さて、今年の日本化学会年会も明日から開催されます。
ケムステでは今回もいくつかの企画をピックアップして紹介してきましたが、最後に紹介するのは「論説フォーラム」。
論説とは日本化学会の会員誌「化学と工業」の前の方に掲載されている、著名化学者の意見です。ちなみに私もなぜか昨年執筆いたしました(2017年12号 化学の魅力を伝えるために)。前回に比べて圧迫感(レジェンド感)が減った気がしますが、本会屈指の豪華メンバー。野依先生・玉尾先生・山本先生などノーベル賞・歴代の日本化学会会長も出席しています。
さあ、このメンバーで一体何を討論するのでしょう。ところでタイトルのSDGsってなんでしょう?
SDGsとはSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称。そんな略称あるの知りませんでした。2015年9月の国連サミットで採択された「 持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標であり、内容からすれば化学が主役になりうるというお話です。
なんだかマクロな視点のお話がありそうですが、こういう話も一度は聞いてみてはいかがでしょうか。ミーハーな気持ちでも大丈夫だと思います。以下詳細など。
趣旨
2015年9月の国連総会において,2030年までの世界全体の開発目標“Sustainable Development Goals (SDGs)”17項目が議決された(有本建男,化工誌「論説」,Vol. 70-1, 7-8 (2017))。SDGsは,いわば政策論ともいえるが,同時に科学者に対する新しい学問研究へのメッセージでもある。SDGsの多くは科学技術が直接貢献できるものであり,化学なくしては実現できないものも少なくない。これまでの貢献の実例を見れば,科学者たちの地道な基礎研究にたどり着く。SDGsを知って,あなたの研究を発展させよう。
実施日・会場
3月 21日(水・祝) 10時 ~ 12時 05分
SD 会場(階段教室 1階 大教室)
プログラム
10:00-
挨拶・趣旨説明(化学会論説委員長)玉尾 皓平
セッションI:各セクターからのメッセージ
10:05-
SDGsをめぐる動き(JST STI for SDGsタスクチーム)大竹 暁
10:15-
SDGsのための化学,化学のためのSDGs(21世紀の科学を変革する)(政策研究大学院大学GRIPS 教授)有本 建男
10:25-
SDGsと科学技術研究課題(JST CRDS)中山 智弘
10:35-
研究の潮目を変えたSDGs(日本化学会会長)山本 尚
10:45-
「化学は科学を広げ、世界をつなぐ」(JST 研究開発戦略センター センター長)野依 良治
セッションII:パネルディスカッション
11:00-
パネルディスカッション「基礎研究からSDGsの達成へ」
司会:玉尾 皓平
パネリスト:論説委員会メンバー(浦田尚男,射場英紀,岡村直子,上杉志成,辻篤子ほか)とJST STI for SDGsタスクチームメンバー他
①産業界,大学・研究機関,文科省の取組み紹介
②SDGs達成事例とわが国の科学技術の底力(事例紹介を基に総合討論):
(目標3)マラリア感染症診断法,寄生虫に対する治療法;(目標6)逆浸透膜による海水淡水化;(目標7)リチウムイオン二次電池,LED,水素エネルギー社会;(目標9)Nd磁石;(目標11)光触媒,垂直磁気記録とビッグデータ時代などを例に
12:00-
まとめ「さあ,始めよう!」(JST理事)白木 澤佳子
参加費・申込み方法・問い合わせ先
無料・事前申込不要。直接会場にお越し下さい。
問合せ先
日本化学会 学術情報部 美園,田中
電話(03)3292-6165 E-mail: ronsetsu@chemistry.or.jp