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「関東化学」ってどんな会社?

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1944年(昭和19年)の設立以来、研究分野で使われる多種多様の薬品を市場に供給することで社会に貢献している総合試薬メーカーです。事業は、試薬に加え、電子材料、臨床検査薬、化成品の4分野からなり、品質の高さで、強い競争力を持つ製品を世界へお届けしています。

化学を象徴するロゴマーク

 関東化学のロゴマークである「鹿印」。

もともとは初代社長が試薬業を創立する際に詣でた春日大社の神使とされる動物をモチーフとして採用した事に由来します。その後、化学を象徴する六角形のベンゼン環の中に「Cica」の文字を含めたロゴマークへと改定され、現在に至ります。

Cicaは「C=Chemicals」「I=Industrial Products」「C=Collect」「A=Associate」の頭文字を取ったものであり、このマークが象徴する通り、「試薬」「電子工業用薬品」「臨床検査薬」「ファインケミカル」「医薬品原薬」「食品添加物」など、幅広く「化学」で人の暮らしを支える事業について取り組んでいます。

鹿からCicaへ -ロゴマークの変遷-

関東化学の歴史

1944年に試薬業4社が合併し、「大東亜化学工業株式会社」を設立。翌1945年に社名を「関東化学株式会社」に改称し新たなスタートを切りました。

1949年には、分析用試薬、医薬、化学工業品、製造原料、研究資材などの相談に無償で応じる試薬相談所を開設。創業時に東京・日本橋の白木屋ビル(現コレド日本橋ビル)の一角に工場兼事務所を置いていた東京通信工業㈱(現ソニー㈱)が相談に訪れた際、親身になって対応したことがきっかけになり、その後の大口取引につながりました。

試薬無料相談所(蒲鉾兵舎)

 

その後、高度経済成長期やバブル経済期といった日本経済がめまぐるしく変化する時代のなかで、世界に先駆け半導体製造プロセス用高純度薬品の製造販売を開始しました。

また、国内試薬メーカーとしては初となるISO9001の認証取得をはじめ、常に品質管理体制の強化を図っています。

そして、創業当初から視野に入れていたグローバル化は、電子工業用薬品の需要に対応するため、1989年にアメリカに事務所を設立。現在はアジア・ヨーロッパを含め5カ国にも進出しており、海外販売網の拡充および現地製造の強化を積極的に推進しています。

有機化学品の製造

 

どんな製品を取り扱っているのか?

試薬=試験研究用の薬品は、学術研究のみならず、様々な産業分野で、歴史を変えるようなプロダクトの誕生を支えています。また、新たな商品を生むだけでなく、製造プロセスの効率化や品質管理にも欠かせないものとなっています。

さらに、あまり知られていないことかも知れませんが、私たちの毎日の暮らしを守る役割も果たしています。

例えば、機能性化合物、医薬品などとして生まれた新たな化学物質の検出やチェック、製品の品質管理などにも役立てられているのです。

そして今後、試薬の利用分野は今以上に細分化され、さらなる高品質・高機能が求められると考えています。こうした時代背景の中、私たちはこれからも試薬のトップブランドとして常に次代を読み取り、チャレンジスピリットを忘れず、試薬で未来に貢献していきます。

産業を支え、暮らしを守る試薬

 

さまざまな疾患の診断に用いられる血中または尿中成分の測定キット、あるいは大腸菌、サルモネラ菌等の食中毒菌を検出するための細菌検査用培地といった私たちのライフサイエンス製品は、多くの医療機関や研究機関で使用されており、高いシェアを誇っています。

それらの製品は、疾病の早期発見やメカニズムの解明だけでなく、暮らしを守るためにも役立っています。たとえば、食品向けの細菌検査薬などは食の安全を守るために活かされています。

命を支える、臨床検査薬

 

ほんの微量のパーティクル(微粒子)であっても、製品の致命的な欠陥となるエレクトロニクス産業の先端プロセス。ここで必要不可欠なのが、電子工業用薬品です。

私たちは、1964年から世界のメーカーに先駆けて半導体製造プロセス用高純度薬品を開発・製造してきました。あわせて製造現場での薬品自動供給装置も開発し提供しています。

たとえば、わずか0.1ミクロン以下の線幅で回路が集積する超LSIの製造プロセスでは、超微量のパーティクルや金属不純物でも大きな問題となります。私たちは長年蓄積したノウハウを活かし、さらに進化する超LSIに対応できるpptレベルにコントロールされた半導体プロセス用高純度薬品や機能性薬品の開発に成功しました。また、フラットパネルディスプレイ関連でも、高機能のエッチング液や洗浄液、剝離液を開発し、製品の信頼性向上と製造プロセスの効率化に大きく貢献しています。

さらにリサイクルやリユースが可能な機能性薬品の研究開発、製品化も進めています。

私たちの先進性と、優れた機能、確かな品質は、世界中の企業から高い評価を得ています。

先端プロセスに欠かせない、電子工業用薬品

山梨大学内に「甲府インキュペーションセンターを開設」

2017年5月に山梨大学の生命環境学部内に「甲府インキュベーションセンター」を開設しました。本格的なクリーンルームを備えたサテライトラボであり、ここでは当社の研究スタッフが常駐して再生医療への応用が期待されているヒトiPS細胞を用いたオリジナルの細胞培養培地の研究開発を開始しました。

サテライトラボによる研究の様子

関東化学の基本情報

会社名  関東化学株式会社
本社所在地  東京都中央区日本橋室町2丁目2番1号
事業所 大阪支店 大阪市中央区瓦町2丁目5番1号

福岡支店福岡県福岡市博多区東比恵2丁目22番3号

その他 国内営業拠点11カ所、国内製造拠点6カ所、研究所2カ所 海外事業所 6カ国

事業内容  試薬、化成品、電子工業用薬品、臨床検査薬の製造販売
 設立/創立  1944年11月
 資本金  30億円(2017年4月1日現在)
 売上高  721億円(2017年3月期、関東化学ホールディングス連結ベース)
 従業員数  1,052名(2017年4月1日現在、役員・臨時含む)
 ホームページ  http://www.kanto.co.jp/

関東化学製品・研究情報

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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