[スポンサーリンク]

会告

イグ・ノーベル賞の世界展に行ってきました

[スポンサーリンク]

本年のノーベル賞の発表の興奮も冷めやらぬ中、2008年にノーベル化学賞をご受賞された下村脩先生の訃報に接し、心よりご冥福をお祈りいたします。

本家ノーベル賞受賞者も輩出する我が国ではありますが、イグノーベル賞の受賞者も数多くいるというのは誇るべきことではないかと思います。本年もイグノーベル賞(医療教育賞)を日本人が受賞したというニュースがあり、これで12年連続で我が国から受賞者を輩出しております。

さて、1991年に創設され「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に与えられる賞で、本家のノーベル賞よりもひょっとしたら狙って取るのは難しいかもしれないユニークな賞ですが、過去の受賞内容を網羅した展覧会が開催されています。その名も「イグ・ノーベル賞の世界展」です。こちらに筆者が先日潜入してまいりましたので、簡単なレポを上げたいと思います。

場所は東京都の東京ドームにっくきジャイアンツの本拠地)の敷地に面した東京ドームシティーGallery AaMoです。MLBカフェの並びと言った方がわかりやすいかと思います。

入り口は物販のオープンスペースとなっており、関連アイテムは入場者でなくても購入することができます。正直筆者の心を動かすようなアイテムがなかったのが少々残念でした。入場料は高校生以上1400円、小中学生900円となっており、そこそこですね。

さて、早速入り口に入ると歴代の受賞記念杯が展示してあり、毎年趣向を凝らしていることがうかがえます。

2011年化学賞の賞杯は周期表です

内容についてはネタバレになるので詳細は控えますが、全ての受賞研究に関するパネルがあり、非常に勉強になりました。体験できるようなものもありますが、あまり期待しない方がいいかもしれません。子供さんには辛いかも。筆者はその特性上化学賞を重点的に見たのですが、それでも結構なボリュームでした。そう言えば今年のイグノーベル化学賞に関しては外国の方が受賞されておりますが、こちらに解説記事がありますのでご参照ください。

2003年化学賞、廣瀬幸雄先生(金沢大学)の賞状(本物)

受賞内容については知っている方も多いかと思いますが、裏話的なものに関する情報が多彩で、そんな方でも思わずニヤリとしてしまうのではないかと思います。

平日18時までと勤め人には少々厳しい時間設定だったのですが、15日より20時まで(入館は19:30まで)となったので、少しは行きやすくなったと思います。お時間のある方は是非この機会に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。11月4日までとなっておりますのでお早めに。(帰りにPUBで飲んだのは内緒です

世界にこんなトガった研究があったなんて!?ぜひあなたの目でお確かめ下さい。(公式HPより)

関連記事および参考サイト

  1. イグノーベル化学賞2018「汚れ洗浄剤としてヒトの唾液はどれほど有効か?
  2. イグ・ノーベル賞の世界展公式HP

関連書籍

[amazonjs asin=”4062813130″ locale=”JP” title=”イグ・ノーベル賞 世にも奇妙な大研究に捧ぐ! (講談社+α文庫)”] [amazonjs asin=”4484082225″ locale=”JP” title=”めざせイグ・ノーベル賞 傾向と対策 「世間を笑わせ、考えさせた」人に与えられる、それがイグ・ノーベル賞。”]
Avatar photo

ペリプラノン

投稿者の記事一覧

有機合成化学が専門。主に天然物化学、ケミカルバイオロジーについて書いていきたいと思います。

関連記事

  1. 反芳香族性を有する拡張型フタロシアニン
  2. 亜鉛挿入反応へのLi塩の効果
  3. 地球温暖化が食物連鎖に影響 – 生態化学量論の視点か…
  4. 微小な前立腺がんを迅速・高感度に蛍光検出する
  5. 可視光レドックス触媒を用いた芳香環へのC-Hアミノ化反応
  6. スイスに留学するならこの奨学金 -Swiss Governmen…
  7. 高分子と高分子の反応も冷やして加速する
  8. アミドをエステルに変化させる触媒

注目情報

ピックアップ記事

  1. 化学の成果で脚光を浴びた小・中・高校生たち
  2. 次世代型合金触媒の電解水素化メカニズムを解明!アルキンからアルケンへの選択的水素化法
  3. 超音波有機合成 Sonication in Organic Synthesis
  4. 二刀流のホスフィン触媒によるアトロプ選択的合成法
  5. ヴィ·ドン Vy M. Dong
  6. 「生合成に基づいた網羅的な天然物全合成」—カリフォルニア大学バークレー校・Sarpong研より
  7. 製薬各社 2010年度 第3四半期決算を発表
  8. “秒”で分析 をあたりまえに―利便性が高まるSFC
  9. 和製マスコミの科学報道へ不平不満が絶えないのはなぜか
  10. Handbook of Reagents for Organic Synthesis: Reagents for Heteroarene Functionalization

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2018年10月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

注目情報

最新記事

第18回 Student Grant Award 募集のご案内

公益社団法人 新化学技術推進協会 グリーン・サステイナブルケミストリーネットワーク会議(略称:JAC…

杉安和憲 SUGIYASU Kazunori

杉安和憲(SUGIYASU Kazunori, 1977年10月4日〜)は、超分…

化学コミュニケーション賞2024、候補者募集中!

化学コミュニケーション賞は、日本化学連合が2011年に設立した賞です。「化学・化学技術」に対する社会…

相良剛光 SAGARA Yoshimitsu

相良剛光(Yoshimitsu Sagara, 1981年-)は、光機能性超分子…

光化学と私たちの生活そして未来技術へ

はじめに光化学は、エネルギー的に安定な基底状態から不安定な光励起状態への光吸収か…

「可視光アンテナ配位子」でサマリウム還元剤を触媒化

第626回のスポットライトリサーチは、千葉大学国際高等研究基幹・大学院薬学研究院(根本研究室)・栗原…

平井健二 HIRAI Kenji

平井 健二(ひらい けんじ)は、日本の化学者である。専門は、材料化学、光科学。2017年より…

Cu(I) の構造制御による π 逆供与の調節【低圧室温水素貯蔵への一歩】

2024年 Long らは、金属有機構造体中の配位不飽和な三配位銅(I)イオンの幾何構造を系統的に調…

可視光活性な分子内Frustrated Lewis Pairを鍵中間体とする多機能ボリルチオフェノール触媒の開発

第 625 回のスポットライトリサーチは、名古屋大学大学院 工学研究科 有機・高…

3つのラジカルを自由自在!アルケンのアリール-アルキル化反応

アルケンの位置選択的なアリール-アルキル化反応が報告された。ラジカルソーティングを用いた三種類のラジ…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP