今や、科学者向けの文献管理ソフトはよりどりみどりだ。その中から代表的な8つを検討した。
タイトルおよび説明はシュプリンガー・ネイチャーの出版している日本語の科学まとめ雑誌である「Natureダイジェスト」11月号から(画像クレジット:PROJECT TWINS)。最新サイエンスを日本語で読める本雑誌から個人的に興味を持った記事をピックアップして紹介しています。過去の記事は「Nature ダイジェストまとめ」を御覧ください。
TOOLBOX: 文献管理ソフト8選
数多のダウンロードした文献を整理する文献管理ソフト。いまや、常用される方が多いことと思います。ケムステでも文献管理ソフトに関する記事を公開しています。
人気を博しましたが、いずれも古い記事。この分野は日進月歩です。さて、現状はどうなっているのか?
本記事では代表的な8つの文献管理ソフトについてその特徴を詳しく述べています。
そして、この記事実は無料公開。全文読むことができます。なんとふとっぱらなことか。そんなもの知らないや!という方や、他の文献管理ソフトを検討したい方はぜひ読んでみてください。ちなみに紹介されているソフトは以下の8つ。
ちなみに私は、EndNote、Papers、MENDELEY、readcube、Zoteroは知っていました。実際に利用しているのはPapersです。
貴方はどの文献管理ソフトを使っていますか?実際もっと良いものがあるかもしれません。ぜひ記事を読んで学んでください。
反物質研究の最前線
脚光を浴びるCERN の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)の陰で、新しい物理学を模索する複数の実験チームがしのぎを削っている。
ビッグサイエンスである、素粒子物理学。今年のノーベル物理科学賞は重力波、2015年はニュートリノ振動、2013年のヒッグス粒子、2008年の対称性の破れの起源など多くの大発見があります。国家予算レベルの資金を投入し、世界中で1つの目的に対して多くの科学者が発見を夢見るこの分野は、スモールサイエンスである化学からは一つの憧れでもあります。
さて、反物質という言葉をご存知でしょうか? 宇宙が誕生したときの「ビッグバン」でできたとされる「物質」と反対の性質をもつものが「反物質」(その直後「反物質」は消滅)です。すなわち、我々が認識している宇宙に存在する物質の性質と反対のものを反物質と定義しています。
例えば、陽子はプラス、電子はマイナスですが、反物質の世界では陽子はマイナス、電子はプラス。水素原子だったら、核がマイナス(反陽子)で、その周りに1つプラスの電子(陽電子)が回っています。もう化学からはわけがわかりませんね。
反物質は古くから知られ、1950年代までには、エネルギーから粒子への転換を利用して反陽子が作られるようになっています。現在反陽子を供給できる施設は欧州原子核研究機構(CERN)のみ。この施設で行う反物質研究の最前線を本記事では詳細に述べています。
その他の記事
今月の無料公開記事は、上記で紹介した「TOOLBOX: 文献管理ソフト8選」に加えて、あと2つ。
「iPS細胞でサルのパーキンソン病症状が緩和」としてiPS細胞から作製したニューロンがパーキンソン病の症状改善に有効な可能性が示されています。
もうひとつは、社説欄から「日出ずる国の黄昏」。今年で100周年を迎えた日本で唯一の自然科学の総合研究機関、理化学研究所(理研)の過去の栄光と比較した「衰退」について述べられています。色々大事なことはたくさんあるのは重々承知ですが、科学技術立国を堅持できるのか、なかなか疑問なところです。ある人の言葉を借りれば、「現状の科学政策は歴史の法廷に立つ覚悟ができているのか」問いたい。
今年もあと1ヶ月半
寒くなり冬を感じるようになってきました。今年も残りはあと1ヶ月半。私達の周りの科学は粛々と研究され変化しています。今年も様々な科学の発見がありました。少し早いですが、今年のおもしろ科学をもう一度振り返ってみてはいかがでしょうか。
ここで紹介しているNatureダイジェストは日本語で最新科学を読むことができますし、オンライン購読すれば、すべての過去記事をみることができるので、科学の進展を味わうために大変オススメです。
過去記事はまとめを御覧ください
外部リンク
- Nature ダイジェスト | Nature Publishing Group
- Natureダイジェスト、編集部 (@NatureDigest) | Twitter