“英語力を活かしたい、グローバルに活躍してみたい”とは思いながらも現状を打開する方法を見出せず、また新たな一年を迎えてしまったという方は思いのほか多いのではないだろうか。
6年越しで“海外と繋がる仕事がしたい”という夢を叶えた方がいる。
出会いはある外資系メーカーの求人紹介のため、こちらからスカウトした事がきっかけだった。
スカウトに対し、「アプローチの背景をメッセージベースで教えてほしい。アメリカと繋がることができたり、英語を使えたりする仕事であれば個人的には大歓迎だ。」という趣旨の返信をいただき、その後はトントン拍子で話が進み、外資系メーカーの企画職へ転職をされた。
転職から数か月経過し今回、このお客さまから話を聞くことができた。
「結果的に今の道を選んで正解でした。化学の知見は持っていますが、技術者としてだけではなく技術をベースに未経験の仕事に就いて色々な経験をしていることが面白いと思っています。今になってみて、やりたかったことの一つができています。また、ビジネスのフィールドが世界にあるのが楽しいです。」
世界で活躍するためには、語学力の他にいくつかのポイントがある。
「英語を利用したいけれど活路が見いだせない。」「グローバルに活躍したい」とお考えの方のヒントになればと思い、歩みをご紹介させていただく。
自分自身のニーズに気が付くこと
Oさんのプロフィール
大学・大学院(修士課程):有機化学専攻
1社目:石油元売りのセールスエンジニア
2社目:外資系メーカーの企画職
「Ph.D.(博士)を持っていないと、グローバルな化学者としてはやっていけないと思っていました。」と言うOさん。
大学・大学院(修士課程)で有機化学を専攻し、博士課程に進むことも考えていたという。しかし、早く働き始めたいという思いが徐々に強くなり、進学せず大手石油元売りに就職を決めた。
「研究とは世の中のために新しい技術を見つけることだと思っています。
大学での研究は面白かったです。でも教科書上の反応は勉強できるけど、ビジネス・マネタイズというキーワードは出てこなかったのですよね。
ある企業の幹部になったら・・・という講義はありましたが、その程度でした。
研究者になりたかったのですが、せっかく誰かのために開発した製品ならそれをビジネスとして発展させていくことへの興味の方が上回りました。
それで、ビジネスマンになりたいと思ったのです。
工業化したときにどれだけのお金が動くかとか、世界に出たらどうなるかとか、実際に自分が社会に出てみると、興味深いことや勉強すべきことがたくさんありました。」
「研究者」と「ビジネスマン」、もしかすると「研究者兼ビジネスマン」という選択肢もあったのかもしれないが、その中で自身の興味が「ビジネス」である事に気づいたという。
環境を選ぶということ
博士課程ではなく就職を選んだ理由をOさんは語る。
「一社目の会社に入社したのは、変化に追随できる環境だと感じたからです。
就職活動をしている時に、もちろん他も受けていましたが、一番早く内定をくれたのが前職でした。
とても判断が速かったのです。判断が速いのは、時代の変化のスピードを捉えて進化できる風土だからではないかと考えました。入社してみてそれは間違いなくそうでした。
初めて社会人を経験するにはとても良い環境で、ビジネスや数字の規模感など学べたと思っています。」
キャリアパスとして研究の道ではなくビジネスの道を選んだが、「国際的な活躍」への思いも弱まることはなかった。
もともと幼少の頃をアメリカで過ごし、国際的に活躍したいという思いは以前からあった。
1社目の職場環境に大きな不満はなかったが、転職により“ビジネスマンであり国際人”となるべく、それが実現できる環境に身を移したのだ。
専門性を持つことの重要性
転職市場において希望を叶える為には、専門性を持っていることが一つのポイントになる。キャリアとして評価されたのは、英語力とビジネス視点の他に“化学”という専門性であったことだ。
「有機化学のパズル的要素が好きで、化学を勉強していくと元素記号が人間に見えてくるのです。力強さや、優しさや、奪うのが好きとか与えるのが好きとかいう個性、近くにいるのに手を結ばないとか。これが人間と一緒だって思えて。それが好きで化学を志したのです。」
Oさんは学生時代に好きな化学を突き詰めて研究してきた。前職のセールスエンジニアも、転職した企画職も“化学のバックグラウンドがある人材”という求人企業のリクエストに応えられたからこそ就けたといえる。
これまでの経験と努力と、好きなことを突き詰めてきたことが実を結び、ビジネスマンであり、国際人であり、化学人でもあるという、希少性高いキャリアを築いている。
今後については、「当社は外資系メーカーとして世界中に拠点があります。そのなかで日本代表としてタフなネゴシエーションを続けていくことが絶対に必要で、日本拠点の存在感をもっと上げていきたいと考えています。」
尽きない熱い思いを胸に、今後はタフネスという強みにも更に磨きをかけていく。
最後に
「キャリア開発」という言葉がある。ステップを踏むことで希望に近いキャリアパスを描けることがある。Oさんは3つのキャリア“ビジネスマンであり、国際人であり、化学人でもある”ということを転職によって手に入れることができた。
グローバルに活躍するためのキャリアパスには、他にもいくつかの重要なポイントがある。方法はひとつではなく十人十色、そのためには足がかりを見出すことから始まる。
私たちは、全力でそのサポートをしています。
著者
畠山紗衣
LHH転職エージェント(アデコ株式会社)の転職コンサルタント。
現在は理系出身者の転職支援を手掛けるが、主に化学・電気・機械領域、メーカー・商社・プラントエンジニアリング会社を専門領域としている。大学卒業後、人材紹介会社に入社し機械・電気・化学業界全般企業担当コンサルタントとなるも、その後大手金融機関を経て現職。自分自身がキャリアを模索した経験からも求職者の悩みへの理解は深い。
Linkdin:linkedin.com/in/紗衣-畠山-90a212108
LHH転職エージェント(アデコ株式会社)は、中途採用のための転職エージェント。
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化学系技術職においては、研究・開発、評価、分析、プロセスエンジニア、プロダクトマネジメント、製造・生産技術、生産管理、品質管理、工場管理職、設備保全・メンテナンス、セールスエンジニア、技術営業、特許技術者などの求人があります。
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