さて、ケムステをご覧の皆様ならば、表題の「Reaxys PhD Prize」はご存知だと思います。2010年にエルゼビアが設立、化学分野の博士課程の学生もしくは博士取得後の1年以内の方が対象の国際賞です。非常に簡単に応募できる国際賞であるため、同分野で今後活躍する若手研究者の登竜門としても有名でした。
毎年10%以上がPrizeファイナリストとして選ばれ、ケムステではファイナリストとその研究概要を紹介してきました(関連記事参照)。しかし、実は去年(2018年)の募集がなかったのです。上述した分野の若手研究者にとって大変貴重だったのですが、終了したかに思われました。
が、しかし、本年、2019年は再開されたのです。すでに1月17日から応募が始まっています。聞いた話によると、社内のシステム的な変更でいろいろあり1年間をあけたそうです。締切は3月22日まで。というわけで、腕に覚えのある若手研究者の皆様ぜひ応募してみてください!
Reaxys PhD Prize2019: 募集要項
- 応募資格:博士課程在籍または2018年1月1日以降にPhDを取得、1研究グループから1名限定
- 応募書類:査読誌で発表した代表的な論文一報、指導教官の英文推薦状、CV
- 応募分野:化学分野ならばどの分野でもOK。特に有機化学や無機錯体分野に限るものではありません
- 応募方法:同応募サイトにいき、応募フォームに記入
- 受賞人数:3名
流石に最後の3名にはいるのは難しいですが、応募者の1割前後のファイナリストに入れば、Reaxys Clubというファイナリストの集まりにはいることができます。優秀な化学者の国際的なネットワークをつくることができる(つくれる可能性がある)ので、とってもおすすめです。世界各地でシンポジウムなどを行っており、クラブ会員であると参加補助費もでるようですよ。
Reaxys Prize Club シンポジウム 2019
そして、今回海外では無いですが、日本の日本化学会年会においてもシンポジウム「Reaxys Prize Club Symposium in Japan 2019」を開催するそうです。実は、代表もReaxys Clubはなにも関係ないですが、日本で本賞を普及させた功労者として?、基調講演をいたします。実は今回のシンポジウム、自由に設定させていただきまして、過去のファイナリストのなかから活躍中の3名の有機合成化学者にも講演をお願いいたしました。エルゼビアセッション として「アクセプトされる英語論文の書き方」もあるようです。
もちろん参加費は無料なので、ぜひともご参加ください!
Reaxys Prize Club Symposium in Japan 2019:プログラム概要
プログラム名:Reaxys Prize Club Symposium in Japan 2019
主催: エルゼビア・ジャパン株式会社
日時: 2019年3月18日(月曜日)13:30~16:30
会場: 甲南大学 岡本キャンパス S6会場(5号館2階522教室) アクセス
参加費:無料
講演タイトル | 時間 | 講師 | Abstract |
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開会挨拶 | 13:30 – 13:40 | エルゼビア・ジャパン株式会社 | |
結合切断を起点とした合成反応開発 Making bonds by breaking bonds: An unconventional approach to making molecules |
13:40-14:30 | <講師> 早稲田大学理工学術院教授 山口 潤一郎 先生 |
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Reaxys Prize Clubメンバー講演1 未開拓ケミカルスペースに届く反応を目指して Development of new reaction that reach unexplored chemical space |
14:30-14:55 | <講師> 名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所 特任准教授 村上 慧 先生 |
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Reaxys Prize Clubメンバー講演2 メカノケミストリーが拓く反応開発 Reaction Development by Mechanochemistry |
14:55-15:20 | 北海道大学大学院工学研究院 有機元素化学研究室 (伊藤肇教授) 特任助教 久保田 浩司先生 |
資料 |
Reaxys Prize Clubメンバー講演3 強還元で目指す新しい分子変換 Development of Molecular Transformations Based on Strong Reduction |
15:20-15:45 | 京都大学大学院理学研究科化学専攻 有機化学研究室(依光 研究室) 助教 野木 馨介先生 |
資料 |
エルゼビアセッション アクセプトされる英語論文の書き方 |
15:45-16:25 | エルゼビア・ジャパン株式会社 シニアソリューションコンサルタント 高石 雅人 |
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閉会挨拶 | 16:25-16:30 | エルゼビア・ジャパン株式会社 |
Reaxys PhD Prize過去記事
- Reaxys Prize 2017ファイナリスト発表
- Reaxys PhD Prize 2016ファイナリスト発表!
- Reaxys Ph.D Prize 2014受賞者決定!
- Reaxys Prize 2013ファイナリスト45名発表!
- Reaxys Prize 2012受賞者決定!
- Reaxys Prize 2012ファイナリスト45名発表!
- Reaxys Prize 2011発表!
- Reaxys Prize 2011募集中!
- Reaxys Prize 2010発表!