)
  2. 計算機によるタンパク機能の設計:David Baker (デイヴィッド・ベイカー)
  3. BLASTプログラムの開発:Stephen F. Altschul(ステファン・アルツシュール)、David J. Lipman (デヴィッド・リップマン)
  4. ab initio量子化学計算に関する研究:Henry F. Schaefer, III(ヘンリー・シェーファー三世)
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博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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